乳児と腸内細菌の関係性。母親から受け継がれる腸内細菌。

乳児と腸内細菌の関係性
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腸内には100兆個を超える細菌が生息すると言われています。
それでは一体、いつそんな数の細菌が腸内に生息するようになるのでしょうか?
今回の記事では『腸内細菌環境の形成』について書いていきたいと思います。

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母親から受け継ぐ腸内細菌

生まれる前の胎児は『無菌状態』にあるので、全く細菌はついていません。
母親の子宮から離れて、赤ちゃんは細菌環境と出会い、共生をはじめていくのです。
胎児は子宮から産道を下りてきて、母親の膣と肛門にいる細菌に出会います。
イメージとしては「汚い!」と思うかもしれませんが、健康的な母親が厳選した細菌とも言える微生物に、出会うわけですから、子供にとって最も安心できる微生物なわけです。
お母さんからもらうものは愛情は遺伝子の他に、『細菌』もあるんですね。

帝王切開で生まれると

全く菌を持っていない、『無菌マウス』の作り方をご存知でしょうか?
無菌マウスは研究に役立たれるものとして、作成されるのですが、無菌マウスを作るためには自然分娩(経膣分娩)ではなく、『帝王切開』になります。

人間も一緒で、帝王切開で生まれてくる赤ちゃんが出会う最初の微生物は、母親特有の微生物のみではなく、母親の皮膚についている微生物や、医師や看護師の皮膚の微生物にも出くわします。
自然分娩で出会う多くの細菌には乳酸菌の一種の『ラクトバチルス』ですが、帝王切開だと病原性細菌に多い『プロテオバクテリア』に出会います。(参考→Delivery mode shapes the acquisition and structure of the initial microbiota across multiple body habitats in newborns)

帝王切開で生まれた人は、肥満やアレルギー、グルテン不耐性、虫歯にかかりやすいう研究結果もあり、自然分娩で良質な細菌に出会うことが重要なのではないかと言われています。

細菌に触れるのが遅いと・・・

2012年の論文によると、一緒のうちにあまりに遅い段階で細菌と接すると、免疫系が発達する機会が失われてしまうことがわかっています(Microbial Exposure During Early Life Has Persistent Effects on Natural Killer T Cell Function)。
この世界に生まれる以上、無菌状態をキープすることはできませんが、我が子の可愛さあまり、清潔に気をつけ過ぎることもよくありません。
また、小さい時に抗生物質を飲み過ぎることもよくないでしょうね。
抗生物質と腸内細菌の関係性については、こちらの記事で詳しく書いているので参考にしてみてください→食品添加物や抗生物質が腸内細菌に与える負の影響

覚えておかなくてはならないことは、適度な汚さが、その子の免疫系を発達させるということです。
そして、抗生物質などは悪い菌も良い菌も無差別に殺していき、腸内環境を壊滅状態にさせるということです。

母乳と腸内細菌の関係性

生後数カ月にわたって、赤ちゃんの腸内細菌環境は何度か変化し、特定の細菌が増えたり、減ったりします。
2007年にスタンフォード大学が14人の乳児の腸内細菌環境の成長を観察しました(Development of the Human Infant Intestinal Microbiota
新生児が最初に口にするのは『母乳』になります。
母乳には乳児が必要な栄養成分が全て含まれています。
その中には栄養だけでなく、抗体などの免疫系分子が含まれており、乳児の免疫系が発達するまで乳児に受動免疫を与えます。
それに加え、母乳に特徴的な成分にヒトミルクオリゴ糖(HMO)があります。
ヒトミルクオリゴ糖は複合炭水化物であり、母乳の中で脂肪と乳糖の次に多く含まれているものです。
ここで興味深いところが、母乳内にそんなに多く含まれているのに、化学構造があまりに複雑すぎてヒトには消化をすることができない点です。

じゃあなんでこんなものをわざわざ作っているかと言うと、ヒトミルクオリゴ糖は、乳児ではなく、腸内細菌のための食べ物になるからです。
母乳は赤ちゃんのためだけの食事ではなく、腸内細菌のための食事にもなっているんですね.

