カルシウムって身体にどんな効果があるの?
そんな疑問に答えます。
今回の記事では『カルシウム』について詳しく書いていきたいと思います。この記事を読むことで、
- カルシウムの効果
- カルシウムが多く含まれる食材
が分かります。
1 カルシウムの効果とは?
高校で化学を習ったことがある人ならばお馴染みのカルシウム。原子番号20番で、元素記号はCa。アルカリ土類金属元素の1つですね。
カルシウムは人体の中で最も多いミネラルで体重の1〜2%を占め、
- その内99%は歯や骨に存在
- 残りの1%が血液や組織液、細胞
に含まれています。
1.1 カルシウムの機能
血液中のカルシウム濃度は8.5~10.4 mg/dLに保たれており、この濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンの分泌が増加し、骨からカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウム濃度を維持しようとします。
つまり、歯や骨はカルシウムの貯蔵庫としての役割があります。逆に言えば、副甲状腺ホルモンの分泌が高いままだと、骨がもろくなってしまうんですね😱
カルシウムの機能としては、
- 歯や骨の形成
- 血液中のカルシウム濃度の調節
- 神経伝達に関与
- 筋肉の収縮に関与
などになります。
1.2 カルシウムの消化と吸収
摂取されたカルシウムは主に小腸の上部で吸収されますが、吸収率は比較的に低くて25〜30%程度になります。カルシウムの吸収をよくするためには、ビタミンDが関与しているので、カルシウムとビタミンDを一緒に摂取するのが良いです。
1.3 カルシウムが不足すると
カルシウムが不足すると、歯や骨からカルシウムが溶け出しもろくなっていきます。またカルシウムは神経伝達や筋肉の収縮に関与しているので、以下のような症状が出ます。
- 情緒不安定
- 筋肉の痙攣
またカルシウムが血圧や肥満などの生活習慣病にも影響していることが徐々に分かってきています。
1.4 カルシウムの必要量
厚生労働省が推奨しているカルシウムの1日の推奨摂取量は成人男性で800mg、成人女性で650mgです。
この表は、厚生労働省のサイトより引用しています。記事の一番下でリンクを貼っています。
1.5 カルシウムを過剰に摂取すると・・・
カルシウムの過剰摂取は以下のような症状が出ます。
- 高カルシウム血症
- 高カルシウム尿症
- 軟組織の石灰化
- 泌尿器系結石
- 前立腺がん
- 鉄や亜鉛の吸収障害
- 便秘
などです。
日本人の食事摂取基準によると、カルシウムの耐用上限量は2500mgになっています。
1.6 カルシウムを多く含む食品
以下にカルシウムを多く含む食品をあげておきます。(乳製品については書いてないですが、もちろん多く含まれています)
文部科学省の食品成分データベースを参考にしています⇨食品成分データベース
食品名 | 100gあたりのmg |
干しエビ | 7100 |
さくらえび | 2000 |
えんどう豆 | 1300 |
ごま | 1200 |
生卵 | 51 |
カットわかめ | 820 |
乾燥イチジク | 190 |
切り干し大根 | 500 |
アーモンド | 210 |
くるみ | 85 |
1.7 カルシウムを効率的に摂取するためにはマグネシムを!
カルシウムはマグネシウムと一緒に摂取すると効果的です。マグネシウムは骨の骨芽細胞に働きかけて、骨の中に入るカルシウム量を調節しているんですね。
カルシウムとマグネシウムのバランスは2:1から3:1が理想的と言われています。逆にナトリウムとリンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
塩分の多い食生活だと、ナトリウムの働きによりカルシウムがおしっことして体外へ排出されます。また、加工食品やお菓子にたくさん含まれるリンは、小腸でのカルシウムの吸収を妨げます😅
リンとカルシウムの比率は1:1がいいと言われていますが、この調節は難しいですよね・・・ですから、加工食品やお菓子の食べ過ぎには気をつけましょう。
1.8 カルシウムと筋肉の関係
脳が「筋肉を収縮させよ!」という信号を出し、筋肉が信号を受け取ると、カルシウムイオン放出チャンネルであるリアの人受容体を介して筋小胞体からカルシウムイオンが放出されます。
放出されたカルシウムイオンはトロポニンに結合して、トロポミオシンの立体構造が変化し、ミオシンへの結合が起こります。そうして筋肉の収縮が開始します。
カルシウムが不足すると筋力の低下が起こり、ひどい場合だと筋肉が痙攣したりします。
1.9 メッセンジャーとしてのカルシウム
細胞において情報を伝達する場合、メッセンジャーが必要です。脂溶性のメッセンジャーは細胞膜を通過できますが、水溶性のメッセンジャーは細胞膜を通過できません。そのため、細胞内に情報を伝える別のメッセンジャーを合成する必要があり、これをセカンドメッセンジャーと言います。(ホルモンや神経伝達物質がファーストメッセンジャー)
セカンドメッセンジャーは、
- cAMP
- cGMP
- NO(一酸化窒素)
などがありますが、カルシウムイオンもセカンドメッセンジャーとして働きます。
1.10 カルシウムサプリには気をつけよう
血液中にカルシウムの量が多いと、血管に沈着して動脈が石灰化する可能性が高くなります😱サプリメントでカルシウムを摂取すると、大量のカルシウムが体を巡ることになりますので危険なのですね。
実際、カルシウムサプリは心臓発作のリスクを高めることが分かっております。
カルシウムサプリは気をつけたいところです。
おわりに
今回の記事では『カルシウム』について書いてきました。簡単にカルシウムのことを覚えるとしたならば、
- 歯や骨に貯蔵されている
- 神経伝達に関与
- 筋肉の収縮に関与
です。
迷ったら↓の食材を選んでください。
- 干しエビ
- チーズ
- ヨーグルト
- 煮干し
- 牛乳
それでは!
*参考
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