家庭菜園の鳥対策は防鳥ネットが最優先|選び方・張り方・作物別の守り方

家庭菜園の鳥対策は防鳥ネットが最優先を表現するイラスト 料理
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この記事を書いたきっかけは、鳥のフンがついたニラを何度も洗って食べた経験です。洗えば食べられなくはありません。でも、葉に乾いてこびりついたフンをこすり落とす作業を毎回やるのは、気持ちのいいものではありませんでした。

そもそもフンをつけられない状態を作るほうが根本的な解決ではないか。そう考えて、農林水産省や農研機構の公的資料を読み込み、家庭菜園で実際に使える予防策を整理したのがこの記事です。

先に結論を書きます。鳥対策の本命は、防鳥ネットで物理的に入れないようにすることです。

反射テープやキラキラしたグッズを試したくなる気持ちはわかります。でも、これらは鳥が慣れてしまうと効かなくなります。農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」でも、農研機構の鳥害対策ページでも、鳥害対策の基本は物理的な侵入防止であり、防鳥網がもっとも確実な被害防止策だと位置づけられています。

この記事では、フンがついた野菜の洗い方や、加熱すれば食べられるかといった話は扱いません。そうした情報が必要な方は、こちらの記事を参照してください。>野菜に鳥のフンがついても食べられる?洗い方と加熱の正しい知識を解説

ここでは、そもそもフンをつけられないようにするための予防策だけに絞って、具体的に何をどう使えばいいのかを整理します。


鳥対策の優先順位を先に整理しておきます

防鳥ネットと反射テープの効果を比較したフラットデザインのイラスト

鳥に困ったとき、多くの人は「追い払う方法」から調べ始めます。CDを吊るす、目玉の風船を置く、鷹の模型を設置する。気持ちはよくわかりますが、これらの方法には共通した弱点があります。鳥が慣れるのです。

農研機構の資料でも、音や光による追い払いは慣れが生じやすく、長期的な効果は期待しにくいと整理されています。

ですから、鳥対策は次の優先順位で考えてください。

対策公的資料上の位置づけ注意点主に有効な鳥向く場面
防鳥ネットもっとも確実な被害防止策設置・撤収に手間がかかる。すき間とたるみに注意全般葉物・ニラ・果実類
不織布・べたがけ物理的遮断として確実蒸れやすく、生育後半には不向き全般種まき直後・苗が小さい時期
テグス・防鳥糸主にカラスで有効性が高いヒヨドリ・スズメ・ムクドリ・ハト類には効果が低い主にカラストウモロコシ・トマトなど
反射テープ・光り物短期間の補助策慣れが生じやすい限定的一時しのぎ

この順番で取り組めば、最初から効果の高い対策に力を集中できます。反射テープから試して、効かなくてネットに戻る、という遠回りをしなくて済みます。


まず、来ている鳥を大まかに見分ける

家庭菜園で被害を出すスズメ・ヒヨドリ・カラスの大きさ比較イラスト

対策を選ぶ前に、自分の畑にどんな鳥が来ているかを大まかにでも把握しておくと、網目のサイズやテグスの要否を判断しやすくなります。

厳密な種の同定は不要です。家庭菜園で問題になる鳥は大きく3グループに分けられるので、体の大きさと被害の出方でだいたい見当がつきます。以下は対策を選ぶための目安であり、鳥類学的な厳密な分類ではありません。

グループ代表的な鳥体の大きさの目安被害の特徴
小型スズメ体長約15cm、手のひらに収まるサイズ種をほじくる、小さな芽を引き抜く、米粒大の穴が点々と開く
中型ヒヨドリ、ムクドリ体長約24〜27cm、ハトより一回り小さい葉をちぎる、果実をつつく、ギザギザした食い跡が残る
大型カラス、ハト体長約33〜56cmトウモロコシを倒す、トマトをくわえて持ち去る、大きな穴が開く

