体に必要な脂質とは?脂質の重要性についてご紹介

脂質とは?食事を改善する
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「体に必要な脂質とは何なのか?」
このような基本的な問いに立ち返って、体を管理していくことは大切だと思っています。
ということで、今回の記事では『脂質』について詳しく書いていきたいと思います。

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脂質ってなに?

脂質」って聞くと、なんだか体にとって悪いイメージがあるかもしれませんが、脂質はすごく重要な栄養素になります(もちろん取りすぎはだめ)。
『脂質は体にとって重要!』ということを頭に入れて、以下を読んでいきましょう(`・ω・´)”

脂質(lipids)は、水に不溶で、有機溶媒に溶解する化合物のことで、役割としては以下のようなものがあります。
栄養学的に重要な脂質は、

  • 脂肪酸(fatty acid)
  • 中性脂肪(neutral fat)
  • リン脂質(phospholipid)
  • 糖脂質(glycolipid)
  • ステロール類(sterols)

になります。
聞いたことのない脂質名もあると思います(=゚ω゚)ノ
それぞれ詳しく見ていきましょう。

脂肪酸

脂肪酸は炭化水素鎖(水素と炭素のみからできている)の末端 にカルボキシル基を有し、総炭素数が4~36 の分子のことです。
カルボキシル基があるので生体内での代謝が可能になり、エネルギー源として利用され、また細胞膜の構成成分になることができます。

また脂肪酸は二重結合の個数によって呼び名が分かれます。

  • 二重結合がない飽和脂肪酸(常温で個体:バターやラードなど動物性脂肪に多い)
  • 二重結合が1個存在する一価不飽和脂肪酸
  • 二重結合が2個以上存在する多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸:体内で作られない)

さらに、多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)はメチル基末端からの最初の2重結合の位置により、n─3系脂肪酸(メチル基末端から 3 番目)とn─6 系脂肪酸(メチル基末端から 6 番目)に区別されます。
二重結合のある不飽和脂肪酸には幾何異性体があり、トランス型とシス型の二つの種類があります。
自然界に存在する不飽和脂肪酸のほとんどはシス型で、トランス型はわずかに存在します。

n─3系脂肪酸(必須脂肪酸)

n-3系脂肪酸のことを『オメガ3脂肪酸』なんて呼び方もします。
オメガ3の方が耳慣れた言葉かもしれませんね。
オメガ3系脂肪酸には以下のような脂肪酸があります。

  • α-リノレン酸
  • EPA(eicosapentaenoic acid:魚に含まれる)
  • DHA(docosahexaenoic acid:魚に含まれる)

オメガ3脂肪酸は青魚に多く含まれていますが、青魚以外からも摂取することが可能で、シソ油(えごま油)や亜麻仁油(フラックスシードオイル)に多く含まれています。

n─6系脂肪酸(必須脂肪酸)

n─6系脂肪酸のことを『オメガ6脂肪酸』と呼んだりもします。
オメガ6系脂肪酸には以下のような脂肪酸があります。

  • リノール酸
  • γ-リノレン酸
  • アラキドン酸

γ-リノレン酸やアラキドン酸はリノール酸の代謝産物になり、オメガ6系脂肪酸の98%はリノール酸です。

オメガ6脂肪酸は、大豆油、ごま油、コーン油、ひまわり油などに含まれており、オメガ3系脂肪酸に比べて、特に意識しなくても現代の食生活では摂取できます。

中性脂肪

中性脂肪は、グリセロールと脂肪酸のモノ、ジ及びトリエステルであり、

  • モノアシルグリセロ ール
  • ジアシルグリセロール
  • トリアシルグリセロール(トリグリセライド、トリグリセロール、 中性脂肪)

