腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸とは?ダイエットに効果あり

腸内フローラを改善する
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短鎖脂肪酸をご存知でしょうか?

このサイトでもたまに取り上げることなんですが、短鎖脂肪酸とは腸内細菌が作りだす物質です。この短鎖脂肪酸が体にプラスの影響を与えてくれるのですね。

 

今回からしばらく、『腸内フローラ10の真実』から気になったことを書いていきたいと思います。

加えてこちらの本も参考にしています↓

*記事の内容を簡単に動画でまとめています↓↓↓

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1 短鎖脂肪酸とは

この本を読むまで知らなかったのですが、短鎖脂肪酸の体の中での役割を解明したのは日本人研究者で、東京農工大学特任准教授の木村郁夫さんです!

1.1 短鎖脂肪酸は肥満をコントロールする

肥満は、脂肪細胞と呼ばれる細胞が内部に脂肪の粒を蓄え肥大化することでおきます。脂肪細胞はほうっておくと、血液中の栄養分をどんどん取り込んで肥大化します。食糧難に陥った時にエネルギー不足にならないようにするための体の大事な機能なのですが、いかんせん今はいつでもどこでも食料にありつける平和な時代。だからこそ肥満で悩んでいる方は多いのですね。

 

そんな脂肪細胞がどんどん肥大化するのにブレーキをかけるのが、『短鎖脂肪酸』の役割の1つです。脂肪細胞には短鎖脂肪酸を感知する受容体がついていて、受容体に短鎖脂肪酸がくっつくと、細胞は栄養分の取り込みをやめます。つまり短鎖脂肪酸は脂肪細胞が過剰に脂肪を蓄えるのを防いでくれるわけです。

 

腸内細菌がつくりだす短鎖脂肪酸には、肥満を防ぐ効果があります。おもしろいですね!(腸内細菌がつくり出した短鎖脂肪酸は、他の栄養分とともに腸から吸収され、血液中に入って全身を巡ります。)

太りやすい食べ物の一覧【ダイエットしたいなら知っておこう!】

1.2 短鎖脂肪酸は代謝を活性化させる

短鎖脂肪酸の役割はそれだけではありません。

交感神経にも短鎖脂肪酸に反応する受容体があり、受容体に短鎖脂肪酸がくっつくと、全身の代謝が活性化します。(交感神経が活性化するということは、心拍数の増加や体温の上昇が起こるということだからです。)

 

短鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を抑え、なおかつエネルギーを消費するという素晴らしい役割があるということです!ダイエットをするためには短鎖脂肪酸をつくることなのです。

1.3 短鎖脂肪酸を作るには?→野菜を食べよう

そんな重要な短鎖脂肪酸を作るには、腸内に細菌がいないとダメです。しかし肥満した人の腸内にはバクテロイデスなどの菌数が減り、短鎖脂肪酸を作る能力が下がっています。だから太っている人は、短鎖脂肪酸が少なく脂肪細胞に脂肪を蓄えるブレーキが働かず、交感神経も活性化せずにエネルギー消費の方向に向かわないということなのです。

 

じゃあどうやったら短鎖脂肪酸を増やすことができるのか?というと、腸内細菌を増やすために、腸内細菌のエサをたくさん与えてあげればいいわけです。では腸内細菌のエサがなにかというと、『食物繊維』です。つまり、「野菜をたくさん食べよう!」というなんともつまらない答えにいきつきます😅

痩せたいなら〇〇を食べろ!的な話の結論は食物繊維へ

1.4 外部から短鎖脂肪酸を取り入れるのはおすすめできない

実を言うとこの短鎖脂肪酸は、外部から取り入れることができます。

短鎖脂肪酸には、

  • 酢酸
  • 酪酸
  • プロピオン酸

という3つの物質の総称です。(それぞれの短鎖脂肪酸は、同じような作用もする場合もあれば、それぞれに固有の働きもあります)

 

で、この中の『酢酸』、いわゆる『お酢』のことですが、これも天然の痩せ薬として有名なやつですね。ということは腸内細菌に短鎖脂肪酸を作ってもらわなくても、お酢を飲めばオッケーかと言うと、そんなうまい話にはなりません。

 

なぜかというと酢酸はすぐに分解されるので、効果は一時的だからです。腸内細菌がいれば半永久的に作ってくれるので、そちらの方が効果的なのですね。と言うことで、やっぱり腸内細菌を整えるために、「野菜を食べましょう!」という話になります。

腸内細菌を増やしたいならこの食物繊維を食べよう!