鳴き声も手がかりになります。「ピーヨ、ピーヨ」と甲高く鳴くのがヒヨドリ、「ギャーギャー」と群れで騒がしいのがムクドリ、「チュンチュン」はスズメです。

「よくわからないけど中くらいの鳥が来ている」という場合は、ヒヨドリかムクドリである可能性が高いです。この前提で対策を組めば、大きく外すことはありません。


被害が出やすい時期を知っておく

 家庭菜園で鳥害が出やすい季節と作物・鳥の種類を示したカレンダー風イラスト

鳥害は一年中同じように起きるわけではありません。作物の種類と季節によって、被害が集中する時期があります。あらかじめ知っておくと、ネットを張るタイミングを逃さずに済みます。

以下は公的資料の記述や一般的な傾向にもとづく目安です。地域や年によって変動します。

時期被害が出やすい作物主な加害鳥備考
春(3〜5月)エダマメ・トウモロコシなどの播種直後、イチゴスズメ、ヒヨドリ、カラス種まき直後の掘り返しが多い時期
夏(6〜8月)ブルーベリー、ミニトマト、トウモロコシヒヨドリ、カラス、ムクドリ果実の収穫期と重なる
秋(9〜11月)ブドウ、柿、秋まき葉物の幼苗ヒヨドリ、ムクドリ、カラス果樹の収穫期と秋冬野菜の植え付けが重なる
冬(12〜2月)キャベツ、コマツナ、ホウレンソウ、ブロッコリーヒヨドリ野山のエサが減り、畑の葉物に被害が集中しやすい

農研機構の資料でも、ヒヨドリは冬場に山から平地に移動して農作物を食害する傾向があるとされています(農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ヒヨドリ」)。秋冬の葉物を育てている方は、植え付けの時点で防鳥対策を始めるつもりでいてください。

具体的にどの作物をどう守るかは、後半の「作物別の守り方」で詳しく説明します。


防鳥ネットが本命である理由

防鳥ネットの強みは、鳥の心理に頼らないところにあります。

反射テープや音で脅す方法は、鳥に「怖い」と感じさせることで成り立っています。でも鳥は賢い生き物です。何度か来て「別に何も起きない」と学習すれば、もう怖がりません

防鳥ネットは違います。鳥がどう思うかに関係なく、物理的に中に入れません。慣れの影響を受けにくいのです。これが「もっとも確実」と言われる理由です。

農研機構の鳥害対策ページでは、防鳥網は鳥と農作物を物理的に遮断するもっとも確実な被害防止策であり、小規模栽培や果樹栽培の基本技術と位置づけられています(農研機構「鳥害対策」)。家庭菜園はまさに小規模栽培ですから、相性がいい方法です。


防鳥ネットの選び方(網目・素材・サイズ)

防鳥ネットの網目サイズと対応する鳥の種類を示したフラットデザインのイラスト

網目サイズは、防ぎたい鳥に合わせて決める

防鳥ネットを買うとき、最初に迷うのが網目の大きさです。農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」と農研機構の資料では、鳥の種類ごとに次の目安が示されています。

鳥の種類網目の目安
スズメ20mm以下
ヒヨドリ・ムクドリ30mm以下
ハト類50mm以下
カラス75mm以下

先ほどの見分け方で「中型の鳥が来ている」と判断できた場合は30mm以下、「小型の鳥(スズメ)もいる」なら20mm以下を選んでください。

迷ったら30mm以下を選んでおけば、ヒヨドリ・ムクドリ・ハト類までカバーできるので、外しにくい選択です。

素材は、繰り返し使うなら糸がしっかりしたものを

ホームセンターに行くと、防鳥ネットは数百円のものから数千円のものまでいろいろ並んでいます。

農林水産省の資料(「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」3-2 侵入防止対策)では、糸が太く耐久性のあるタイプの防鳥網は鳥が絡まりにくく、一般的な細い防鳥網より扱いやすいとされています。

家庭菜園で一度張ったらシーズン中そのままにする使い方なら、安いものでもなんとかなります。でも、作物の入れ替えのたびに外して張り直すなら、薄くて破れやすいネットはすぐにストレスになります。糸がよれて絡まり、ほどくだけで嫌になります。

