ヨウ素って身体にどんな効果があるの?
そんな疑問に答えます。
今回の記事では『ヨウ素』について詳しく書いていきたいと思います。この記事を読むことで、
- ヨウ素の効果
- ヨウ素が多く含まれる食材
が分かります。
1 ヨウ素の効果とは?
高校で化学を習ったことがある人ならばお馴染みのヨウ素。原子番号53番で、元素記号はI。ハロゲン元素の1つですね。
ヨウ素は体の中に約13mg存在していて、生体内で70〜80%は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成しています。甲状腺はのど仏の下にあるところですね。甲状腺ホルモンは、全身の細胞の新陳代謝を促進する重要な機能を持っています。
1.1 ヨウ素の機能
ヨウ素を含む甲状腺ホルモンは
- 生殖、成長、発達等の整理的プロセスを制御
- エネルギー代謝
- 胎児の脳、抹消組織、骨格などの発達と成長
に関与します。
1.2 ヨウ素の消化と吸収
摂取されたヨウ素は、化学形態とは無関係に、消化管でほぼ完全に吸収されます。ヨウ素の多くは、血漿中でヨウ化物イオンとして存在し、能動的に甲状腺に取り込まれ、甲状腺に取り込ま れたヨウ化物イオンは、酸化、チログロブリンのチロシン残基への付加、プロテアーゼの作用による遊離、ペルオキシダーゼによる重合を経て甲状腺ホルモンとなります。
甲状腺ホルモンから遊 離したヨウ素、及び血漿中ヨウ素は、最終的にその 90% 以上が尿中に排泄されます。
1.3 ヨウ素が不足すると
通常の食事をしていれば、ヨウ素が不足することはほとんどありません。ヨウ素は甲状腺ホルモンの主成分なので、ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンが生成できなくなります。
甲状腺ホルモンが減少すると、これを正常化しようとする機構が働き、その結果甲状腺の異常肥大起こり甲状腺腫となります。そうなると甲状腺の機能が低下し、エネルギー代謝の低下、体温の低下、体力の低下などなどあらゆる症状が起こります。
1.4 ヨウ素の必要量
厚生労働省が推奨しているヨウ素の1日の推奨摂取量は、成人で130μgになります。
この表は、厚生労働省のサイトより引用しています。記事の一番下でリンクを貼っています。
1.5 ヨウ素を過剰に摂取すると・・・
ヨウ素は海藻類、特に昆布に多く含まれているため、日本人は世界でも稀なヨウ素をたくさん摂取する集団です。ヨウ素を日常的に過剰摂取していると、甲状腺でのヨウ素の有機化反応が阻害され、甲状腺へのヨウ素輸輸送が低下する『脱出現象』が起こり、甲状腺ホルモンの生成量は正常範囲に維持されます。日本人はこの脱出現象が成立し、ヨウ素過剰摂取の影響を受けにくいと考えられています。
かといってヨウ素の過剰摂取を続けていると、重度の甲状腺腫が発生する可能性があるので、過剰摂取は避けましょう。
1.6 ヨウ素を多く含む食品
以下にヨウ素を多く含む食品をあげておきます。
文部科学省の食品成分データベースを参考にしています⇨食品成分データベース
食品名 | 100gあたりのμg |
米ぬか | 3 |
木綿豆腐 | 5 |
黒砂糖 | 15 |
切り干し大根 | 20 |
乾燥しいたけ | 4 |
刻み込んぶ | 230000 |
カットわかめ | 8500 |
焼き海苔 | 2100 |
アワビ | 180 |
かき | 73 |
あさり | 55 |
味付け海苔 | 0.59 |
脱脂粉乳 | 120 |
全卵 | 17 |
つくね | 38 |
牛レバー | 4 |
ヨウ素は海藻系にたくさん含まれています。
1.7 原発事故とヨウ素
原発事故の際に、ヨウ素摂取が推奨されました。
放射性物資である放射性ヨウ素が体内に入ると、甲状腺に集まり、甲状腺がんの原因になるとされています。ですから、あらかじめヨウ素を摂取しておくと、放射性ヨウ素が甲状腺に入るのを防げるのです。
おわりに
今回の記事では『ヨウ素』について書いてきました。
簡単にヨウ素のことを覚えるとしたならば、
- 甲状腺ホルモンの材料
- 細胞の新陳代謝に関与
- 海藻に多く含まれる
です。
迷ったら↓の食材を選んでください。
- わかめ
- いわし
- さば
- カツオ
それでは!
*参考
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