ビタミンB1(チアミン)の効果とは?多く含まれる食材について

ビタミンB1(チアミン)の効果とは?多く含まれる食材についてビタミン
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ビタミンB1って身体にどんな効果があるの?

そんな疑問に答えます。

今回の記事では『ビタミンB1(チアミン)』について詳しく書いていきたいと思います。この記事を読むことで、

  • ビタミンB1の効果
  • ビタミンB1が多く含まれる食材

が分かります。

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1 ビタミンB1(チアミン)の効果とは?

ビタミンB1の興味深いエピソードがあります。江戸時代の頃、東京や京都の大都市では『脚気』がみられるようになりました。その理由は、玄米食から精米食へ変わっていったのが原因だと言われています

 

玄米を精米して白米にする過程で、ビタミンB1を含む『ぬか』を取り除かられます。それが原因でビタミンB1不足が蔓延したのです。

1.1 ビタミンB1の機能

ビタミンB1は『糖質をエネルギーに変える』機能があります。少しだけ詳しく書くと↓の通り。

 

細胞は活動するためにはエネルギーが必要でして、そのエネルギー源には炭水化物や脂肪が主に利用されます。炭水化物や脂肪が『エネルギー代謝』と呼ばれる過程を経て、エネルギーが生産されます。そのエネルギー代謝として代表的なものが『TCA回路(クエン酸回路)』というものです。

 

TCA回路によってエネルギーが作られるのですが、この過程でビタミンB1を必要とする箇所(α-ケトグルタル酸→コハク酸)があります。そこでビタミンB1が不足していると、エネルギー生産が滞ってしまいます😱

 

他にも、炭水化物がエネルギーとして利用されるには、TCA回路の前段階として『解糖系』という代謝経路があります。解糖系ではグルコースがピルビン酸まで変化し、さらにそれがアセチルCoAへと変化して TCA回路へと進みます。

 

ビタミンB1はこのピルビン酸からアセチルCoAへの変化の過程にも必要で、ビタミンB1が不足するとアセチルCoAへの変化が滞ります🤢そうなるとTCA回路へと進むこともできなくなるので、エネルギーの生産まで滞ってしまいます。つまり、ビタミンB1はエネルギー生産にはなくてはならない栄養素なのです!

1.2 ビタミンB1の消化と吸収

生細胞中のビタミンB1の大半は補酵素型のTDPとして存在しており、酵素タンパク質と結合した状態で存在しています。

 

食品を調理・加工する過程および胃酸環境下で、ほとんどのTDPは酵素タンパク質が変性することで遊離します。遊離したTDPのほとんどは消化管内のホスファターゼによって加水分解され、チアミンとなった後、空腸と回腸において能動輸送で吸収されます。

1.3 ビタミンB1が不足すると

ビタミンB1の欠乏により、神経炎や脳組織への障害が生じます。ビタミン B1 欠乏症には、

  • 脚気
  • ウェルニッケ-コルサコフ症候群

があります。

1.4 ビタミンB1の必要量

厚生労働省が推奨している、ビタミンB1の1日の推奨量は成人男性で1.4mg、成人女性は1.1mgです。

ビタミンB1 推奨摂取量

この表は、厚生労働省のサイトより引用しています。記事の一番下でリンクを貼っています。

1.5 ビタミンB1を過剰に摂取すると・・・

ビタミンB1過剰症では、

  • 頭痛
  • いらだち
  • 不眠
  • 速脈
  • 脆 弱化
  • 接触皮膚炎
  • かゆみ

などの症状が現れます。

 

しかし、通常の食品で可食部100g当たりのビタミンB1含量が1mg を超える食品は存在しないため、通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告は見当たらないようです。

 

サプリメントなどで過剰摂取しなければ大丈夫です。1日3g以上のビタミンB1を摂取し続けると、ビタミンB1過剰症の症状が出る可能性がありますので、くれぐれもサプリメントの過剰摂取はお気をつけください。

1.6 ビタミンB1の少しだけマニアックな話

ビタミンB1の正式な化学名は2〔─ 3[─(4─アミノ─2─メチル─ピリミジン─5─イル)メチル]─4─メチ ル─チアゾール─5─イル〕エタノールです笑。

 

ビタミンB1にはリン酸が

  • 一つ結合したチアミンモノリ ン酸(TMP)
  • 二つ結合したチアミンジリン酸(TDP)
  • 三つ結合したチアミントリリン酸 (TTP)

の3つが存在しています。

 

しかし、TMP、TDP、TTP いずれも消化管でビタミンB1に消化された後、吸収さ れるため、ビタミンB1と同じ活性を示します。

2 ビタミンB1を効率よく摂取するために

ビタミンB1不足にならないためにも、ビタミンB1を効率よく摂取する方法について見ていきましょう。

2.1 ビタミンB1は水溶性ビタミンなので

水溶性ビタミン

ビタミンAビタミンDビタミンEビタミンK脂溶性ビタミンのため、体から排出されにくい傾向にあります。そのため脂溶性ビタミンの取りすぎは注意が必要です。

 

反対に水溶性ビタミンはちょっとくらい取りすぎてしまっても、体に貯蔵されることなくおしっことして排出されるので、脂溶性ビタミンほど気をつける必要はありません

 

しかし水溶性ということなので、調理の際に水に溶けやすいです😅また、野菜を切って洗い過ぎれば、切り口からどんどんビタミンが流出していくので注意が必要です。

2.2 ビタミンB1を多く含む肉・魚

以下にビタミンB1を多く含む食品をあげておきます。

文部科学省の食品成分データベースを参考にしています⇨食品成分データベース

食品名100gあたりのmg
たらこ0.77
うなぎ0.75
ふな0.55
こい0.56
いくら0.42
豚のヒレ肉2.09
豚のモモ肉0.96
0.14
脱脂粉乳0.30

2.3 ビタミンB1を多く含む野菜など

今度はお肉ではなくて、ビタミンB1を多く含む野菜などについてご紹介します。

食品名100gあたりのmg
グリンピース0.39
切り干し大根0.35
枝豆0.31
大豆0.88
米ぬか3.12
ひまわりの種1.72
ごま1.25
ドリアン0.33
ドライマンゴー0.27
干しぶどう0.12
舞茸1.24
焼き海苔0.69

などです。

ビタミンB1は豚のヒレ肉にたっぷり入ってますね。疲れた時はトンカツが体に良さそうです👍

2.4 ビタミンB1をあまり含まない食材

逆に、ビタミンB1をあまり含まない食材についてご紹介したいと思います。

  • 油脂類

油にはビタミンB1はほとんど含まれません。

おわりに

この記事では『ビタミンB1』について書いてきました。

簡単にビタミンB1のことを覚えるとしたならば、

  • 脚気に関与
  • エネルギー生産のお手伝い
  • 豚のヒレ肉に多く含まれる

です。

 

↓の食材を食べておけばOKです。

  • 豚肉
  • うなぎ
  • 玄米
  • 大豆

それでは!

 

*参考

日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会 報告書 水溶性ビタミン

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