選ぶ際の目安として、糸が細すぎず、結び目がほどけにくいものを選ぶと長持ちしやすいです。

サイズは、畑全体ではなく守りたい区画に合わせる

家庭菜園で畑全体を防鳥ネットで覆おうとすると、支柱の数も増え、出入りも面倒になります。現実的ではありません。

それよりも、被害が出やすい区画だけを確実に覆うほうが、費用も手間も抑えられます。

たとえば、こんなイメージです。

  • 葉物の畝1本をトンネル状に覆う
  • ニラの一角だけ支柱を立ててネットをかぶせる
  • ブルーベリーの株をぐるりと囲う
  • イチゴのプランターの上にかぶせる

守る範囲を絞れば、ネットのサイズも小さくて済むので、張るのも外すのも楽です。


防鳥ネットの張り方(ここが成否を分けます)

防鳥ネットを買って張ったのに鳥が入ってきた、という話はよく聞きます。でも、原因のほとんどはネットの品質ではなく、張り方の甘さです。農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」でも、設置時の注意点が繰り返し書かれています。

ここでは、失敗しやすいポイントを3つに絞って説明します。

ポイント1:作物とネットの間に空間を確保する

防鳥ネットと作物の間に空間を確保する正しい張り方と悪い例の比較イラスト

ネットを作物の上にぺたっとかぶせるだけでは不十分です。

鳥はネットの上に乗ります。乗った状態で、ネットの隙間から嘴を突っ込んで葉をつまんだり、果実をつついたりします。ネットと作物が密着していると、外側からでも食害できてしまうのです。

農林水産省の資料でも、作物との間に十分な空間を確保することが大切だと明記されています(「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」3-2 侵入防止対策)。

具体的には、支柱を使ってネットを持ち上げ、作物の先端からネットまで十分な距離を確保してください。トンネル支柱を使えば自然にこの形になります。

ポイント2:裾のすき間を完全にふさぐ

防鳥ネットの裾をレンガ・Uピン・土で固定する3つの方法を示したイラスト

これが一番大事で、一番失敗しやすいところです。

ネットを上からかぶせて「見た目はちゃんと覆われている」状態でも、裾が浮いていると鳥は入ります。地面とネットの間にわずかな隙間があれば、ヒヨドリのような中型の鳥でもくぐり抜けられます。

農林水産省の資料でも、地際にわずかな隙間があるとそこから侵入することがあると書かれています(同上)。

裾の固定方法はいくつかあります。それぞれ特徴が違うので、状況に合わせて選んでください。

固定方法手軽さ隙間のできにくさ撤去のしやすさ向いている場面
レンガや石で押さえる○(間隔を詰めれば)頻繁にネットを開閉する場合
Uピンやペグで地面に固定風が強い場所
ネットの裾に土をかぶせるシーズン中張りっぱなしにする場合

レンガで押さえる場合は、レンガの間隔を詰めて、風で浮いたときに隙間ができないようにしてください。Uピンは100均でも園芸用のものが売っています。土をかぶせる方法はもっとも隙間ができにくいですが、ネットを外すときに手間がかかります。

出入り口をどうするかも考えておいてください。収穫のたびにネットを全部外すのは面倒なので、片側だけ開閉できるようにしておくと楽です。開けた後は、必ず閉じること。開けっ放しにしておくと、せっかくのネットが機能しなくなります。

ポイント3:ネットをたるませない

ネットがだぶだぶにたるんでいると、鳥が乗ったときに沈み込んで、中の作物に触れてしまいます。また、たるんだ部分に鳥の足が絡まることがあり、鳥が暴れてネットが破れる原因にもなります。

張るときは、支柱の間隔を詰めすぎない程度に、適度にテンションをかけてください。ピンと張りすぎると支柱に負荷がかかって倒れるので、手で押したときに少したわむ程度を目安にしてください。


テグス・防鳥糸の使いどころ(主にカラス向け)

テグスや防鳥糸は、鳥対策の定番としてよく紹介されます。でも、何にでも効くわけではありません。

農林水産省の資料(「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」3-2 侵入防止対策)では、カラスは体が大きく飛行の小回りがきかないため、テグスを張ると翼が触れることを嫌がり、高い効果が期待できるとされています。一方で、ヒヨドリやスズメ、ムクドリ、ハト類などの鳥には効果が低いとも記載されています。

