カロリーの吸収率は腸内フローラによって変わる

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人の太りやすさって何が決めているんだろう?

そんな疑問に答えます。

人の太りやすさの原因の1つに、腸内細菌が考えられています。簡単に言ってしまえば、太りやすい細菌が腸内にいるかどうかということです。

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1 肥満マウスの腸内にいる細菌

1.1 肥満マウスはバクテロイデス門が少なくフィルミクテス門が多い

微生物学者のルース・ レイは、肥満マウスと痩せたマウスでは腸内の微生物が違うのではないかと考えました。マウスの腸内にいる細菌の16sリボソームRNAの塩基配列を解析し、どんな細菌がどれだけいるのかを調べました。

 

その結果、痩せたマウスでも肥満のマウスでも、バクテロイデス門とフィルミクテス門という二大グループの細菌の存在量が高いことがわかりました。しかし肥満マウスには、通常マウスの半分ほどしかバクテロイデス門の細菌がおらず、その分をフィルミクテス門の細菌が埋めていました。つまり、肥満マウスはバクテロイデス門が少なく、フィルミクテス門が多いということです。

1.2 肥満の人はバクテロイデス門が少なくフィルミクテス門が多い

レイさんは人の腸内細菌も調べました。すると、マウスと同じ結果が出ました。肥満の人はフィルミクテス門が多く、痩せた人はバクテロイデス門が多かったのです。

 

さてこれは、微生物が肥満マウスと人を太らせたのでしょうか?それとも太った結果として微生物の存在量比率が変わったのでしょうか?

2 ターンバウの有名な実験

上記の疑問に答えたのが、上記の疑問に答えたのが、ターンバウさんの実験です。

2.1 肥満マウスの腸内細菌を無菌マウスに移植

ターンバウさんは、レイさんが使ったのと同じ遺伝性肥満マウスの腸内細菌を、無菌マウスに移しました。比較対象として、通常マウスの腸内細菌を、無菌マウスに移しました。

 

そしてどちらのマウスにも同僚の餌を与え、14日間飼育しました。

2.2 肥満マウスの腸内細菌をうつされたマウスは太った

その結果、肥満マウスの腸内細菌を移されたマウスは太り、通常マウスの腸内細菌を映されたマウスは太らないということがわかりました。

 

この実験により、いくつかの重要なことが導けます。

  • 腸内細菌は太らせる力がある
  • ある個体の腸内細菌を別の個体に移動させることが可能
  • 痩せている人の腸内細菌を採取して太った人に移せば、体重を落とすことができるかもしれない(今後の研究課題)

2.3 肥満マウスはカロリーの吸収率が高い

ターンバウさんは、肥満マウスは通常マウスと比べて2%多くカロリーを吸収していると算出しました。同じ量の餌に対して、通常マウスが100キロカロリーを得るところ、太ったマウスは102キロカロリーを得るということです。

 

たった2%と思うかもしれませんが、これは複利なので月日が流れるほど大きな影響を及ぼします。例えば1日に2000キロカロリーを摂取する人を考えてみましょう。肥満型の腸内フローラだと、この人は2%余分にカロリーを吸収することになります。つまり、1日に40キロカロリーが増えるので、合計2040キロカロリーを摂取していることになります。

 

エネルギーの消費量が変わらなければ、この余分な40キロカロリーは理論上で1年で1.9キロの体重増になります。単純に10倍して10年で考えると、19キロの増加となります。

 

ターンバウさんの実験は、カロリー観に大きな影響を与えました。

 

これについては他の実験でも裏付けられています。2011年、アメリカのアリゾナ州フェニックスの国立衛生研究所で、被験者にカロリー量を一定にした食事をしてもらい、消化された後の糞便に残るカロリーを測定するという実験を行いました。

 

痩せた人に高カロリー食を与えると、バクテロイデス門の細菌よりフィルミクテス門の細菌が増えていきました。そして腸内細菌の比率が変化するとともに、糞便として出てきたカロリー量が減っていきました。細菌の比率が変わることで、同じ食事をしていても毎日150キロカロリーが余分に吸収されていたのです。

おわりに

カロリーの吸収率は腸内フローラによって変わってくる、という話はなかなか興味深いのではないでしょうか。

 

カロリーを減らすことはもちろんダイエットに有効です。でもそれだけだと、カロリーを減らしているのにうまく痩せないという状態に陥るかもしれません。ですから並行して、腸内フローラを整えていくのが必要なのですね。

 

参考までに。それでは!

 

参考にした本↓

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