テレビでイチロー選手の衰え知らずの体の原因を紹介していました。「なるほど〜」と勉強になることが多々ありました。
そこからイチロー選手の野球観やトレーニングに対する考え方が気になり、youtubeでイチローの動画を見まくりましたので、そこで学んだことをまとめてみようと思います。
1 イチローから学ぶトレーニング理論
イチロー選手はオフシーズンには慣れ親しんだ神戸で過ごし、そこでトレーニングをします。
1.1 練習ではホームランを量産する
そのトレーニングのバッティング練習では、試合のイメージとはあまりにも違うバッティングをします。ホームランを量産するのです。
イチロー選手といえばヒットを量産するイメージですが、練習ではヒットを打つための練習はしていませんでした。フルスイングしてホームランを撃つ理由は、練習で体を目一杯使うこと、だそうな。
流し打ちはいつでもできるので、練習のための練習はせず、体を酷使することに重点を置いているのです。
1.2 年齢による衰えに対するイチロー選手の考え
テレビではイチロー選手に「年齢による衰えはないのか?」という質問をしていて、その質問に対するイチロー選手の答えは「年齢による衰えがイチローにもあってほしいと思う人が多いけど、これから私の絶頂期が来るってどうして考えれないのだろう?」でした。
カッコイイ・・・😁
1.3 怪我をしない体を作る初動負荷トレーニング
イチロー選手は怪我をしない選手だと思われていますが、実はイチロー選手だって怪我をしています。しかし、怪我に強く、治りがはやい体を作っているのです。
どうやってそんな体を作っているかというと、イチロー選手の特殊なトレーニング方法があります。イチロー選手がやっている特別なトレーニングとは、
初動負荷理論を用いたトレーニング
です。
ウェイトトレーニングは強い負荷がかかるので、筋肉が緊張して硬くなってしまいますが、初動負荷トレーニングは負荷がかかるのは動き出す時だけなので、筋肉を緊張させることがなく、筋肉を柔らかく保つことができるらしいです。
また、イチロー選手が用いているこの初動負荷トレーニングの器具は独特な関節の動きをするので脳を刺激させます。複雑な動きを繰り返すことで、眠っていた神経を筋肉を脳が呼び覚ますのだそうです。
そしてこのトレーニングを繰り返すことで、様々な筋肉が連動するようになるそうです。イチロー選手はこのトレーニングを20年近く続けているのだとか。
1.4 イチロー選手のトレーニングを脳科学から見ると
イチロー選手のトレーニング理論は脳科学的にも正しいです。というのも、体を動かすことで脳にその動きの脳領域ができます。
例えば、親指を動かす脳領域が人間にはもともとあるから、親指を動かせるのでしょうか?それとも、親指があるから、脳に親指を動かす脳領域ができるのでしょうか?
これは後者が正解です。
生まれつき親指と人差し指がひっついていた人には、脳に親指の領域、人差し指の領域がありません。しかし、手術でひっついていた部分を切り、指を動かす訓練をすると、もともと脳にはなかった親指の領域ができるのです。
1.5 無理な筋肥大は目的ではない
イチロー選手は、筋肉を大きくするのではなく筋肉をしなやかに保ち、様々な筋肉を連動させることで年齢に負けないプレーが可能となっています。
野球はパワーだというのは間違った考えで、「何によってパワーが生まれるのかが大事」だとイチロー選手は言います。つまり、体を大きくするだけでは野球に必要なパワーは得られないという考えですね。
大きな筋肉を求めるのではなく、しなやかな筋肉を連動させることでパワーを生み出すからこそ、大きな怪我をすることなくイチロー選手は長年プレーができております。だから、「自分の持って生まれたバランスを崩してまで、体を大きくしてはダメ」だとイチロー選手は言います。
続けてこう言います。「筋肉が大きくなってもそれを支えている関節とか腱は鍛えられないから、不必要に体を大きくすることは重さに耐えられなくなり、体を壊すことになる。筋肉を大きくしたら膝に負担がかかることは当たり前」と。
また、体はいろんなセンサーを発してくれているので、アメリカ人のパワーに追いつこうとして無理に体を大きくすることはセンサーを自ら壊し、体が発する「危ないよ」という信号を発さない体にしてしまうとのことです。
1.6 ウェイトトレーニングで失われたスピード
イチロー選手自身もウェイトトレーニングをしていたのですが、スイングスピードが落ちることに気がつきました。
- オフシーズンに鍛える
- シーズンが始まると毎年春先は動けない
- シーズン中にトレーニングができなくて痩せてくると、スイングスピードが上がってきて打てるようになる
そこで本来のバランスを崩してはダメだということに気がついたそうです。これに気がつくまでに6~7年かかったみたいです。
また、アメリカに渡るときも体を少し大きくしたのですが、全然動けなくなってしまったそうです。その多きくした際のプラス体重がわずか3kgだったのにです。
1.7 見えない部分を意識してトレーニングする
「腰が回転するから手が勝手についてくる。骨盤の動きや肩甲骨の動きが大事で、自体の動きを理解してプレーすることが大切。肩の力を抜けって言われて肩の力を抜いただけでは、肩の力は抜けない。目に見える部分しか言えない人が多くて、そういうことかわかっている人は少ない。人体を理解すると動きとかトレーニングにだいぶ差が出る。」
イチロー選手の言葉は、スポーツ競技を教えている人は絶対に知っておかないといけないことですよね。「緊張するな」とか「リラックスしろ」と学生時代の部活の顧問の先生は言いますが、人体を理解できてない人に言ったって効果はありません。
表面的な言葉を語るのではなく、もっと体としての全体をイメージできるような言葉が必要なのでしょうね。
おわりに
今回の記事は『イチロー選手のトレーニング理論』について書いてきました。
イチロー選手の考え方ってスポーツ以外でも使えるくらい研ぎ澄まされてます。なんと言うか野球、いやスポーツの研究者みたいです。
「合理的って言葉が嫌い」ってインタビューで答えていて、さらに「遠回りすることが一番の近道だと私は思う」っ言ってました。この言葉ってノーベル賞とる人の言葉みたいですね笑。
なんでもやってみて一番良いと思ったものを採用するという遠回り精神ってすごくしんどいはずなんです。誰かに一番良い方法を聞いてそれをやるのが最も手っ取り早いと私たちは思います。
でもその誰かに聞いた方法は『その人にとって最も良い方法』なのであって、自分にとって最も良い方法ではありません。だからこそ全て自分で試してみて、自分て判断するのですね。この姿勢は誰もが見習うべきところでしょう。
そういえば、初動負荷トレーニングをダルビッシュ選手に紹介したみたいです。
ダルビッシュ選手の公式youotubeチャンネルはとても良いと思うので、是非とも登録してみてください。超一流の現役アスリートから学べるなんて最高としか言いようがありません👍
それでは!
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