つまり、テグスが有力な選択肢になるのは「主な被害がカラスによるもの」という場合です。

家庭菜園でカラスに狙われやすいのは、トウモロコシ、枝豆、トマトなどです。これらの作物のそばに、複数の高さで水平にテグスを張ると、カラスが降りてくるのを妨害できます。縦横の間隔も詰めるほど効果が高まります。

注意点として、テグスは透明で張った後に視認しにくいため、自分や家族が引っかからないよう、張った場所を共有しておいてください。

ヒヨドリやスズメも来ている場合は、テグスに加えて防鳥ネットが必要です。テグスはあくまでカラス向けの追加策として考えてください。


不織布とトンネルの活用法

防鳥ネットだけが物理的遮断の手段ではありません。不織布やべたがけ資材も、特に種まき直後や苗が小さい時期には有力な選択肢です。

農林水産省のマニュアルでも、防鳥網や不織布などで完全に覆う方法がもっとも確実とされています(「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」)。

不織布が向いている場面

種をまいた直後の畝です。

鳥は、まいたばかりの種をほじくり返して食べることがあります。特にエダマメやトウモロコシなどの大きな種は狙われやすいです。この時期はまだ支柱を立ててネットを張るほどでもないので、不織布を畝の上にふわっとかけてUピンで留めるだけで十分です。

発芽して芽が伸び始める頃にも、小さな苗を鳥に引き抜かれることがあります。苗がある程度育つまでは、不織布をかけたままにしておくのが安心です。

不織布からネットへの切り替え

不織布は通気性がありますが、草丈が高くなってくると中が蒸れやすくなります。また、不織布の上から日光が弱まるので、生育後半にずっとかけておくのは好ましくありません。

なので、苗がしっかり育ったら防鳥ネットに切り替える、という二段構えが現実的です。最初から最後まで一つの資材で通そうとするより、時期に応じて使い分けたほうが結果がよくなります。

なお、不織布で覆っている間は受粉昆虫が入りにくくなります。イチゴやズッキーニなど受粉が必要な作物では、開花期には不織布を外すか、人工授粉で対応してください。

トンネルの組み方

家庭菜園のトンネルは、大げさなものでなくて構いません。

畝の両側にトンネル支柱(U字型のグラスファイバー支柱)を50〜60cm間隔で差し込み、その上から不織布や防鳥ネットをかぶせて、裾をUピンかレンガで固定する。これだけです。

トンネル支柱は長さ180〜210cmのものが家庭菜園ではよく使われます。幅60〜70cmの畝なら、支柱をアーチ状にかけたときに高さ40〜50cm程度のトンネルになります。葉物野菜やニラには十分な高さです。

家庭菜園ではこのくらいが扱いやすい目安です。

プランター栽培なら、被せるタイプのカバーも使いやすい

ここまで防鳥ネットや不織布の話をしてきましたが、ベランダや小型プランターで育てているなら、最初からフレーム付きのカバーを使う方法もあります。

たとえば、第一ビニールの「すっぽり虫よけカバー」のような被せるタイプは、プランターにそのまま使いやすく、鳥だけでなく虫の侵入も抑えやすいです。

広い区画や地植えには向きませんが、葉物野菜のプランター栽培なら、ネットを張るより手軽に始めやすい選択肢です。


作物別の守り方

ニラの鳥対策

ニラの畝にトンネル支柱で防鳥ネットを張り片側から収穫できる構造のイラスト

ニラは鳥対策の話であまり取り上げられませんが、フン害で困りやすい野菜のひとつです。

ニラの葉は細長く、束になって立っています。鳥が畝の上を歩いたり、近くの支柱に止まったりしてフンを落とすと、複数の葉にまとめて付着します。しかもニラの葉は表面がつるつるしているわけではないので、フンが乾くとこびりついて、洗ってもなかなか取れません。

食害よりフン害のほうが深刻なケースが多いので、ニラの対策は「上から落とされない状態を作る」ことが核心になります。

具体的な方法です。

畝の両側に支柱を立て、支柱の上に防鳥ネットをかぶせます。ニラの葉先からネットまで十分な距離を取ってください。裾は地面にしっかり固定します。

ニラは何年も同じ場所で収穫し続ける作物なので、簡単に外して収穫できる構造にしておくのがコツです。片側だけUピンを外して開閉できるようにしておくと、収穫のたびに全部ばらす手間が省けます。

