木誠一郎さんの『健康を食いもににするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』を読みました。
いい本でした。科学ゴリ押しの本かと思いきや、「科学的ならそれでいいの?」ということにも触れており、2つの面から医療問題に取り組んでいるんだなーと思いました。エビデンスは大事だけど、それだけじゃ人は動かないんですな。→健康を食い物にするメディアたち https://t.co/cVrQI8oZM0
— 福山和寿@今年は5kg増を目指す (@hemogurobinn2) 2018年6月20日
いやー、私も健康系の情報発信をサイトにてしているので、「こんなこと書いていいのかな?」みたいな恐怖が毎回あるんですよねぇ。いつの間にやら自分がトンデモな情報を発信しているかもしれませんので。
コワイコワイ。
でもまぁ、健康に生きることって簡単なんですよね。
- 変なものは食べない
- タンパク質と野菜を意識して食べる
- 運動する
- 寝る
素晴らしくシンプルなんです。これさえ守っておけば、先天性の病気とかを持っていない限り、そう体調を崩すことはないと思います。でも、これを守るのが難しいのですけどね。
さてさて、前置きが長くなりましたが、本を読んでのメモを書いていきます。
日本ではなぜ不正確な健康情報が多いのか?
私は日本でもアメリカでも「トンデモな健康情報が飛び交っている」と思っていました。
しかし、これは日本特有の問題だそうです。そう指摘するのは科学的に証明された究極の食事で有名な津川友介先生です。
もちろんアメリカでも不正学な情報は存在しますが、大手メディアが情報を取捨選択して発信するため、情報の受け手が医療デマに騙されることが日本よりも珍しいのですって。
日本だと大手メディアがとんでもな健康食品の広告をバンバン出してますもんねー。アメリカではこれがないってことなのでしょうか?気になります。
また、他の要因もあるようです。
津川氏によれば、日米の差につながっている別の要因は、「因果関係の有無」を判断する力だといいます。この「因果関係の有無」は、アメリカでは大学で当たり前のように教えられること。しかし、「日本ではほとんど習う機会がない」と津川氏は指摘します。p154
うわー、これってつまり教育の結果ってことですやん。私、理系の大学院出身ですけど、たしかに因果関係の授業なんかなかった気がしますねー。
逆に言えば「そんなこと知ってて当然だよね?」的な振る舞いで教授陣は授業をしていたような。
科学的ならそれでいいのか?
この本の面白いところが、エビデンス重視だけど、エビデンスだけじゃないよねって話を後半でしているところです。
筆者は医学部出身なので超科学的な人間です。ですから非科学的なことは「インチキやんけ」みたいな考えだったそうです。当然ですよね。
ですが、医療記者として医学的論争を目にすることで、考え方が変わっていったそうです。
それは科学の言葉の限界に気づいたからなのかもしれません。どれだけエビデンスが強いといっても、「嫌だ」「怖い」と言う人に、無理やり何かを強制することはできるのでしょうか。p205
私はこの考えにめちゃめちゃ共感しました。そうなんでよね、誰でも論理的にすべてのことを考えることなんてできないんです。私たちはロボットではありません。人間なのです。
人間は感情の生き物。論理が正しいからといって、「はいそうです」と受け入れることはできないんですなー。
伝えることの難しさ
- 複雑なことを丁寧に伝えようとすると、伝わらない
- 単純で過激なウソのメッセージの方が伝わってしまう
と筆者は言っております。これにも共感です。
冒頭にも書きましたが、健康になるためには、
- 変なものは食べない
- タンパク質と野菜を意識して食べる
- 運動する
- 寝る
で十分なんですよ。もっと簡素化すれば、食事制限と運動しておけば体は健康に向かっていきます。
だけど、できない・・・。
- 「これ飲むと健康になりまっせー」
- 「最新の研究で分かったこの成分・・・」
みたいな“お手軽に自分の健康を良くしてくれるもの”に私たちはすがっちゃうのです^^;
おわりに
学びの多い本でした。ですが絶望も感じる本でした。大手企業がこんなことやってるんや・・・と。WELQ問題は知っていましたけど、それは氷山の一角だったのです。
難しいですねー。
そんなこと言いつつ、自分がいつヤバい側にいくかもしれないので、自戒せねばです。見る人によっては私もすでにヤバい側かもしれませんが・・・。
ということで、私の記事を読むより、この本を読んでください!笑
そして、津川友介先生の『科学的に証明された究極の食事』を読んでください!あとは、運動してしっかり寝たらOKですわ笑!!
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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