正しい呼吸ができる大先生…それは『赤ちゃん』です。生まれながらにして腹式呼吸をマスターしています。そして誰に学ぶわけでもなく、筋トレをするわけでもないのに、腹圧を高めて体幹を安定させて二本足で立ち上がります。
ということで、今回の記事は赤ちゃんから学ぶ呼吸法についてです。
1 体の安定性は呼吸により始まる
最初にちょっと余談ですが、「呼吸をしてください!」と言われたら、あなたはまず吸いますか?それとも吐きますか?これが正解かどうかは分かりませんが、人間が生を受けこの世に生まれた時、私たちは息を吐くことから始まります。つまりあの「オギャー」ってやつです。
だから呼吸を意識するときは、まずは吐くことから始めてください。そして吐き切ってください。横隔膜を全力で使ってください。そして数時間より吐く時間を長くしてください。吐く時間が長い方が副交感神経が優位になるので、リラックスできます。余談終わり!
1.1 赤ちゃんは呼吸を使って体を動かす
生まれたての赤ちゃんは『首がすわってない』と言われるくらいに、身体中に筋肉がありません。それなのに生後3ヶ月もすれば足や手を自分で持ち上げれるようになり、4〜5ヶ月であおむけの状態から横になったり、うつ伏せの状態になることができます。
これ、結構難しいんです。筋肉がついている大人であれば上半身と下半身を分断させ、上半身をひねれば簡単にあおむけの状態からうつ伏せの状態になることもできるでしょう。しかし、「赤ちゃんと同じような動きで、筋肉をほぼ使わずに姿勢を変えて?」と言われたら、これが難しいです。
赤ちゃんはぷにぷにです。筋肉なんて全然ありません。じゃあどうやって体を動かしているのでしょうか?実は、赤ちゃんは腹圧を高めて、体幹を安定させて手足や体を動かしているのです。体幹を安定させているからこそ、少ない筋肉でも姿勢を変えられるというわけです。
この動画も見てください。赤ちゃんが立ち上がろうとする動画です。(結局立ち上がれませんけど。)
この動作、大人がやったらかなり疲れると思います。なにせ、プランクの形にそっくりだからです。
でも赤ちゃんはめげずに何度もやっています。これも腹圧を高めて、無駄な筋肉を使わずに体を安定させているからでしょう。
この動画を見れば、腹圧で体幹を維持して歩いているのがわかると思います。太ももの筋肉はまだついていないので、すり足のように歩いていますが、しっかりと上半身は安定させています。
赤ちゃんってすごくお腹が出てますよね?自分の子や知り合いに小さい子がいれば、お腹を触らせてもらってください。腹式呼吸をやっていることと、腹圧を高めていることがわかりますから。
1.2 腹圧を維持できるからこその体力
小さい子供と鬼ごっことかやったことありますか?
大人の方が絶対に足が速いので、手加減しない限りは追いつかれることはありません。しかし、彼らはずっと走ることができるのです笑。
スピードでは負けることがなくても、スタミナで負けそうになるんですね。でもこれってかなり不思議なんですよね。
なんでこんな小さな体にそんな体力があるの?って。全国のお母さんは体験済みでしょうが、子供って本当に体力があるんです。
1つの答えとして、『筋肉ではなく体幹メインで体を動かしている』ということです。筋肉はいうまでもなくエネルギーをたくさん使う燃焼機関です。筋肉を使えば使うほどエネルギーは使われます。
子供は筋肉が少ないのでそもそも大人ほど筋肉を使うことができないのですが、それならどうやってあんなに動けるの?ってなるわけです。ここから導き出される答えが『筋肉をほとんど使わないで動いている』ということなのです。
つまり、
- 寝返り
- はいはい
- 立つ
- 歩く
- 走る(遅いけど)
これらの動作に筋肉はほとんど必要ないってことなんですね。私たち大人は、筋肉があるおかげで小さい子供より機敏に動けたりするわけですが、筋肉を使うことに慣れすぎるあまり『筋肉を使わない体の動かし方』を忘れてしまったわけです。
そうなると、無駄にエネルギーを使ったり、代償動作で一部の筋肉に疲労を溜め込んでしまうようになるのです。赤ちゃんの動きから学べることはいろいろとあります。室伏広治大先生が、赤ちゃんの動きをトレーニングに取り入れようとしていたのも納得なのであります。
おわりに
この記事では『赤ちゃんから学ぶ呼吸法』について書いてきました。小さい子供がいたら、ぜひその子の呼吸に注目してみてください。腹式呼吸をやっていますから。
驚くくらいにお腹が大きく膨らんだり、しぼんだりするのがわかると思います。よければ、お腹を触らしてもらいましょう。風船みたいにお腹がしぼんだり、張ったりしているのが分かるます。とてもじゃないですが、あそこまでお腹を自由自在には動かせません😅
個人の経験談ですが、3歳になる子供のお腹を触ったことがあります。呼吸によってお腹がよく動き、腹圧が高まるのを感じました。そしてその子と追いかけっこをすると、まぁ疲れること笑。私が「疲れたから休憩しよ!」と言ったら「わかった!」と答えてくれるのですが、すぐに追いかけっこ遊びがしたくてうずうずしてるんですね。
なんでこんなに体力がありあまるんだろう?と疑問に思っていたのですが、以下の本を読んで解決しました。筋肉を使わず腹圧で体勢を維持して走ってるから、エネルギー消費量が少ないんだと。
いや〜、子供って本当に理想的な体の動かし方をしているんでしょうね。私たち大人は筋肉がついてしまったので、理想的な動きをしなくても無理やり体を動かすことができます。これが原因でいつかは腰痛やらひざ痛やら、肩こりやらがきてしまうのですけれど…。そうならないためにも今のうちから呼吸法を整え、腹圧を取り戻し、理想的な体の使い方をしていきましょう!
ということで、ぜひとも『勝者の呼吸法』という本を読んでみてください。
参考までに。それでは!
*呼吸関連記事
コメント