前回の記事『太っている人は脳が小さい?脂肪はただのエネルギー貯蔵庫ではなくホルモンを分泌』に引き続き、デイビット・パールマターさんの「いつものパン」があなたを殺すで気になったところを書いていきます。
インスリン感受性を取り戻すことが糖尿病を防ぐことにつながります。
ではどのような食事を心がければ、インスリン感受性を取り戻すことができると思いますか?
3種類の食事療法を試した結果
米国医師会雑誌で、3つの食事療法を肥満体の人に試し、その食事療法がもたらした効果を発表しました。
各被験者は次の1〜3のうち、1つの食事療法を1ヶ月間続けました。
- 低脂肪食(カロリーの60%を炭水化物から、20%を脂肪から、20%をタンパク質から摂取)
- 低血糖食(カロリーの40%を炭水化物から、40%を脂肪から、20%をタンパク質から摂取)
- 超低炭水化物食(カロリーの10%を炭水化物から、60%を脂肪から、30%をタンパク質から摂取)
これら3つの食事療法は、どれもカロリー数は同じになります。
さて、どれが一番カロリーを燃焼させたと思いますか?
正解は、3の『超低炭水化物食』になります!
インスリン感受性も上がる
この食事療法の期間中に、インスリン感受性も調べました。
やはり3の超低炭水化物食がインスリン感受性をもっとも上昇させ、1の低脂肪食のほぼ2倍の効果があったとのことです(`・ω・´)”
「インスリン感受性ってなんだよ?」という方のために簡単に説明します。
膵臓がインスリンというホルモンを分泌し、そのインスリンを受けて細胞が糖を取り込むようになります。
しかし、細胞のインスリン感受性が低下すると、細胞は糖を取り込めなくなります。
逆に言えば血液中の糖が減らなくなります。
これが糖尿病の始まりで、血液中の糖濃度が高いとAGEsなど、体に様々な悪影響を与えることになります(´・ω・)
食事療法に加え運動もするとさらに効果的
65歳以上の肥満体107人を1年以上に渡って調査し、インスリン感受性を調べた研究があります。
次の4つのグループに分けて調べています。
- 食事療法プログラム
- 運動プログラム
- 食事療法プログラムと運動プログラム
- なにもしない(コントロール:比較対象)
6ヶ月後の結果、1の食事療法プログラムはインスリン感受性が40%上昇しました。
3の食事療法プログラムと運動プログラムも同様に40%上昇。
それで意外なのが2の運動プログラムのグループは、インスリン感受性の変化を示さなかったところです!!
そして1年後、最終的な結果がわかりました。
1の食事療法プログラムは、インスリン感受性が70%上昇しました。
3の食事療法プログラムと運動プログラムは、インスリン感受性が86%上昇しました!
2の運動プログラムはインスリン感受性はほとんど変化しませんでした(´・ω・)
つまり、インスリン感受性を高め、糖尿病を予防するためには『運動より食事が重要!』ということです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
運動だけではインスリン感受性が高まらないというのは、意外な事実ですよね。
インスリン感受性を高めるベストは『食事療法と運動』ですが、「食事と運動のどちらかしか変えたくない!」ということであれば、『食事』になります。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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