人によって薬の効き方が違うのはご存知でしょか?
だからある人にはよく効くけど、ある人にはあまり効かない薬があります。
こういう個人差ががんなどの治療を難しくしていたりするんですね。
では一体、このような薬の効き方の個人差はなぜ生まれるのでしょうか?
ということで今回の記事では薬の効き方の個人差について書いていきます。
薬の効き目の個人差
良い薬というのは、約6〜7割の人に、6〜7割効き目がある薬と言われています。
だから「この薬全然効かないな!」というのがあっても全然おかしくないんですね。
まぁ薬であれば多少なりともの効果を実感できるはずですが、サプリメントにいたってはまさに無法地帯で、「本当に効くの?」という商品が無数にあったりします笑。
薬の排出速度
薬の効果の違いは体内からの排出速度に関係があります。
薬が早く体内から排出されるのであれば、薬が標的とする器官に影響を与えるのを維持するためたくさんの量が必要になります。
逆に体内に長くとどまるのであれば、薬の過剰摂取や副作用のリスクか触れてしまいます。
肝臓の処理速度
体内から薬が排出速度を決める要因の一つは『肝臓』になります。
肝臓は人体から毒素を排出する働きを持っています。
薬以外にも、食べ物から体内で生成される化学物質、ヒトの細胞の代謝産物、腸内細菌の代謝産物など、など体に必要のないものは肝臓が処理してくれます。
肝臓の働き方としては、体に必要となり化合物に化学的な標識をつけて、これらの化合物が速やかに体外に排出されるようにとりはからいます。
つまり、体に必要としない化合物がたくさんあれば、肝臓はたくさんの化合物に標識をつけないといけないので、処理速度が低下します。
ちなみに、これらの化合物は肝臓の前で行列を作って待っているのではなく、肝臓内で分解出来るようになるまで血液内を循環し続けます。
人によって薬の排出時間は違うので、薬の『実効量』は個人差があります。
だからもしあなたが普通より薬の排出時間に時間がかかるのであれば、結果的に薬を高用量で服用したのと同じことになるので、副作用に苦しむリスクが高くなります。
逆に、薬の排出時間が早いのであれば、病気は簡単には治らないことになります。
腎臓でおしっことして排出
肝臓で処理された化合物たちは、ウンチから排出されます(胆汁排泄)。
おしっこから排出される化合物は、腎臓が関係します。
腎臓は、肝臓が処理したものと、肝臓では処理できなかったもの、の両方ともおしっことして排出します。
腎臓が正常に機能するってすごく大切なんですね。
薬を服用するならグレープフルーツはNG
薬の体外への排出時間は内的要因だけでなく、外的要因も関係します。
「薬とグレープフルーツは一緒に食べてはダメ!」というよなことを聞いたことがありませんか?
グレープフルーツに含まれる化学物質がスタチンなどの特定医薬品と肝臓内での処理と競合してしまい、結果としてスタチン処理を遅らせ、薬の用量を人体に有害レベルにまで引き上げでしまうのです。
腸内細菌が関係
腸内には100兆個を超える腸内細菌が生息しています。
これらが生産する化学物質も人体による薬の代謝に影響を与えると考えられています。
解熱鎮痛薬の1つであるアセトアミノフェンの体外排出の関係に、腸内細菌が作り出すp-クレゾールが関係していることがわかりました。(→Pharmacometabonomic identification of a significant host-microbiome metabolic interaction affecting human drug metabolism)
腸内細菌が薬の効き方にも関係してくるってすごく興味深い話です。
しかし、腸内細菌も個人差があり、体にどのくらい影響を与えるのかはまだまだわかっていません。
ということで、薬と腸内細菌の関係が明らかになるのには、まだまだ時間がかかりそうです。
まとめ
薬の効き方には
- 肝臓
- 腎臓
- 腸内細菌
などが関係していることがわかっています。
と言っても、まだまだ他に関係してくるものもあるでしょうが・・・。
ということで、薬が効くかどうかは個人差がすごく大きいのですね。
また、病気などで肝臓や腎臓が弱ってしまっている場合は、すごく注意が必要ですね。
少量の薬でも副作用が強く出てしまう可能性があるので(´・ω・)
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