鉄って身体にどんな効果があるの?
そんな疑問に答えます。
今回の記事では『鉄』について詳しく書いていきたいと思います。この記事を読むことで、
- 鉄の効果
- 鉄が多く含まれる食材
が分かります。
1 鉄分の効果とは?
高校で化学を習ったことがある人ならばお馴染みの鉄。原子番号26番で、元素記号はFe。遷移金属元素の1つですね。
鉄は体の中に3〜4g存在していて、主に赤血球を作るのに重要な栄養素です。
1.1 鉄の機能
鉄はヘモグロビンの材料になります。
体内の鉄の約65%はヘモグロビンと結合して、肺から取り込まれた酸素を全身の細胞に運んでいます。このような機能の役割をする鉄を『機能鉄』と言います。
残りの約30%の鉄は『貯蔵鉄』と呼ばれていて、肝臓、骨髄、秘蔵で貯蔵されています。出血などで鉄が失われた時に、貯蔵鉄から鉄が血中に放出されて、機能鉄の機能を維持します。
1.2 鉄の消化と吸収
食品から摂取された鉄は、十二指腸から空腸上部において吸収されます。ヘム鉄はそのままの形で 特異的な担体によって腸管上皮細胞に吸収され、細胞内でヘムオキシゲナーゼにより2価鉄イオン(Fe2+)とポルフィリンに分解されます。
非ヘム鉄は3価鉄イオン(Fe3+)の形態ではほとんど吸収 されません。Fe3+は、アスコルビン酸などの還元物質、又は腸管上皮細胞刷子縁膜に存在する鉄還元酵素によって還元されて Fe2+となり、吸収されます。
ヘム鉄は非ヘム鉄に比べ、吸収率が約5倍も高いです。
- ヘム鉄は動物性食品、特に赤身肉に多く含まれています。
- 非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれています。
1.3 鉄が不足すると
鉄はヘモグロビンや各種酵素を構成するので、鉄が欠乏すると、
- 貧血
- 運動機能の低下
- 認知機能等の低下
を招きます。
貧血になるとうまく酸素が運べなくなるので、体が酸素不足になり疲れやすい体になります。
1.4 鉄の必要量
厚生労働省が推奨している鉄の1日の推奨摂取量は成人男性で7mg、成人女性で6mgです。
女性は月経による出血で鉄分不足に陥りやすいので、その時期は鉄分不足を補うような食事を心がけましょう。成人女性の5人に1人は貧血だとも言われています。
貧血を放っておくといいことはないので、早めに食事で解決しておきましょう!貧血の恐ろしさについてはこちらの記事を参考にしてみてください→貧血を放っておくと危険!?恐怖の貧血が引き起こす症状ランキング
1.5 鉄を過剰に摂取すると・・・
鉄は通常の食品において過剰摂取する可能性はほとんどありません。サプリメントなどで鉄を過剰に摂取すると、肝臓や脾臓に貯蔵鉄の滞留が起こるので機能障害などが起こると言われています。
1.6 鉄を多く含む食品
以下に鉄を多く含む食品をあげておきます。文部科学省の食品成分データベースを参考にしています⇨食品成分データベース
食品名 | 100gあたりのmg |
米ぬか | 9.4 |
さつまいも | 2.1 |
黒砂糖 | 4.7 |
大豆はいが | 11.7 |
エゴマ | 16.4 |
ごま | 9.6 |
アーモンド | 3.7 |
乾燥舞茸 | 2.6 |
乾燥しいたけ | 1.7 |
味付け海苔 | 8.2 |
全卵 | 1.8 |
干しエビ | 15.1 |
鰹節 | 9.0 |
豚レバー | 9.0 |
牛レバー | 4.0 |
鳥レバー | 9.0 |
先ほども書きましたが、ヘム鉄(動物性食品に多い)の方が非ヘム鉄(植物性食品に多い)より吸収率が高いので、鉄分不足を感じている人は動物性の食品を摂るようにしましょう。
1.7 鉄とミトコンドリア
体のエネルギーとなるATPは、主にミトコンドリアにおける電子伝達系で作られます。電子伝達系に鉄が必要ですから、鉄が足りなくなるとエネルギー生産に支障をきたしてしまいます😱
1.8 鉄と神経伝達物質
- セロトニン
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
などの神経伝達物質を作るのにも、鉄は必要です。
1.9 鉄分が多いと体が老ける?
サプリメントでの鉄分摂取は気をつけたいところです。
- 鉄分は体内でタンパク質と結びついてフェリチンになる
- フェリチンは酸化しやすい
- フェリチンが増えると細胞にダメージ
という流れで、血管がボロボロになっていきます😱ですからマルチビタミンの中には「鉄抜き」のものが多いです。
鉄不足もよくありませんが、鉄が多すぎてもよくありません。バランスが難しいですが、肉や魚を食べていれば十分に鉄分は摂取できます。
おわりに
今回の記事では『鉄』について書いてきました。簡単に鉄のことを覚えるとしたならば、
- ヘモグロビンと関係している
- ヘム鉄の方が非ヘム鉄より効果的に吸収できる
- 貧血対策のためには鉄分を摂取
になります。
迷ったら↓の食材を選んでください。
- レバー
- 赤身肉
- カツオ
- マグロ
- ひじき
- 大豆
それでは!
*参考
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