葉物野菜の鳥対策

キャベツ、コマツナ、ホウレンソウ、レタスなどの葉物は、ヒヨドリの大好物です。

農研機構の資料では、ヒヨドリは果実だけでなく葉野菜も食害し、特に冬場の食料が少ない時期に被害が集中するとされています(農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ヒヨドリ」)。家庭菜園で秋冬に葉物を育てている方は、ヒヨドリ対策が必要になる可能性が高いです。

葉物の場合、一枚かじられると傷口から傷みが広がりやすく、被害が始まると一気に進みます。「食べられてから対策する」では間に合わないので、植え付けの時点でトンネルを張っておくのが確実です。

ヒヨドリは30mm以下の網目で防げます。トンネル支柱に30mm以下の防鳥ネットをかぶせ、裾をしっかり固定してください。

ひとつ注意点があります。ヒヨドリはネットの上に乗って、自分の体重でネットを押し下げます。ネットがたるんでいると、中の葉に触れるまで沈み込んで、そのまま嘴でつつくことがあります。支柱の間隔を狭めにして、ネットが沈みにくいようにしておいてください。

トウモロコシの鳥対策

トウモロコシは、家庭菜園でカラス被害がもっとも深刻になりやすい作物のひとつです。

カラスは実が熟し始めると、皮をめくって粒を食べます。1本だけでなく、次々とやられることが多いです。茎ごと倒されることもあります。

トウモロコシの鳥対策は、生育段階で2つに分けて考えます。

〈種まき直後〜発芽〉
まいた種をスズメやカラスにほじくり返されることがあります。この時期は不織布をべたがけにして、発芽して苗が安定するまで覆っておいてください。

〈実が膨らみ始めてから収穫まで〉
カラスが主な相手であれば、テグスが有効です。畝の上に支柱を立て、高さ50cm・100cm・150cm程度の3段にテグスを水平に張ります。縦方向にも50cm間隔程度でテグスを追加すると、カラスが翼を広げて降りてくるのを妨害しやすくなります。

ただし、ヒヨドリやスズメも来ている場合は、テグスだけでは防ぎきれません。その場合は防鳥ネットで実のなっている部分を覆うか、個々の実にネット袋をかぶせる方法が確実です。

収穫適期を過ぎたトウモロコシを畑に放置しておくと、鳥を呼び寄せる原因になります。収穫はこまめに行ってください。

果実類の鳥対策

イチゴ、ブルーベリー、ミニトマト、サクランボ、ブドウ。家庭菜園で人気の果実類は、どれも鳥に狙われやすい作物です。

農研機構のFAQでは、果実への鳥害は果実が熟し始めてから発生するという特徴があり、確実な防除手段は防鳥網を張ることだと記載されています(農研機構「FAQ|鳥獣害」)。

果実類で失敗しやすいのは、対策を始めるタイミングです。

多くの人は、実が赤くなり始めてから「そろそろネットをかけなきゃ」と動きます。でも鳥は、人間が気づくよりも早く果実の変化を察知しています。色が変わり始めた日の朝にはもうつつかれていた、という話は珍しくありません。

果実類の防鳥ネットは、実が色づく前には張っておいてください。イチゴなら花が咲いた頃、ブルーベリーなら実が緑色の段階で準備を始めるのがちょうどいいタイミングです。

〈イチゴ・ブルーベリーの場合〉
株の周りに支柱を4本立てて、上と横を防鳥ネットで囲います。鳥かごを裏返したようなイメージです。上面だけでなく側面も覆わないと、横から入られます。

〈ミニトマトの場合〉
支柱仕立てで背が高くなるので、全体を覆うのは難しいことがあります。その場合は、実がなっている房の周りだけネット袋をかぶせる方法もあります。ただし管理が面倒になるので、可能なら株全体をネットで囲うほうが楽です。

〈果樹の場合〉
木全体を覆うのが理想ですが、大きな木では現実的でないこともあります。そのときは、実のなっている枝にネットをかぶせるか、袋掛けで対応します。袋掛けは手間がかかりますが、鳥だけでなく虫や病気からも守れる利点があります。