疳の虫と腸内細菌

オランダの科学者グループが、生後100日に渡り、24人の新生児の腸内細菌を観察しました(→Intestinal Microbiota of Infants With Colic: Development and Specific Signatures)。
この研究によると、疳の虫の原因と腸内細菌が関係しているとのことです。
24人の半分に当たる新生児には疳の虫があり、残り半分はありません。
疳の虫を持つ新生児の腸内細菌は、そうでない新生児より細菌の多様性が低いことがわかりました。

また疳の虫がある新生児には、プロバクテリア門の細菌が多く、ビフィドバクテリウム族や楽とバチルス族の細菌が少なかったことがわかりました。
この腸内細菌環境は、帝王切開で生まれた子や、母乳ではなく人工乳哺育で育った子供に似ていました。
この研究結果からも、乳児と腸内細菌の関係性が伺えますね。

離乳期と腸内細菌

乳児はおよそ6ヶ月で固形物を食べるようになります。
固形物を食べ始めると、腸内環境に大きな変化を起こし、徐々に大人と同じような腸内環境になっていきます。
ここに子供の誕生から2歳半までの腸内環境の変化を捉えた研究があります(Succession of microbial consortia in the developing infant gut microbiome)。
乳児が初めて植物性の固形物(えんどう豆)を食べた時に、腸内の細菌数は一気に増えました。
つまり、新しい種類の食べ物が腸内細菌に新たなエネルギーを与えたのです。
でも少し考えてみてください。
なぜ、初めて食べるモノを消化する状態が整っているのでしょうか?

ここで先ほど書いた母乳に含まれる『ヒトミルクオリゴ糖』が関与しています。
ヒトミルクオリゴ糖が、植物性の食料を消化するための細菌にも栄養を与えることで、いつでも植物性の食料が入ってきても大丈夫なように準備をしているのですね。
人類は進化の過程で、腸内細菌と共生していくことを選んだのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では乳児と腸内細菌の関係について書いてきました。
なかなか驚くべき内容ではなかったでしょうか?
子供の腸内細菌は母親譲りで、しかもその腸内細菌を母乳で育てているということですからね笑。
「細菌は危険!」というイメージばかりが先行しますが、人間は菌との共生を選んでいます。
もちろん人間に害を与える菌もありますが、少なくとも腸内や皮膚表面にいる細菌は、有用な菌が多いんですね。
菌が人間に与えるプラスの影響は、近年の研究でどんどんわかってきています。
ということで、またわかり次第記事にしていこうと思います(`・ω・´)”

毎回書いてることですが、病気は治療ではなく予防が肝心です。
治療に使うお金は莫大ですが、予防に使うお金はちょっとでいいので、こう言うことを一人一人が心がけるだけで、日本の財政が良くなるはずなんです。
そして、ライフシフトの本で有名なロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授曰く、これからの人生は100年計画にしなさいとのことです。
人生の最後を病院で寝たきりは嫌ですよね?
そのためにも、日々の生活を心がけ、健康的な生活にし、健康寿命を延ばすことが何よりも大切なのではないでしょうか。

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
参考にした本『腸科学』

『GO WILD』

『脳はバカ、腸はかしこい』

『あなたの体は9割が細菌』

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サイト記事まとめ

記事がバラバラしてきたので、

一覧にしてまとめてみました。


1.体に必要な栄養とは何か?栄養に関する知識をまとめてみた


2.有酸素運動・筋トレ・ストレッチのやり方と効果のまとめ


3.腸内細菌環境を整えることこそ健康のためのファーストステップ


4.おすすめのサプリメントを紹介!くれぐれもライフスタイルに合ったものを選んでください


5.男の美容まとめ!化粧品の基礎知識を知って肌に優しいものを選ぼう!


6.あんた誰だよ?ということでプロフィールページになります


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