といいます(覚えなくてOK)。

リン脂質

リン脂質はリン酸をモノ又はジエステルの形で含む脂質です。

糖脂質

糖脂質は、1個以上の単糖がグリコシド結合によって脂質部分に結合している脂質です。

コレステロール

コレステロールは四つの炭素環で構成されているステロイド骨格と炭化水素側鎖を持つ両親媒性 の分子です。
善玉コレステロールやら悪玉コレステロールやらの話を聞いたことがある人も多いはずです。
しかし、コレステロールに悪玉も善玉もないんですね。
どちらも必要なのですが、変な名前をつけられているから『悪玉コレステロールは悪い!』というイメージがつけられています(´・ω・)
コレステロールの話については、また別の記事で書こうと思います。

脂質の体の中での働き

脂質の体の中での役割は以下の通りです。

  • 細胞膜は脂質を材料に作られている
  • エネルギー源として働く
  • 炭水化物(糖質)は1gあたり4kcalだけど、脂質は1gあたり9kcalと炭水化物の2倍以上!
  • 脂溶性ビ タミン(A、D、E、K)やカロテノイドの吸収を助ける
  • ホルモンや胆汁酸の材料になる

脂質の消化と吸収

摂取した食品中の脂質の主成分はトリアシルグリセロールで、その他にリン脂質、糖脂質、コレステロールなどが含まれています。
食物中のトリアシルグリセロールは膵リパーゼと胃底腺リパ ーゼにより、リン脂質は膵ホスホリパーゼ A2 により、コレステロールエステルはコレステロールエステラーゼによって消化されます。

トリアシルグリセロールから生成された脂肪酸と2─モノアシ ルグリセロールは、胆汁酸と混合されてミセルを形成し可溶化されます。
このミセルには、脂肪酸、2─モノアシルグリセロール、リン脂質、コレステロール等が取り込まれ、小腸上皮細胞の表面に到達したミセルから脂肪酸等が細胞に移行します

小腸上皮細胞内で脂肪酸と2─モノアシルグリセロールはトリアシルグリセロールに再合成され、リン脂質やコレステロール、たんぱく質を組み込 んだキロミクロンが合成されます。
キロミクロンは小腸上皮細胞よりリンパ管に移行し、キロミク ロンは、脂肪組織、肝臓その他の組織に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では『脂質』について書いてきました。
一般的には『脂質=体に悪い』と思われがちですが、そんなことなくて、脂質は体にとって重要な栄養素になります。
もちろん、取りすぎは良くないですが^^;

しかし、体に悪い脂質があることも知っておかなくてはなりません。
体に悪い脂質の1つは『酸化した油』です。
やはり油も新鮮なものに越したことはありません。

そしてもう1つが『トランス脂肪酸』になります。
トランス脂肪酸とは工業的に水素付加を行い、不飽和脂肪酸(液状油)を飽和脂肪酸(固形油)に変えるときに副産物そして多くのトランス脂肪酸ができます。
トランス脂肪酸は多くの研究で『体に悪い』と示されています。

WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)の『食事、栄養及び慢性疾患予防に関する合同専門家会合』では、食事からのトランス脂肪酸の摂取は極めて低く抑えるべきとして、一日の総エネルギーの1%以下未満にするように警告しています。
また、アメリカやEUではトランス脂肪酸の含有量が表示されています。

ですが・・・日本ではなんの規制もないので、どこも表示していません(´・ω・)
マジで日本どうなってるの??
ちなみにトランス脂肪酸の代名詞はマーガリンやショートニングですね。
しかし、この他にも『硬化油』と書かれているものはトランス脂肪酸が含まれています。
そして『植物油脂』と書かれているものにも、多分含まれているはずです・・・。
いやほんとに・・・日本もトランス脂肪酸の表示を義務化してくれよ。
国民を病気にさせたいのかな?
まぁ病気になって病院に通うと医者が潤うもんね・・・。

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
トランス脂肪酸については、また別の記事で詳しく書きたいと思います。
それと、多くの人が勘違いしているであろう、『コレステロール』についても別の記事で詳しく書くつもりです(`・ω・´)”

参考にしたサイト⇨日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書 脂質

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