反射テープ・光り物の正しい位置づけ

ここまで読んで、「じゃあ反射テープは完全に無意味なのか」と思われたかもしれません。無意味ではありません。ただし、使い方を間違えると効果がなくなります。

反射テープや光り物が効くのは、鳥がまだその場所に警戒心を持っている間だけです。設置直後はしばらく、見慣れないものにびっくりして近づかなくなることがあります。でも、同じものが同じ場所にずっとあると、「あれは何もしてこない」と学習して無視されるようになります。

ですから、反射テープを使うなら次のことを意識してください。

〈使い方1〉防鳥ネットと併用する
ネットで物理的に防ぎつつ、ネットの周囲に反射テープを張っておくと、設置直後は鳥がネットに近づく頻度が下がることがあります。ただし、慣れが生じれば効果は薄れるので、あくまで補助策です。

〈使い方2〉位置や種類をこまめに変える
同じ場所に同じものを吊るしっぱなしにしないでください。定期的に場所を移動させたり、別の色のテープに交換したりすると、慣れるまでの時間を引き伸ばせます。

〈使い方3〉ネットを張るまでの一時しのぎとして使う
ネットをまだ用意できていないけれど、鳥の被害が始まってしまった。そんなときに、反射テープで時間を稼ぐのは合理的な使い方です。ただし、あくまで時間稼ぎです。なるべく早くネットに切り替えてください。


鳥を呼び寄せない環境づくり

防鳥ネットで作物を守ることが本命ですが、補足的な工夫として、鳥が畑に居着きにくい環境を意識しておくことも役に立ちます。ネットを外した瞬間を狙われる、ネットの隙間を執拗に探られる、といった事態を減らすために、以下のことも頭に入れておいてください。

〈収穫残渣を畑に放置しない〉
間引いた苗や、傷んで捨てた野菜を畑の隅に積んでいると、鳥のエサ場として認識されやすくなります。残渣はこまめに片づけるか、コンポストに入れてください。

〈熟しすぎた果実を放置しない〉
収穫適期を過ぎた果実は、鳥にとって見つけやすいエサになります。特にミニトマトやイチゴは、完熟を過ぎると匂いが強くなります。こまめに収穫することが、間接的な鳥対策になります。

〈不要な水たまりを作らない〉
鳥は水を飲みに来ることもあります。畑の近くにバケツの水をためっぱなしにしていたり、受け皿に水がたまっていたりすると、鳥の滞在時間が長くなりがちです。使わない水はこまめに捨ててください。


実際にかかる費用の目安

「防鳥ネットが本命なのはわかったけど、いくらかかるの?」という疑問に答えておきます。

以下は、ホームセンターや100円ショップでそろえる場合のおおまかな目安です。店舗・サイズ・時期によって変動するので、購入時に確認してください。

資材費用の目安備考
防鳥ネット(2m×5m程度)500〜2,500円網目30mm以下、糸がしっかりしたもの
トンネル支柱(5〜6本)500〜1,000円長さ180〜210cm、グラスファイバー製
Uピン(10本入り)100〜300円裾の固定用
不織布(1.8m×5m程度)300〜600円種まき直後の一時的な覆い用
テグス(50m巻)300〜500円カラス対策が必要な場合のみ
反射テープ(1巻)200〜500円補助用

畝1本を防鳥ネットとトンネル支柱で守る場合、数千円以内に収まることがほとんどです。一度揃えれば複数シーズン使えるので、毎年鳥にやられて苗を買い直すことを思えば、十分に元が取れます。


よくある質問

「CDを吊るすのは効かないんですか?」

設置直後は多少の効果があることもありますが、鳥が慣れると効かなくなるのが普通です。農林水産省の資料でも、光による忌避は慣れが生じやすいとされています(「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」)。CDだけに頼る対策はおすすめしません。

「鳥よけの目玉風船はどうですか?」

CDと同じく、慣れの問題があります。設置初期に多少の忌避効果は期待できますが、長期間の効果は期待しにくいです。使うとしても、防鳥ネットの補助として、位置をこまめに変えながら使ってください。

