このサイトでも何度か触れてきた『ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)』。
胃がんの原因ということで、すごく敵視されていて、ピロリ菌の除去などが行われています。
だから今の若者はほとんどピロリ菌がいなくなってるみたいです。
でもそんな悪者にされてきたピロリ菌ですが、悪いだけじゃなかった!みたいなことが分かってきています。
前の記事に引き続き、今回の記事も『マイクロバイオームの世界』という本を参考にしています。
ピロリ菌と共に生きてきた
ヒトとピロリ菌の歴史は長く、どうやら10万年前から一緒に生きていたのです。
ニューヨーク大学医学部のマーティン・ブレイザーさんは、ピロリ菌がヒトを下痢から守りつつ、日常的な身体機能を効率よく保持するのに欠かせない働きをしていた可能性を示唆しています。
ピロリ菌が体にするいいこと
ピロリ菌は確かに胃壁に炎症を起こし、胃ホルモンの量や分布を変えるので、消化性潰瘍や胃がんを発症させる確率を高めます。
だけど、ピロリ菌が完全なる悪と言われると、そうではないんですね。
というのも、ピロリ菌は
- 胃食道逆流症
の発生リスクを低減させると言われています。
胃食道逆流症は喘息や食道腺がんに関係があります。
つまり、ピロリ菌がいなくなるということは、今あげた病気のリスクを高めることになります。
レプチンとグレリンに関係
また、ピロリ菌はレプチンとグレリンと呼ばれる代謝に欠かせないホルモンの産生にも関与しています。
レプチンとグレリンは空腹感や満腹感を調整するホルモンなので、レプチンとグレリンが欠乏すると肥満や2型糖尿病になりやすくなります。
先進国では肥満が問題になっていますが、もしかしたら、ピロリ菌がいなくなっていることが1つの要因かもしれません。
近視眼的に見ると『ピロリ菌は胃がんの原因だ!』となってしまいますが、人体の機能は複雑に絡み合っているのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事では『ピロリ菌って』について書いてきました。
まだまだピロリ菌については明らかになってないことが多いと思います。
もちろんピロリ菌は胃がんに関与しています。
しかし、悪さだけをしているか?と言われたらそうじゃないんですよね。
これは私の昔からの疑問なんですが、もしピロリ菌が胃がんに直接的に関係あるのであれば、なんで子供は胃がんにならないの?ってことです。
大人も子供もピロリ菌を飼っているのであれば、どちらも同じ確率でなってもいいはずです。(それにピロリ菌を飼っている人の全員が胃がんになってもいいはず)
なんなら胃の粘膜が弱そうな子供時代に胃潰瘍やら胃がんになってもいいはずなんですよね。
なぜ大人がなるのか?
そう考えると、ピロリ菌だけが胃がんに関係あるとは思えません。(一部関与はしてるだろうけど)
昔の科学者がピロリ菌が胃潰瘍の原因だってことで、ピロリ菌を飲んで、それを証明していましたが、もう一度それを考えるべきなのかもしれませんね〜。
科学がピロリ菌の詳細な事実を突き止めることを楽しみにしています(`・ω・´)”
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