あなたは毎日の食事に自信があるでしょうか?体に良いと思って食べているものでも、もしかしたらあなたの体に合ってないものを口にしているかもしれません。
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』という本を読みました。単なる健康についての本だけでなく、テニスの世界ランキング1位についたことのあるトップアスリートだからこそ書ける素晴らしい内容となっていたので紹介いたします。
旧ユーゴスラヴィア(現セルビア)での紛争を幼少期に経験し、決して恵まれた環境で育ったわけではないジョコビッチ。劣悪な環境で育ったジョコビッチですが、テニスで世界ランキング1位になっています。(2019年7月)
そんな彼だからこそ書ける素晴らしい内容となっており、食事の本だけだとは思わないでぜひ手にとって読んでもらえればと思います。このページではジョコビッチが世界ランキング1位になるために必要だった『食事』について書きたいと思います。
*記事の内容を簡単に動画でまとめています↓↓↓
ジョコビッチの生まれ変わる食事を読んで
まずは簡単に内容Amazonの商品紹介ページかいら引用します。
第二集団でもがくだけの存在だったプレーヤーは、なぜテニス界絶対王者に君臨することができたのか?
何を、どう食べたらいいのか?――人生好転・肉体改造のための設計図を自らが明かす。
「私がこの本を書こうと思ったのは、私ならあなたの肉体だけでなく人生すべてを変えられる
――それもたったの14日間で――と知っていたからだ」(ノバク・ジョコビッチ)[ジョコビッチからあなたへの提案]
グルテン(小麦などに含まれるタンパク質)を14日間だけやめてみて、どういう気分になるか試してみてほしい。
そして、15日目に、パンを少しだけ食べて様子をみてほしい。体が発する声に耳を傾けてほしい。
2010年まで、ジョコビッチはフェデラーとナダルの2人に勝てなくて、ずっと3番手にいました。(テニスを知らなくてもフェデラーとナダルの名前は聞いたことあるのではないでしょうか?)
当時の私としては、ジョコビッチはどうせフェデラーとナダルという化け物の前では一歩、いや二歩及ばないなぁと思っていました。しかし、2011年からジョコビッチは嘘みたいに強くなり、フェデラーとジョコビッチに勝てるようになりました。ジョコビッチに変化をもたらしたものが『食事』でした。
食事を変えてからわずか18ヶ月後。2011年の間にテニスの4大大会と言われる、全豪オープン、ウィンブルドン、全米オープンの3つを優勝し、世界ランキング1位になったのです。
1:ジョコビッチの体の変化
ジョコビッチが『食事』を変えてから体重は5kg落ちたそうです。しかも新しい食事にしてからわずか3ヶ月の間で体重が82kgから78kgになりました。(3ヶ月で本気でダイエットしたとしても4kg減らすことは大変です)
ジョコビッチはプロスポーツ選手。一般人と違い、スポーツ選手は体重は必要です。というのも筋肉量が私ら一般人とは全然違うので、最初から贅肉なんてのはほとんどないのです。ですから、その状態から5kg減るというのは『異常事態』と考えるのが普通です。
当然ながら家族や友人は「痩せすぎだ」と心配したそうです。しかしジョコビッチ本人はかつてないほど活力がみなぎり、体のキレはよくなり、神経が研ぎ澄まされたと感じていました。
動きは速くなり、体の柔軟性も増し、ジョコビッチは鉄壁のディフェンス力を手にいれることができたのでした。実際に試合を見ても私でさえジョコビッチの変化に気付きました。
鉄壁のディフェンスといえば、今でこそジョコビッチですが、当時はナダルでした。どんなボールも追いつき、どんな体勢からでも強烈なボールを打ち返すことができるのはナダルだったのです。
食事を変えてからのジョコビッチとナダルの対決には驚きました。ディフェンス力、そしてオフェンス力ともにジョコビッチが圧倒していたのです。テニスファンなら誰もが驚いたことでしょう。
『あのナダル』より素晴らしい動きをする選手がいるなんて・・・しかもずっとフェデラーとナダルに勝てない永遠の3番手だと思われたジョコビッチがナダルを圧倒するなんて・・・。私ははじめ、『ナダルが不調』になったのだと思いました。しかしそうではありませんでした。
ナダルはジョコビッチとの試合後こう語りました。
「あれほど完成された選手は見たことがない」
信じられないかもしれませんが、永遠の3番手の選手をナンバー1に押し上げたのはトレーニングではなく『食事を変えたこと』だったのです。
2:そこそこいい選手から最高の選手に変えた食事
ジョコビッチ選手を世界最高の選手に変えたのは、新しい技術面でのトレーニングでも、筋肉トレーニングでも、メンタルトレーニングでもありませんでした。また新しいラケットでも、新しいコーチでも、新しい練習でもありませんでした。
ジョコビッチを変えたのは「食事」でした。体の声に耳を傾け、体に合った正しい食事を始めたことが、ジョコビッチを変えました。
では食事の何を変えたかという本題に入っていきましょう。ジョコビッチを変えた食事法は『グルテンを取らない』という食事です。グルテンとは小麦に含まれているタンパク質のことです。
たったそれだけ?と思われるでしょう。しかし、ジョコビッチにはこれが重要でした。
3:なぜジョコビッチは体力に問題があったのか?
