ブドウ糖(炭水化物)・お酒(エタノール)・果糖の代謝の違いについて

糖分 代謝経路ダイエット
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カリフォルニア大学サンフランシスコ校医科大学医院小児科教授のロバート・H・ラスティングさんの『果糖中毒』という本を読んでいまして、259ページから糖の代謝の話がとてもよくまとまっておりました。参考にしながら記事にしたいと思います。

ブドウ糖(炭水化物)・お酒(エタノール)・果糖は、同じ120キロカロリーの摂取でも体の中で行われる代謝には違いがあります

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ブドウ糖(炭水化物)の代謝と影響

お茶碗半分の白米を食べ、120キロカロリーを摂取したとします。すると、そのうち20%の24キロカロリーは肝臓に行き、残りの80%は体内の他の臓器によって代謝されます。

  1. ブドウ糖摂取すると血糖値が上がり、インスリンが分泌される
  2. インスリンは脂肪細胞にエネルギーを貯める
  3. 肝臓に行ったブドウ糖の大部分はグリコーゲンになる(グリコーゲンは肝臓細胞には害を与えない)
  4. グリコーゲンは、肝臓がブドウ糖を血中に放出するのを妨げるため、糖尿病の予防になる
  5. 少量のブドウ糖は、肝臓のミトコンドリアによって代謝され、エネルギーになる
  6. 肝臓に行ったブドウ糖のうち、グリコーゲンにもならず、ミトコンドリアによってエネルギーに代謝されることのない残りのブドウ糖は、中性脂肪に変換される(血中に中性脂肪が多量にあると、心臓血管疾患のリスクが高まる)
  7. ブドウ糖は細胞内のタンパク質と結びつくことがあり、それが起きるとタンパク質は柔軟性を欠くようになり、老化プロセスの一員となる
  8. また、ブドウ糖がタンパク質に結びつくたびに、活性酸素が放出され、ペルオキシソーム内の抗酸化物質がただちにそれを吸い取らないと、組織に損傷が及ぶ

 

ブドウ糖は体のエネルギーに必要なものですが、ブドウ糖を取りすぎると体に悪影響を及ぼし始めます。

活性酸素について>

お酒(エタノール)の代謝と影響

120キロカロリーのエタノールを飲むと、そのうちの10%の12キロカロリーは胃と腸の中で代謝され、10%は脳と他の臓器で代謝されます。脳内での代謝が、酔いという作用をもたらします。肝臓に届くのは約96キロカロリーで、このカロリー量はブドウ糖の約4倍になります。

  1. 多量のエタノールが肝臓に入り込むと、活性酸素の形成が促され細胞が傷つく
  2. グリコーゲンになるブドウ糖とは対照的に、エタノールは直接ミトコンドリアに行く
  3. 残りはすべて新生脂質合成と呼ばれるプロセスによって脂肪に変えられる(脂質が蓄積すると、肝臓のインスリン抵抗性と炎症が引き起こされる)
  4. アルコールを慢性的に摂取していると、最終的にはアルコール性肝疾患が引き起こされる(肝臓移植が必要になる)
  5. エタノールは脳の報酬経路に作用するため、制御できないと、アルコール依存症になる可能性がある

 

ブドウ糖と同じ量のカロリーでも、エタノールはブドウ糖よりも慢性病を引き起こす可能性が高いのです。

果糖(フルクトース)の代謝と影響

自然界では、果糖は単体では存在せずに、ブドウ糖と常に一緒に存在します。果糖もブドウ糖も化学組成は同じですが、体に与える影響は大きく違います。

例えば、果糖はブドウ糖よりメイラード反応を約7倍早く発生させることがわかっています。体内でメイラード反応が起こると、細胞の老化を促進させます。

メイラード反応について>

 

さてさて、ブドウ糖やアルコールのように120キロカロリー分のショ糖(ブドウ糖60キロカロリー、果糖60キロカロリー)を摂取した場合に人体に与える影響を考えてみましょう。

  • 60キロカロリー分のブドウ糖はは20%が肝臓へ(12キロカロリー)
  • 60キロカロリー分の果糖はほぼ全てが肝臓へいく(ごく稀なケースでは腎臓も少量の果糖を代謝する)
  • つまり、合わせて72キロカロリーが肝臓へいくことになる

ブドウ糖を120キロカロリー摂取した場合と、ショ糖120キロカロリーを摂取した場合では、ショ糖のほうが肝臓に3倍ものカロリーが押し寄せることになります。

 

3倍ものカロリーが肝臓に押し寄せるとどうなるかというと、

  1. 肝臓細胞でATPがたくさん必要になる
  2. ATPが欠乏すると、老廃物である尿酸が生成され、痛風をもたらすとともに、血圧を上昇させる
  3. 果糖はグリコーゲンの生成過程には入らずに、直接ミトコンドリアに入る
  4. そうなると、アセチルCoAが過剰に生成され、それを代謝するミトコンドリアの能力を超えてしまう
  5. 余ったアセチルCoAはミトコンドリアを離れ、代謝されて脂肪になる
  6. 果糖は、肝臓内で炎症を引き起こす肝酵素を活性化する
  7. これによりインスリン作用の主要メッセンジャーが不活性化され、肝臓はインスリン抵抗性になる
  8. 肝臓でインスリンの作用が欠乏すると言う事は、ブドウ糖を低く抑える手段がなくなるということ
  9. そのため、血糖値が上がり、慢性的にそれが続くと糖尿病が引き起こされる
  10. 肝臓にインスリン抵抗性があると、膵臓が余分なインスリンを分泌しなければならなくなり、余分なエネルギーを脂肪細胞に送ることになって、最終的に肥満になる
  11. エネルギーが多く詰め込まれるところは、内臓脂肪→メタボになりやすい
  12. インスリンの血中濃度が高いと、様々ながんが発症する危険性がある
  13. インスリンの血中濃度が高いと、レプチンシグナルがブロックされて、脳の視床下部に「飢えている」と言う誤った考えを抱かせて、空腹感が高まる
  14. 果糖はリーキーガットに関係がある
  15. 果糖は、細胞に直接ダメージを与えかねないメイラード反応をブドウ糖より7倍早く引き起こす
  16. インスリン抵抗性と認知症にははっきりとした因果関係がある

おわりに:アルコールも果糖も肝臓にカロリーがいく

アルコールや果糖は、ブドウ糖と違い肝臓にたくさんのカロリーが行きます。同じカロリーでも、代謝経路が全然違うのです。

 

砂糖やアルコールは体に悪いと言うイメージがありますが、果糖はまだまだ健康に良いと言うイメージがあるかもしれません。もちろん、果物をほどほどに食べる分には問題がありません。しかし今の時代は、果糖が見えない形で多くの食材にふんだんに含まれているから危険なのです。

 

果糖の1番厄介なところが、インスリン反応を刺激しないところです。インスリン反応を刺激しないので、レプチンレベルが上昇せず、満腹感が来ません。だからこそ人は食べ続けてしまうのです。また長期にわたる果糖の摂取は肝臓のインスリン抵抗性を生み出して、慢性的な高インスリン状態を引き起こしてしまいます。これはさらにレプチンの伝達を妨げ、さらなる食べ物への渇望を生み出します。

 

ということで、果糖の危険性について書いてきました。要は、「加工食品やお菓子には果糖がたくさん含まれているので、できるだけ食べないようにしよう!」という当サイトのいつもの結論になります。それでは!

参考にした本はこちら。

よくまとまっている本でした。

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