腸内細菌は免疫機構をくぐり抜けどうやって腸内で暮らすようになるのか?IgA抗体が関与

腸内細菌は免疫機構をくぐり抜けどうやって腸内で暮らすようになるのか? 腸内フローラ
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腸内細菌ってどうやって腸内に住むようになるの?

この疑問をようやく解決してくれそうな本に出会うことができました。
今回の記事も前回の『【リーキーガット】糖尿病患者は血液中に生きた腸内細菌がいる!?』に引き続き、『腸内フローラ10の真実』から気になったことを書いていきたいと思います。

この本の中で最も面白いところでした!

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腸内細菌はどこに住んでる?

腸内細菌の多くは大腸に住み着いています。
大腸の表面は『粘液層』で、ムチンと呼ばれるネパネパした物質の層で、厚さは0.1ミリになります。

ムチンは粘り気が強いため、食べ物と一緒に流れていくことがないので、粘液層に入ることができれば、細菌たちは安住の地を得ることができるのです。

どうやって粘液層に入るのか?

前回の記事で書いたことなのですが、粘液層はそもそも外敵を腸内から血液中に侵入させないための防御膜みたいなものです。
つまり腸を守るためのものなんですね。

だから普通の菌は粘液層に住み着くことができません。
粘液層に住み着くことができる細菌は『特定の細菌のみ』なんですね。

私たちの体は特定の細菌のみを選んで、腸内に住み着かせる巧妙な仕組みを持っているのです。
その鍵を握るのが『IgA抗体』になります。

抗体とは免疫細胞が作り出すだすもので、細菌やウィルスなどの外敵を倒します。
当然ながら細菌やウィルスは多種多様ですので、抗体にもいくつか種類があります。

その中でも腸にいる白血球が作り出すのが『IgA抗体』で、この抗体はなかなか面白い抗体なのです。
というのも、他の抗体と違って細菌を殺す力がないからです!

理化学研究所のシドニア・ファガラサン研究員は遺伝子操作によって、IgA抗体を作り出す白血球が存在しないマウスを作りました。
すると、IgA抗体を作り出す白血球がいないマウスの腸内では、腸内フローラの多様性が大きく低下することがわかりました。

そしてそのマウスに、IgAを出す白血球を外から入れてやると、腸内フローラの多様性も高まったのです。
つまり、IgA抗体は腸内細菌を助ける役割があることがわかりました。

そしてこのIgA抗体こそが、粘液層に腸内細菌を住まわせるお手伝いをしていたのです。

IgA抗体の性質

IgA抗体に限らず、抗体は細菌にくっつく性質があります。
普通の抗体は細菌にくっついて殺すのですが、IgA抗体は違います。

くっつくことで、粘液層に入りやすくするのです。
でもそれだとどんな細菌にもくっついて、どんな細菌でも粘液層に入れることになります。

だからIgA抗体は特定の細菌のみにくっつくように狙いを定めて作られているのです。
それでここで面白いことなんですが、IgA抗体がくっつかない細菌は粘液層で暮らせないのはもちろんなのですが、くっつきすぎた細菌も粘液層では暮らせません。

というのも、IgA抗体がくっつきすぎた場合は、細菌身動きが取れなくなり、増殖できなくなるからです。
だから適度にIgA抗体がくっつく細菌のみ粘液層で暮らすことができるそうなのです。

これについてはファガラサンさんもまだよく分かってないそうです笑
でもこの曖昧さが『生物の仕組み』らしいですね。

どうやって細菌を選んでいるのか?

ここで気になるのが「IgA抗体はどうやって細菌を選んでるの?」です。
これは細菌と人類が共進化したからとしか言えないみたいです。

IgA抗体と虫垂

IgA抗体と虫垂に関連性を見つけたのが、大阪大学教授の竹田潔さんの研究グループになります。

虫垂とは盲腸の下にある細い管状のものです。
馴染みのない言葉だと思うでしょうが、『虫垂炎=盲腸』と一般的には知られており、いらない臓器と呼ばれていたりもしますね。

いらない臓器として『モウチョウ』と診断された人は手術で切り取られているのですが、IgA抗体を生み出すために重要な役割を果たしていることがわかってきたのです。

無菌状態で育ったマウスにはIgA抗体を出す白血球がほとんどいません。
このマウスを菌がいる普通の環境に移すと、IgA抗体を出す白血球が増えていきます。

竹田さんの研究グループでは、無菌マウスの『虫垂』を切除して同様の実験を行いました。
すると、虫垂がないマウスは菌のいる環境に移っても、IgA抗体を出す白血球がうまく増えないことがわかったのです!
また腸内フローラのバランスが乱れていることもわかりました。

虫垂の中には白血球が集まる特別な場所、虫垂リンパ組織があります。
ここで白血球たちは腸内にどんな細菌がいるかを学習し、その細菌をターゲットにしたIgA抗体を作れるようにするのです。

このことから、私たちが腸内細菌を選ぶルートは次の2つがありそうだと考えられます。

  1. 共進化によって遺伝子が選んでいる
  2. 虫垂で行われる細菌の学習

腸内フローラは一人一人違うと言われますが、その理由はこのように、共進化と虫垂での学習の2つの理由があるからなのでしょう。

ちなみに、「私、虫垂切り取っちゃったんだけど・・・」という人も安心してください。
竹田さん曰く、発達段階では重要かもしれないけど、ある程度成長してから切除してもほとんど影響はないだろう、とのことです。

またリンパ組織は小腸にも存在し、虫垂がなくてもIgA抗体が全く作れないというわけではないそうです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
なかなか興味深い話ではありませんでしたか?

私としはずっと「なぜ腸内細菌は人間の免疫機構によって攻撃されないのだろう?」と疑問に思っていたので、それが解決して超スッキリしました。

まさかIgA抗体が腸内細菌に関係しているとは・・・びっくりです。
面白いですよね〜。

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