ジョコビッチは体力の面に問題があると言われ、フルセットにもつれこむ試合ではスタミナ切れでよく負けることがありました。しかし、なぜ体力の面に問題があるのでしょうか?
ジョコビッチは他のトップアスリート以上にトレーニングをつんでいました。ほぼ毎日、休みなく5時間のトレーニングをしているのに、なぜスタミナ切れを起こしていたのでしょうか?
それは体に合った食事をしていなかったため、体が拒否反応を示していたからなのです。欧米では当たり前に食べられている小麦。小麦に含まれている『グルテン』がジョコビッチの体に異常をもたらしていました。
4:体内に炎症を起こすグルテン不耐性
まず結論からいうと、ジョコビッチは「グルテン不耐性」でした。初めて聞く言葉かもしれませんが、ようは体に合わないということです。
例えば、牛乳を飲んだらお腹がゆるくなる人がいると思いますが、あれは牛乳に含まれているラクトースを分解できない『ラクトース不耐症』が原因です。
卵アレルギーや、そばアレルギーなど、食べたらすぐに症状が出てくるものは『アレルギー症状がある』と分かるので、私たちはその食べ物を避けるようになります。
しかし、すぐに症状が出ないものや、症状が弱いものに対しては、気づかないまま食べ続けてしまうのです。それが問題で、体に炎症が蓄積され、ジョコビッチの場合は体力面やアレルギーや喘息などの症状が出ていました。
ジョコビッチは欧米圏なので、主食がパン、パスタ、ピザというのは当たり前です。毎日摂る食事のほぼすべてにグルテンが含まれています。それが原因でした。(ちなみにジョコビッチの親はピザ屋を経営してたみたいです笑)
現代人の5人に1人はグルテン不耐性とも言われといるので他人事と思わずに聞いていただけたらと思います。(ジョコビッチはもともとアレルギー症状や喘息をもっていたそうですが、食事を変えたことで、アレルギー症状や喘息まで治ったそうです。)
5:増えている小麦アレルギー
私の知り合いの子供の話ですが『小麦アレルギー』です。(不耐性よりアレルギーの方が症状が重い)
近年、小麦アレルギーの症状を持つ子どもが増えているのはご存知でしょうか?小麦ってかなりいろいろなところで使われているので、小麦アレルギーを持っている人は食事には苦労するたみたいです。簡単に思い浮かぶものでも、パン、パスタ、ラーメン、うどん、と麺系はほぼ全滅ですね。
さらにシリアルフードなどにも含まれていますし、調べてみると加工食品のほとんどに『小麦』が含まれているのが分かると思います。今度から食品を買うときに小麦に注目して『原材料』をみてください。たぶん、小麦の多さに驚かれると思います。
では、なぜ小麦アレルギーの人が増えているのでしょうか?これはあくまで一説ですので、「ふーん」くらいで聞いてください。
今、地球上に存在する小麦のほぼすべてが遺伝子組み換え小麦です。つまりもともと地球上に存在していてた小麦とは構造的に異なるのです。それが原因で小麦アレルギーの人が増えていたり、グルテン不耐症の人が増えているかもしれないのです。(あくまで一説です)
*基本的に遺伝子組み換え食品は安全だと考えられています。
ジョコビッチからの提案
あなたの肉体は私の肉体とはまったく違う代物だ。指紋を見ればわかるだろう。一人ひとりが違い、同じ人は世界のどこにもいないのだ。つまり、あなたの肉体も全世界の他の人たちとまったく違う。だから、私にとって最高の食事を、あなたにとってもらいたいわけではない。ただ、あなたにとって最高の食事が何かを知るための術を伝えたいだけなのだ。
どの食材が自分に炎症を引き起こし、どの食材が合っているのかを確認してみたら?というのがジョコビッチの提案です。とりあえず2週間、グルテンを食事から取り除いて体の変化を感じてみましょう。
そして2週間後、グルテンを摂取してみてください。それで体調が悪くなったりしたらグルテン不耐症の可能性が強いです。(体がだるくなったり、眠くなったりしたらグルテン不耐性の可能性が強いです。ちなみにジョコビッチは二日酔いのようになったらしいです)
ちなみに私はグルテン不耐性ではありませんでしたが、乳糖不耐症でした。小麦を抜いた後、牛乳でも試してみたのです。そしたらお腹の張り、軟便、などすっかり治りました😇
私たち人間はなんらかの不耐症を持っているはずです。あまり口にしないものであったら良いのですが、頻繁に口にするものの中に不耐性の食べ物があるかもしれません。