「防鳥ネットで虫も防げますか?」

30mmの網目では虫は防げません。防虫と防鳥を同時にやりたい場合は、防虫ネット(目合い1mm以下)を使う方法がありますが、通気性が悪くなり蒸れやすくなります。防虫と防鳥は基本的に別の資材で対応してください。ただし、防虫ネットで覆っている畝は結果的に鳥も入れないので、そこにわざわざ防鳥ネットを追加する必要はありません。

「防鳥ネットを張ると受粉に影響しますか?」

防鳥ネットの網目や張り方によっては、受粉昆虫の出入りに影響が出ることがあります。30mm程度の網目であればミツバチの体より大きいですが、ネットの張り方次第では入りにくくなる場合もあります。受粉が必要な作物(イチゴ、ズッキーニなど)では、着果の様子を見ながら、必要に応じて人工授粉を併用してください。

「防鳥ネットをシーズン中ずっと張りっぱなしにしても大丈夫?」

素材が紫外線に耐えるものであれば、シーズン中の張りっぱなしは可能です。ただし、ネットが劣化して破れやすくなることがあるので、定期的に状態を確認してください。裾の固定が緩んでいないか、たるみが出ていないかも併せてチェックすると安心です。オフシーズンには外して、日陰で保管したほうが長持ちします。

「マンションのベランダ菜園でも防鳥ネットは使えますか?」

使えます。プランターの周囲に支柱を立ててネットで囲う方法や、プランター全体にネットをかぶせる方法があります。ベランダの場合は風の影響を受けやすいので、ネットの固定はしっかり行ってください。なお、マンションの管理規約でベランダの外観に関するルールがある場合は、事前に確認しておくと安心です。

「鳥を傷つけたくないのですが、防鳥ネットで鳥が絡まることはありますか?」

あります。特に糸が細く柔らかいタイプのネットは、鳥の足や翼が絡まりやすいです。農林水産省の資料でも、糸が太く耐久性のあるタイプのほうが鳥が絡まりにくいとされています(「野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編」3-2 侵入防止対策)。また、ネットをたるませないことで絡まりのリスクを減らせます。なお、野鳥は鳥獣保護管理法で保護されているため、捕獲や殺傷は原則として禁止されています。防鳥ネットは「入れないようにする」ための道具であり、鳥を捕まえるためのものではありません。絡まった鳥を見つけた場合は、慎重に外してやってください。


まとめ:やることを3つに絞ります

家庭菜園の鳥対策でやるべき3つのことをまとめたステップ図イラスト

家庭菜園の鳥対策は、突き詰めるとやるべきことは3つです。

1つ目。防鳥ネットを張ること。
網目は30mm以下を基準に選ぶ。守りたい区画だけでいい。畑全体を覆う必要はありません。

2つ目。張り方の基本を守ること。
作物とネットの間に空間を確保する。裾の隙間をなくす。ネットをたるませない。この3点さえ押さえれば、防鳥ネットは期待どおりに機能します。

3つ目。時期と作物に合わせて準備すること。
果実類は色づく前に張る。葉物は植え付け時に張る。種まき直後は不織布で覆う。「被害が出てから動く」のではなく、「被害が出る前に準備する」のが鳥対策の基本です。

反射テープやテグスは、必要に応じて補助的に使えばいい。順番を間違えなければ、鳥被害はかなり減らせます。

参考までに。それでは!


参考資料

この記事は、主に次の公的資料を参考にしました。

農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル〖鳥類編〗-令和6年3月版
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/manual.html

農研機構|鳥害対策
https://www.naro.go.jp/org/nilgs/choju/wildlife/howto_j.html

農研機構|FAQ|鳥獣害
https://www.naro.go.jp/org/nilgs/choju/wildlife/faq_j.html

農研機構|鳥種別生態と防除の概要:ヒヨドリ(PDF)
https://www.naro.go.jp/org/nilgs/choju/wildlife/bulbul.pdf

環境省|野生鳥獣の捕獲について
https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/capture1.html


福山

・大学院でがんの研究をしてたら
・あれ?これ、金かかりすぎやね?
・健康でいることがもっとも社会貢献じゃね?
・とか考えた人
・その結果、腸内環境を整えるのが健康への第一歩やで
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