この記事では日焼け止めクリームについて知っておきたいことを書いていきます。
この記事を読むことで、
- SPF、PAとは?
- UVA、UVBとは?
- 紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いとは?
- 日焼け止めの使い方
が分かります。
SPFとかPAとかいまいちよく理解してないんだよね。
その辺も含めて日焼け止め全般について書いていきます。
SPFは紫外線B波(UVB)を防ぐ
『SPF(Sun Protection Factor)』は紫外線B波(UVB)を防ぐ指標になります。
紫外線は
- 紫外線B波(UVB)
- 紫外線A波(UVA)
の2つがあります。繰り返しになりますが、SPFはUVA対策でして、数字が高い方がUVBを防ぐ効果が高いです。
イメージとしては次の表を参考にしてください。
紫外線B波(UVB)ってどんな影響を与えるの?
UVBは肌表面を赤くさせます。
透過性が弱いので、曇りの日や、ガラスを一枚通すだけでUVBは激減します。
SPFの数字の大きさの意味とは?
SPFの数字の指標ですが、肌がヒリヒリと赤くなる炎症を引き起こすかどうかによって算出されます。
例えば、日光にあたり、肌が赤くヒリヒリするまでの時間に20分程度かかる人が、SPF10の日焼け止めを塗った場合、10倍の紫外線量を20分浴びでようやく肌がヒリヒリし始めるということをSPFは意味します。
知らなかった!
ちなみに、10倍の時間という意味ではないことに注意が必要です。(200分浴びても大丈夫ってことではありません。なぜなら時間とともに日焼け止めの効果は薄れるからです)
なぜSPF50以上は50+と表記されるのか?
なぜかSPF60や70と言った表記はなく、50以上は50+と表記されます。
これはなぜなのでしょうか?
その理由としては、“赤いヒリヒリ”を目視によって確認するという手法によってSPF値が決まっているため、値が大きくなるとともに誤差が増大するためSPF50以上を正確に測れないそうだからです。
PAは紫外線A波(UVA)を防ぐ
SPFに対して、PA(Protection grade of UVAの略語)は紫外線A波(UVA)を防ぐ指標になります。SPFは数字で強さを表しますが、PAは『+』で強さを表します。
『+』がたくさんあるほど紫外線A波(UVA)を防ぐ効果が高いです。
PA+ | 効果がある |
PA++ | かなり効果がある |
PA+++ | 非常に効果がある |
PA++++ | 極めて効果が高い |
UVAってどんな影響を与えるの?
UVAは肌の奥に届き、シミやしわに関わっていると言われています。
UVBと違い透過性が強いので、曇りの日でも、ガラスを通しても肌に影響を与えます。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い
日焼け止めを大きく分けると
- 紫外線吸収剤:紫外線を熱エネルギーなどに変えて放出し、皮膚への吸収を防ぐ
- 紫外線散乱剤:紫外線を散乱・反射し皮膚への吸収を防ぐ
の2種類があります。SPF30〜50+のような日焼け止めの効果が強いものには両方が使われていることが多いです。
それぞれにメリット・デメリットがあるのでそれをこれから見ていきたいと思います。
紫外線吸収剤の代表的成分
- メトキシケイヒ酸オクチル
- ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
- オクチルトリアゾン
- パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
紫外線散乱剤の代表的成分
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
紫外線吸収剤のメリット・デメリット
紫外線吸収剤のメリット
無色透明なので、“白浮き”することがありません。また塗り心地がなめらかなので、使い心地が良いのが特徴です。
紫外線吸収剤のデメリット
有機化合物であるため肌への刺激が懸念されます。肌が弱い人は赤みや痒みが出るかもしれません。
紫外線散乱剤のメリット・デメリット
紫外線散乱剤のメリット
有機化合物ではないので肌への負担が少ないと言われています。
紫外線散乱剤のデメリット
“白浮き”したり、つけ心地が悪いのが紫外線散乱剤のデメリットになります。
粒子をナノ化することで“白浮き”を改善した商品も出ていますが、粒子のサイズが小さくなり肌に吸収されてしまうのでは?という疑問の声もあり、まだ人体への影響は不明なところがあります。
紫外線散乱剤の酸化亜鉛と酸化チタンの違いとは?
代表的な紫外線散乱剤の『酸化亜鉛』と『酸化チタン』はどう違うのでしょうか?
酸化亜鉛の特徴
特徴としては、
- 紫外線への対応波長が広い
- 白色の粉末だけど、高純度のものは透明性が上がる
- 収れん作用がある
収れん作用って何?
一言で言えば『引き締める』効果のことです。収れん作用があるので
毛穴を引き締め、発汗を抑制する→『あせも対策』になるため、ベビーパウダーなんかにも入っております。
酸化亜鉛の大きなデメリット
金属アレルギーをもつ体質の人には合わない場合があります。
また収れん作用により強制的に肌を引き締めますので、お肌のトラブルの元になるかもしれません。
酸化チタンの特徴
人体への影響が小さいと考えられているため、食品や医療、化粧品の着色料、食品添加物にも利用されています。
特徴としては、
- 酸化亜鉛に比べ、紫外線への対応波長が短い
- 安定性が高い
- “白浮き”しやすい
安定性が高いため、金属アレルギーがある人にとっては酸化亜鉛より酸化チタンの方がいいと考えられています。
結局、酸化亜鉛と酸化チタンどちらがいいの?
