インスリンってどんな働きがあるの?
そんな疑問に答えます。
要点を書いておくと↓
- 血糖値を下げる
- 体脂肪を合成する働きがある
- インスリンが大量に分泌されているときに、油ものの食事をとると脂肪になりやすい
以下ではさらに詳しく『インスリン』について書いていきます。
*記事の内容を簡単に動画でまとめています↓↓↓
1 インスリンの働きとは?
それでは以下にインスリンの働きについて書いていきます。
1.1 インスリンはランゲルハンス島から分泌される
膵臓のβ細胞にある『ランゲルハンス島』から、インスリンは分泌されます。ランゲルハンス島のα細胞からは、インスリンとは逆の働きをする『グルカゴン』というホルモンが分泌されます。
1.2 インスリンは血糖値を下げる
インスリンの働きは何と言っても『血糖値を下げること』です。血液中の糖分を、体の細胞に届ける役割を担っています。
体の細胞とは、
- 筋肉
- 脂肪
- 肝臓
などです。そこにインスリンによって糖分が送られます。
1.3 血糖値を下げるホルモンはインスリンのみ
血糖値を下げる働きがあるのは『インスリン』のみです。
逆に、血糖値を上げるホルモンは、
- アドレナリン
- グルカゴン
- 甲状腺ホルモン
などなどがあります。
1.4 食事をするとインスリンが分泌される
食事をして血液中にブドウ糖が流れ込んでくると、血糖値が上がります。上がった血糖値を下げて、一定に保つためにインスリンは分泌されます。
インスリンが分泌されると、さまざまな酵素が働き、細胞膜の表面にGLUT4(glucose transporter type 4))と呼ばれるブドウ糖の運び屋が出てきて、ブドウ糖の取り込みを促進します。
1.5 アミノ酸を筋肉に送り込む作用もある
糖分の他に、アミノ酸を筋肉に送り込む作用もあります。
1.6 体脂肪を合成する作用もある
インスリンは脂肪合成にも関与します。
- 脂肪を合成するLPL(リポタンパクリパーゼ)という酵素の働きを助ける
- 逆に、脂肪を分解するHSL(ホルモン感受性リパーゼ)という酵素の働きを邪魔する
つまり、インスリンが多く分泌されると、
- 脂肪は増えて
- 脂肪は分解されない
ということになります😱
ダイエットを考える人からすると残念な話ですが、人類は生き残るために『体に脂肪を溜め込めるような進化』を遂げてきたのですね。
1.7 血糖値が高いことの問題点
血糖値が高いと体に悪影響があります。体のいたるところで糖化反応(メイラード反応)が起こってしまうのです😱
血液検査で『HbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)』という項目を、見たことがある人も多いと思います。これはヘモグロビンと糖が結合したものです。
糖が細胞組織と結合していくと、
- コラーゲンは弾力性が失われて、シワに(老化)
- 血管のコラーゲンの弾力性が失われると、動脈硬化
などが起こります。だから血糖値が高い状態は避けなければなりません。ですからインスリンはものすごく重要なのです。
2 ダイエットとインスリン
ダイエットとインスリンの関係性について、見ていきましょう。
2.1 糖質と脂肪を同時に摂取しないこと
インスリンは体脂肪合成にも関与していると、1.6で説明しました。ですから、糖質をたくさん摂取してインスリンがバンバン出ているときに、脂っこいものまで食べてしまうと、どんどん脂肪細胞が合成されてしまいます😱
ダイエットの基本ですが、
- 糖質たっぷり
- 脂質たっぷり
の組み合わせは最悪です。・・・が、ヒトはそういう組み合わせのものほど「おいしい!」と感じてしまいます😅糖質と脂質の組み合わせはお気をつけください。
>太りやすい食べ物の一覧【ダイエットしたいなら知っておこう!】
3 筋肥大とインスリン
続いて、筋トレとインスリンの関係について見ていきましょう。
3.1 トレーニングをするとGLUT4が細胞膜表面に出てくる
インスリンが分泌されると、GLUT4が細胞膜の表面に出てきて、ブドウ糖の取り込みが促進されることを1.4に書きました。
インスリンがあまり分泌していなくても、GLUT4を細胞膜表面に出させる方法があります。それがトレーニングです。トレーニングをするとATPが大量に使われます。そうするとAMPK(AMP-activated protein kinase)という酵素が活性化されます。
AMPKは細胞内のエネルギー状態を監視して、その状態に応じて糖・脂質代謝を調節します。ATPが少なくなっているとAMPKが活性化され、GLUT4が細胞膜上に出てきて、ブドウ糖を細胞内に取り込もうとします。これは運動開始後から始まり、運動終了後3時間ほど続きます。
つまり筋肥大を目的とするならば、GLUT4が出ているときに十分な量の栄養素を摂取すればいいわけです。このタイミングですと、体脂肪ではなく筋肉に栄養が運ばれるため、体脂肪には増えづらいです。
3.2 インスリン・ヒエラルキー
インスリンは、
- まず筋肉
- 次に肝臓
- 最後に脂肪
に働きます。
これをインスリン・ヒエラルキーと言います。そのため、筋肉が多いほど、インスリンによって体脂肪が増える可能性は小さくなります。
おわりに
インスリンについて書いてきました。
簡単にまとめます↓
- インスリンは血糖値を下げる働きがある
- 血糖値が高いままだと、体の中で糖化反応が起こる
- 糖化反応が起こると、老化・動脈硬化などの悪影響がある
それでは!
*参考
*インスリン関連記事
コメント