 

ちなみにプロピオン酸は食品添加物につかわれていたりします。食品添加物と聞くと「体に悪そう」みたいなイメージがあるかもしれません。しかし、プロピオン酸にダイエット効果があることが分かっています。

過体重の60人の成人が24週間にわたってプロピオン酸を飲み続けました。それを評価したところ、食欲が減り、お腹周りの脂肪が減っていました。(ランダム化比較試験)

1.5 酢酸の飲み過ぎは危険

ちなみに短鎖脂肪酸の摂取のためにといって酢酸を定期的に飲むのはオススメできません。なぜなら、酢酸は『酸』なので、酸性だからです。つまり歯の表面を柔らかくしてしまう作用があるのですね。

 

健康のために飲む程度あれば、唾液が中和してくれるので問題はありません。しかし飲み過ぎは『酸蝕歯』と言って、歯がボロボロになってしまいます。ですから、酢酸が健康にいい!と言っても、飲み過ぎは要注意です。

1.6 短鎖脂肪酸は糖尿病改善効果もある

短鎖脂肪酸には、腸の細胞を刺激して『インクレチン』と呼ばれるホルモンの分泌を促す作用もあります。インクレチンはすい臓に働きかけて、インスリンの分泌を促します。

 

インクレクチンは糖尿病の治療薬としても使われている物質です。短鎖脂肪酸は腸を刺激することにより、天然で糖尿病に効果のある薬をつくりだします。面白い話ですよね。

1.7 短鎖脂肪酸は免疫にも関係する

短鎖脂肪酸は抗炎症作用もあります。

1.8 短鎖脂肪酸と関わりのあるGPR43

短鎖脂肪酸と関係がある受容体に、タンパク質共役受容体(GPR43)というものがあります。これは免疫細胞の表面にある受容体です。

 

GPR43はどんな作用のある受容体なのでしょうか?それを調べるために、GPR43をつくる遺伝子の機能を失わせたノックアウトマウスを使った実験を行いました。その結果、GPR43受容体を持たないマウスは、ひどい炎症を起こすことがわかりました。大腸炎や関節炎、喘息を発症しやすかったのです。

 

では逆にGPR43受容体はあるけれども、短鎖脂肪酸を与えない場合はどうなるでしょうか。腸内細菌を持たない無菌マウスは、やはり炎症系の病気にかかりやすいことがわかっています。

 

この実験の結果は、GPR43が微生物とヒトの免疫系のコミュニケーション経路であることを意味しています。腸内細菌は短鎖脂肪酸をつくり、ヒトの免疫細胞に関与しているのです。

 

また、GPR43は脂肪細胞にもあります。短鎖脂肪酸がGPR43にくっつくと、脂肪細胞は肥大するのをやめて分裂します。脂肪細胞にとっては細胞分裂をするのが健全なエネルギー蓄積法なのです。それだけでなく、短鎖脂肪酸はGPR43にくっつくと、脂肪細胞からレプチンが放出されます。レプチンは満腹中枢を刺激するため、食欲を抑制させます。つまり、食物繊維を摂取することで、満腹感が得られやすくなるということです。

おわりに:腸内フローラを整えるためにも野菜を食べよう

腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸には驚くべき効果がある、ということを書いてきました。人間と腸内細菌はうまい具合に共生しているんですね。

 

ということで、しっかりと腸内の細菌を育てるためにも、腸内細菌の餌である食物繊維、つまり野菜を食べてください。参考までに。それでは!

 

さらに詳しく腸内フローラについて知りたい方は、こちらの本をお読みください↓

*腸内環境の大切さを勉強するためのオススメ本

今までに多くの『腸内環境の大切を伝える本』を読んできました。その中でもイチオシなのがアランナ・コリン先生の『あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた』になります。

分厚くて少々読みにくいかもしれませんが、腸内環境の大切さを深く知っておく上で外せない一冊になります。

「もうちょっと読みやすい本を頼むぜ!」という方のためオススメできる本は、『腸科学』になります。こちらは読みやすいと思います。

どちらのほんも「腸内細菌スゲー」と思うこと間違いなしです!

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