- 日焼け止めという意味では、酸化チタンより酸化亜鉛の方が優秀。
- 低刺激という意味では、酸化亜鉛より酸化チタンの方が優秀。
ということになります。
酸化亜鉛の日焼け止めで肌に問題がなければ、酸化亜鉛の方がオススメかな!
オーガニックの日焼け止めの罠
紫外線吸収剤やら紫外線散乱剤は
「お肌に悪い!」
ということで、ハーブや草花の成分のみで紫外線を防ごうという化粧品がありますが、
- SPFが3~6程度と弱い
- ハーブや草花の天然成分がヒトの肌に低刺激かどうかは不明
という問題点があります。
「天然のものは肌にいい!」
というイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。むしろ天然成分は『外敵から身を守るため』のものなので、刺激が少なくないことが多いんですね。
なるほどー。天然ものは体にいいってわけじゃないんだね。
私は使ってないね。もしかしたら肌に優しいかもしれないけど、日焼け止めの効果が薄いのであれば、紫外線の方が肌へのダメージが強そう。もちろん、ほとんど外出しないって人はオーガニック化粧品でいいかもだけどね。まぁなんにせよ、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶのが一番だね!
日焼け止めの使い方
1cm2あたり2mgで塗らないと表記通りの効果はない
日焼け止めの表記通りのSPFとPAの効果を出すためには、
『1cm2あたり2mg』
で塗らないといけません。
1cm2は1cm×1cmです。2mgは0.002gのことで、逆に言えば2000mgが2gとなります。
例えば、片手の手の甲の面積を10cm×10cmの10cm2だとすると、手の甲だけで20mgも塗らなければなりません。
つまり、「結構塗らないとダメ」ってことです。
日焼け止めをこまめに塗り直す
「朝に日焼け止めを塗ったからOK」
ということではありません。汗などで徐々に日焼け止めの効果は薄れていくので、こまめに塗りなおしましょう。
プールや海など、日焼け止めが落ちやすい環境ならば耐水性のものを選ぶ
プールや海など、
- 強い日差しにさらされる
- 水により日焼け止めが落ちる
環境であれば、耐水性の日焼け止めを使用しましょう。
日焼け止めのあれこれ
日焼け止めは使った方がいい?
- どの年齢層でも使った方がいい
- アメリカでは5人に1人が皮膚ガンになると言われているので、日焼け止め使うことを推奨
使った方がいい日焼け止めの条件は?
- 広域スペクトル保護(UVAとUVBに対応)
- SPFは30は欲しい
- 耐水性あり
どんな日に日焼け止めを使った方がいいの?
- 外出時
- 曇りの日でも紫外線は届く
- 雪・砂・水は太陽光を反射するので、そのような環境下では日焼け止めはより重要になる
どのくらい日焼け止めは塗った方がいい?
- ほとんどの人は推奨量の20~50%ほどしか塗ってない
- 2時間ごとに塗ろう
- 泳いだ後は塗り直そう
どのタイプの日焼け止めを使った方がいいとかある?
- 個人的に使いやすいものでOK
- クリームは乾燥した肌と顔に最適
- ゲルは、頭皮や男性の胸のような毛むくじゃらの部分に適している
- スティックは目の周りに使うのに適している
- スプレーは、簡単に子供たちに使えるので親から好まれている
赤ちゃんにも日焼け止めは塗っていい?
- 理想的には、生後6ヶ月未満の乳児には太陽光線を浴びさせない方がいい
- 可能であれば、生後6ヶ月未満の乳児に日焼け止めは塗らない方がいい
- 太陽光から赤ちゃんを守る最適な方法は、服、帽子、サングラスなどで守り、できるだけ日陰で過ごすこと
- 生後6ヶ月以上の幼児には、製品ラベルの指示に従って日焼け止めを使用
去年購入した日焼け止めを使っても大丈夫?
- FDAは、すべての日焼け止めが少なくとも3年間元の強度を保持することを要求しています。(アメリカの場合)
- 日焼け止めは有効期限があるものもあるので、期限が切れたものは捨てるべき
- 見た目が変わってるものは捨てて、新しい日焼け止めを買おう
日焼け止めを塗るとビタミンDが減少する?
- 日焼け止めを使用すると、皮膚が生成するビタミンDが減少する可能性がある
- ビタミンD不足を懸念するならば、食事やサプリメントで補おう
スプレータイプの日焼け止めって効果あるの?
- FDAは、スプレータイプの日焼け止め剤の安全性と有効性を引き続き評価している
- まずはプレータイプの日焼け止めを使うときは、吸い込むこと、火の元で使わないこと、風向きに注意すること
おわりに
この記事では日焼け止めについてまとめてきました。長くなりましたので、簡単にまとめます。
- 日焼け止めは使うべき
- UVA、UVBの両方をブロックしてくれるものを使うこと(SPFもPAも大切)
- SPFは30は欲しい
- 日焼け止めは2時間おきに塗り返すこと
- 自分の肌に合うものを使うこと
あんまり日焼け止め使ってなかったけど、これからは使うわー。
それがいいと思うよ!ただし、日光を浴びることも大事だから『太陽光を全て避ける』ような生活は避けてね。
*参考にしたサイト
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