たくさん睡眠を取っても、食事を改善しても、なにか体調がすぐれないという方は、頻繁に口にしてるものを2週間やめてみるという実験をしてみたらいいかもしれません。
1:グルテン不耐性ではなくとも小麦を控える理由
グルテン不耐性ではなくとも小麦が使われる食品を避けたほうがいい理由があります。なぜかというと血糖値を上げやすいからです。
アイスクリーム、チョコレートなどが定番の血糖値急上昇食品ですが、これらよりさらに早く血糖値を急上昇させる食べ物があります。それが『小麦や米』です。
小麦や米を体内で消化すると『グルコース(ブドウ糖)』に変換されます(血液中のグルコースは『血糖』と呼ばれます)。体はグルコースをエネルギーとして即座に消費したいのですが、ほとんどの人はグルコースを摂取したからといってすぐにはトレーニングを開始するわけではありません。
そうなると血液中のグルコースは血液中に留まることになります。実を言うと、グルコースは血液中に大量にあると臓器を腐食する作用があります。
だから体は血液内のグルコースを何とかして処理しようとします。そこで体はインスリンを分泌し(一型糖尿病の人は除く)、全身の血流からグルコースを取り除こうとします。
血液中からはブドウ糖を取り除く方法は2つあります。1つ目が、グルコースを筋肉や臓器に送り、グルコースがいくつも繋がった重合体の『グリコーゲン』に変換する方法です。
しかし、筋肉が備蓄できるグリコーゲンの量はわずかであり、人体はグルコースを処理するためにもう1つの方法を選択します。それがグルコースを脂肪に変換する方法です。
血糖値が高くなる食品ほど、大量のインスリンが必要となり、脂肪を溜め込んでいくことになります。そのような食品を取り続けているうちに体内のインスリン受容体はセンサーが鈍くなっていき、脾臓はさらにたくさんのインスリンを作り出す必要に迫られます。
これが『糖尿病』の始まりです。また、脂肪の蓄積も相まって以下の病気にかかる可能性を高めていきます。
- 肥満
- 心臓病
- 高血圧
- 2型糖尿病
- 脳卒中
などです。
ですから、グルテン不耐性に限らず、インスリンを急上昇させるような食品は避けていくのがいい、というのがジョコビッチの提案です。
2:グリセミック指数
インスリンを急上昇させる食べ物ってどんなのがあるのでしょうか?
そのためには『グリセミック指数』を使うのが効果的です。体内の血糖値を上げる食べ物であればあるほどグリセミック指数は高くなります。
この数値が50を超えるものが『糖分過多』の食品になるので注意が必要です。
グリセミック指数 | 食品 |
100 | ブドウ糖 |
80〜89 | フランスパン |
70〜79 | 食パン、ポップコーン、スイカ、ニンジン、カボチャ、マッシュポテト |
60〜69 | 白米、アイスクリーム、チョコレート、砂糖、全粒粉のパン |
50〜59 | 玄米、スパゲッティ、ポテト、バナナ |
40〜49 | 全粒粉スパゲッティ、オレンジ、ぶどう、ライ麦パン |
>【血糖値】グリセミック指数(GI)とグリセミック負荷(GL)の違いとは?
おわりに
今回の記事は『超一流テニス選手のジョコビッチが実践している食事の気をつけ方』について書いてきました。
『不耐性』という概念を初めて知った人も多いのではないでしょうか?不耐性の食品を摂取し続けると、アレルギーとして体に症状は出ないまでも、身体中で炎症を起こしているので、知らず知らずのうちに体を蝕んでいきます。
なぜか体がだるい、寝つきが悪い、胃の調子が良くない・・・などなど、そんな症状を患っているのであればジョコビッチのいう方法を試してみるべきだと思います。
あなたにとって最悪の敗北とは失敗そのものではない。
やろうともしないでムリだと決めてしまうことだ。
世界一位になったことのある人の実践例ですので、参考にしない手はありません。
それでは簡単にまとめをします。
- 食べ物によっては体に合わないものがある
- 体に合わない食べ物は体に炎症を引き起こす
- 5人に1人はグルテン不耐性
- 2週間グルテンフリーの食事を試してみる
それでは!
*健康関連記事
>ジョコビッチから学ぶ『本物の柔軟性』を獲得するためのダイナミック(動的)ストレッチ
名著ですので是非お読みください↓
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