腸内環境と免疫系の関係性。腸内細菌を増やして免疫力をアップ!

腸内細菌と免疫反応の関係腸内フローラを改善する
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腸内には1000種類を超える細菌が100兆個以上存在するといわれています。
これらの腸内細菌と人間は共生しており、最近の研究では、腸内細菌は人間の免疫系にも関係していることがわかってきています。
ということで今回の記事は『腸内細菌と免疫系』についての話になります。

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腸内細菌がヒトの体を守る

腸内細菌がヒトの免疫系に関係あるなんて信じられない!

多くの人が思うはずです。
しかし、2010年の論文では、腸内細菌が実験的自己免疫性脳脊髄炎中の炎症促進生免疫応答との間のバランスに深く影響していると示唆しています(Proinflammatory T-cell responses to gut microbiota promote experimental autoimmune encephalomyelitis
実験的自己免疫性脳脊髄炎とは、脳炎の動物実験モデルのことです。
この世界ではEAEと称されることが多いですね。

細菌不足がアレルギーのもと?

これもよく言われていることですが、花粉症やアトピー性皮膚炎の増加は『ばい菌に触れる機会が減ったから』という説があります。
人類はそもそも細菌がたくさんいる環境で長年暮らしてきました。
それなのに近年は、過度の除菌や抗生物質のおかげで、免疫系がそこまで働かなくてもOKになってきたんですね。
だからたまに病原菌が入ってくると『過剰反応』してしまうのではないかと言われています。

だから、菌が多い農場で生まれ育った子供は、裕福で清潔な家庭の子供より、アレルギーが少ないというデータもあるくらいですからね(The farm effect, or: when, what and how a farming environment protects from asthma and allergic disease.
他にも犬を飼っている家庭では喘息が減るなんていうデータもあります。
犬は外の細菌たちを家庭内に持ち込んでくれますからね笑。
適度に免疫系を刺激してあげるのが良いのかもしれません。

東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生は、あえて『サナダムシ』を食べています。
というのも、今ではサナダムシに感染することが難しくなってきているからです。
サナダムシの卵をヒトが飲み込んでも、サナダムシは成長しません。
サナダムシが成長するためには、まずサナダムシの卵をミジンコが食べて、そのミジンコを鮭が食べて、その鮭の魚肉で幼虫に成長したものをヒトが食べてようやく感染するのです。
そしてヒトが川でウンチをすれば、そのウンチ中のサナダムシの卵をミジンコが食べて・・・の繰り返しが行われるのですが、今では川でウンチをする人はいません。
衛生環境が整うことで、川でウンチをする人がいなくなったのです。

ですから藤田先生は、サナダムシの感染幼虫を見つけては、食べているそうなのです笑。
細菌もそうですが、寄生虫も人間の体に悪さばかりするわけではありません。
人はこれらの細菌やら寄生虫やらと何万年にもわたって共生してきたんですね。

しかし、細菌や寄生虫は悪とみなされ、過剰な殺菌や抗生物質により排除されていきました。
確かなことではないですが、細菌や寄生虫が免疫に関係しており、これらが少なくなったことで、自己免疫生疾患を引き起こしている可能性があるのです。

腸内の粘膜免疫系

腸の内側にはたくさんの免疫細胞があります。
これらの細胞は粘膜免疫系と呼ばれていて、腸内に侵入してくる悪い菌から体を守る役割があります。
粘膜の役割の1つは、物理的に腸内の細菌がヒトの細胞に近づかないようにしていることです。
それと、腸内細菌の一部にとっては、このネバネバは豊富な栄養源であり、細菌を養っています。
粘膜の近くに腸内細菌が増えることで、悪い病原菌が来たとしても、第一関門として腸内細菌の壁を突破しなくてはいけなくなるのです。

Tレグ細胞(制御性T細胞)の増加に関与

病原菌がきて、免疫反応が起こると、B細胞とT細胞が抗体を作って炎症を促します。
そのあとは、炎症を下げるためにTレグ細胞(制御性T細胞)と呼ばれる免疫細胞が働きます。
このTレグ細胞が少ないと免疫反応が強くなり、炎症が長引いてしまい、これが他の病気に発展することもあります(がんなど)。

腸内細菌の一部が、腸内のTレグ細胞を増やす働きがあることを発見しました(Treg induction by a rationally selected mixture of Clostridia strains from the human microbiota.)。
Tレグ細胞が増加することで、炎症反応が抑えられるので、大腸炎やアレルギーなどを起こしにくくなるということです。
腸内細菌が出す副産物(人間でいうとウンチ)は体にとって有益なものなんですね(`・ω・´)”

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では腸内細菌と免疫の関係について書いてきました。
腸内細菌が免疫にも関係してくるというのは、なかなか興味深い話ですよね。
でもこう考えてみたら納得できるかもしれません。
腸内細菌と人間は『共生』しています。
だから、人間が死んでしまうと腸内細菌も死んでしまいます。
だから人間の生存を脅かす病原菌に対しては、人間の免疫系と力を合わせて腸内細菌も戦っていくと。
話を単純化して考えたらスッキリしますよね笑。
実際はどうなってるのかはわかりませんが、長い年月をかけてお互い歩み寄りながら生きてきた人間と腸内細菌の間柄は、科学では簡単には解明できない絆があるのではないでしょうか(=゚ω゚)ノ

毎回書いてることですが、病気は治療ではなく予防が肝心です。
治療に使うお金は莫大ですが、予防に使うお金はちょっとでいいので、こう言うことを一人一人が心がけるだけで、日本の財政が良くなるはずなんです。
そして、ライフシフトの本で有名なロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授曰く、これからの人生は100年計画にしなさいとのことです。
人生の最後を病院で寝たきりは嫌ですよね?
そのためにも、日々の生活を心がけ、健康的な生活にし、健康寿命を延ばすことが何よりも大切なのではないでしょうか。
そのためにも、腸内環境を整えることは重要なのではないかなと私は思っています(`・ω・´)”

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
参考にした本『腸科学』

『GO WILD』

『脳はバカ、腸はかしこい』

『あなたの体は9割が細菌』

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