【読書メモ:健康格差】自業自得で片付けたらしっぺ返しをくらう

健康格差是正のためナッジを有効活用せよ 病気
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『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』を読みました。

このサイトでは何度も「健康に生きることが、個人でもっとも簡単にできる社会貢献だよー」伝えています。自分でも分かっていますが、それってすごく厚かましい言葉だったりします。

「お前に言われたくねーよ!」ってね。

じゃあ政策として、厚かましくなく人々を健康にしていくためにはどうするべきなのか?そのヒントが書かれている本だと思います。2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授の理論がめちゃんこ参考になるのです。

いつものごとく、気になったところをメモしていきます“φ(・ω・。*)カキカキ

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日本は自己責任論が強すぎるんだよね。#読書 #健康格差

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健康格差を読んで

低所得者は3倍死にやすい

65歳以上で要介護認定を受けていない人、2万8162人を4年間にわたって追跡調査したところ、その間に死亡した男性高齢者は

  • 高所得者、11.2%
  • 低所得者、34,6%

と、3倍の開きがあったそうです。

健康格差は自業自得なのか?

「健康格差なんて自業自得だぜ!病気になりたくなければ、体調管理に気をつけな!」で、片付けていい話なのでしょうか?

健康格差を放置しておけば、

  • 医療費の増大
  • 介護費の増大

つまり、国家財政を圧迫します。そのため、特に中流家庭以上の人たちの払う税金が増えていきます

「自己責任でしょ!」で片付けていたら、結局のところ社会問題として日本人全員の問題とし返ってくるということですね。(特に子や孫たちに重くのしかかる)

糖尿病増えまくり問題

2012年に糖尿病患者数は950万人を突破しました。糖尿病が進行すると、人工透析が必要になる『糖尿病腎症』や、失明の危険がある『糖尿病網膜症』やら『脳卒中』などを引き起こします。

これまでは糖尿病は“中高年”がなる病気とされていましたが、若者がグングンと増加中になります。

その原因に“貧困”があると言われています。

簡単にいうと、お金がないから安い炭水化物ばかり食べ、結果として糖尿病になってしまいます。

健康格差は貧困問題とも根深い関係があります。

HbA1cをチェックしやすくした足立区

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、ヘモグロビンと血中のブドウ糖が結合したもので、糖尿病患者ではHbA1cの増加が見られるので、糖尿病診断に使われます。

通常の血糖値とは異なり、HbA1cは濃度が安定しているため、診断に使われやすい特徴があります。また、検査も簡単です。

足立区では、区民であればこの検査を500円払えば薬局の店頭で手軽に受けれるようにしました。そして糖尿病が疑われる数値(6.5%以上)の人にはフォローもしていくというのです。

素晴らしい試みですね(`・ω・´)”

子供と健康

お金に困っている家庭では、当然ながら子供の食生活も偏ってしまいます。

今や6人に1人はいると言われる子供の貧困・・・これは大きな問題です。先ほども書きましたが、この事態を放っておけば大きな社会問題に繋がります。

シンクタンク「日本財団」の推計によると、貧困状態にある子どもに教育などの支援を行わなかった場合、個人の所得が減る一方で、国の財政負担が増えることから、経済や国の財政に与えるマイナスの影響=「社会的損失」は15歳の子供全体の場合、40兆円に登ることが初めて明らかになった。p60

子供の貧困は“見えない貧困”とも言われています。

なぜなら、「俺ンチ貧乏なんだよ!」とは恥ずかしくて言えず、本人が貧困を隠そうとするからです。

子どもの頃って「人とは違う」ということを、極度に恐れますよね。「お前んち貧乏なんだろ!」なんて言われたくないですもんね・・・。

食塩を減らすためには?

日本人は塩辛いものが好きです。でもこれって、病気の元。

同じようにイギリス国民も塩辛い料理が好きで、国民病的なものに悩んでいました。しかし8年間で大幅に心疾患と脳卒中の死亡者を減らしたそうな。(4割減少)

その方法とは・・・パンに含まれている食塩を減らしたのです。パンって意外と食塩が多いんですね。

どうやらパンに含まれる食塩を徐々に減らしていったら、味の違いに気がつかないみたいなんです笑

この研究結果を受けて、大手パンメーカーでは食塩を減らしたんですって。最初の年は2%の減塩から開始し、7年かけて20%も減らしたのだとか。

すごいです!

ハイリスク・アプローチは効果が薄い

健康のリスクが高い人たちを選び、その人たちに重点的に対策をしていくことを『ハイリスク・アプローチ』と言います。

この方法は、とても合理的で効率的なものだと思いますか、実際のところあまり効果がないんです。

なぜハイリスクアプローチがうまくいかないかと言うと、例えば、高齢者に「健康状態良くするために健康教室に参加して下さい」と言うと、「余計なお世話だ!」とか「自分はまだ大丈夫!」とか反発するんですね。

「もうすぐあなたは寝たきりになるかもしれないんだから。それに自分で自己管理なんてできないんだろ?俺たちが、あんたの健康を管理してやるぜ!」的なニュアンスが伝わってしまうので、ハイリスク・アプローチはうまくいかないのです。

ポピュレーション・アプローチ

ハイリスク・アプローチの反省を受けて、『ポピュレーション・アプローチ』に注目が集まりました。

ポピュレーション・アプローチでは、健康のリスクが高い人だけではなく、“一般的な健康状態の人”の健康も改善をしていこうというものです。

ポピュレーション・アプローチの具体例は、『公共空間や職場での禁煙』、『タバコ代の値上げ』、『給食や社員食堂などでヘルシーメニューを提供すること』、『市民なら誰でも参加できる体操教室』などです。

先ほど紹介したパンの塩分の量を減らすイギリスの政策もポピュレーション・アプローチになります。(イギリスでは、この改善により年間2300億円の医療費を節約したのだとか)

ポピュレーション・アプローチのように、参加者を広げることにより、自分から行きたいと思わせるような工夫をすることが大切になります。

同調圧力の強い日本ではとても効果がありそうな気がします〜。

他の国から学ぶ健康向上のためのアプローチ

健康格差是正へのアプローチはまだあります。

例えば、政府が、貧困地域に進出する生鮮食品店を税制優遇することにより、貧困地域でもお手軽に『生鮮食品を食べること』ができるようになります。生鮮食品を食べることで、糖尿病などの病気の対策ができます。

メキシコではおもしろいことをやっていて、スクワット10回するだけで地下鉄乗車券が無料になるという仕組みも導入されています。カメラとAIの組み合わせで、いろいろなことに応用できそうですよね。

ナッジを有効活用せよ

経済学と心理学を応用した行動経済学のパイオニアである、アメリカのシカゴ大学のリチャード・セイラー教授は『ナッジ(Nudge)という理論を提唱しています。

ナッジとは、『人々が経済活動を行う上で誰かにしつこく言われるよりも、肘で軽く突かれるような、小さく誘導された時の方が良い結果を出す』という理論のことで、実証されています。

ちなみに、リチャードセイラー教授は2017年にノーベル経済学賞を受賞しました。

健康格差を是正するためには、ナッジをうまーく使う必要があります。

まとめ

この記事では『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』についてメモしてきました。

簡単にまとめます。

  • 健康格差を「自己責任でしょ!」で放っておいたら、後々大変になる
  • 特に大変になるのは、子や孫の未来の世代
  • しかし、病気のリスクが高い人向けの政策は効果が薄い
  • ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーさんの『ナッジ』の理論を元に、政策を決定するべき
  • ナッジとは、『口うるさく言うよりは、軽く後押しした方が人々の行動を良い方に変えるよ』ってな理論

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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