腸内細菌が作る『エクオール』には美肌効果とガン予防効果が期待されている

腸内細菌が作り出す エクオールのメリットとは? 腸内フローラを改善する
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腸内細菌には『美肌効果』にも影響があるみたいです。女性にとっては喉から手が出るほど体の中で育てたい細菌かもしれませんね。ということで今回は美肌効果のある『エクオール』について書いていきます。

 

今回の記事も前回の『腸内細菌が作る短鎖脂肪酸って?天然の痩せ薬って本当!?』に引き続き、『腸内フローラ10の真実』から気になったことを書いていきたいと思います。

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1 お肌の健康を保つエクオール

お肌のハリ、目尻のシワ、などなど女性を悩ます肌の問題。

そんな問題に悩んでいる女性に朗報です!腸内細菌がお肌の健康を保つ『エクオール』という物質を作り出すことが、科学的に確かめられました。

1.1 エクオールの錠剤を3ヶ月飲むとシワが浅くなる

藤田保健衛生大学教授の松永佳世子さんは、腸内細菌が作り出す『エクオール』が女性の肌にどのような影響を与えるのかを調べました。

 

50代から60代の女性約90人を、

  • エクオールが入った錠剤を飲むグループ
  • 飲まないグループ

に分け、3ヶ月間目尻のシワを追跡しました。

 

すると、なんとエクオールを飲んだグループは目尻のシワが浅くなっていたのです!!

 

「本当かな?」、そう思うのは当然ですよね。しかしこの実験は『無作為化二重盲検法』という方法がとられており、科学的にはとても信用度が高い実験手法です。(実験者は自分がエクオールの錠剤を飲んでいるのか、プラセボ(偽薬)を飲んでいるのかは知らされません。さらに、実験をする側で錠剤を渡す人たちも、どちらの錠剤にエクオールが入っているか知りません。つまり錠剤を渡す側も飲む側も、どちらも「どれが本物でどれがプラセボか分からない!」という状態にして実験を行なっているため、思い込みが排除されています。こうすることで実験の不正を防いでいるのですね。)

怪しげなサプリメント情報に騙されないために知っておきたいエビデンスの話

1.2 エクオールを作れる人・作れない人

実を言うと・・・エクオールを作ることができる腸内細菌を誰もが持っていると言うわけではありません😱

 

エクオールを作れる腸内細菌を持っている人は、日本人ではおよそ二人に一人です。(先ほどの実験は、エクオールを作る腸内細菌を持っていない人だけが集められました)

 

だからエクオールを作れる腸内細菌を持っている人は、エクオール入りの錠剤を飲まなくてもいいのです。これは羨ましい限りですね😅

 

ちなみにエクオールを作れるかどうかは、尿検査をすれば分かります。採尿してそれを郵送すればOKです。

1.3 エクオールだけでなく大豆にも注目

エクオールがなぜお肌に良いかというと、女性ホルモンと似た構造を持っているからです。「女性ホルモンに似てる?」どこかで聞いたことありませんか?

 

そう大豆のイソフラボンです!エクオールは大豆イソフラボンの仲間なんですね。大豆そのものにエクオールは含まれていませんが、大豆に含まれるイソフラボンを腸内細菌が変化させることでエクオールが生まれます。効果的には、エクオールの方がイソフラボンより高い効果を持ちます。

1.4 エクオール入りサプリメント

さて、そろそろ気になったことがあるはずです。「どこでエクオール入りのサプリメントを購入すればいいの?」と。

 

日本で初めてエクオールを作る菌を探し出したのが『大塚製薬』です。そこで見つけた菌が乳酸菌の一種『ラクトコッカス20-90』という菌です。

 

この菌を使って大豆を発酵させることで、エクオール入りのサプリメントの開発に成功しました。いや〜大塚製薬さすがです。

 

今では様々なエクオール入りのサプリが売られてますが、元は大塚製薬さんってことを覚えておいてあげましょう👍

2 がんへの効果も期待されるエクオール

さてさて、お肌に良いとされるエクオールですが、その効果は肌だけではないことがわかってきています。なんと、エクオールはがん予防にも期待されています。

2.1 前立腺がんの予防

前立腺がんの研究をしているのが、東京大学特任教授の赤座英之さんです。

 

2011年のデータによると、日本では年間1万人も超える方が前立腺癌で亡くなっています。それでもまだまだ世界で比べると少ない方で、アメリカでは前立腺がんの発症率は日本の10倍で、ヨーロッパの国々も数倍の発症率となっています。

 

どうしてこんなにも差が生まれるのでしょうか?その原因の1つに『大豆の摂取量』があるのではないかと言われています。というのも、大豆のイソフラボンは、前立腺癌を引き起こす男性ホルモンの作用を阻害することで、予防に効果があると考えられているからです。(ある研究では、大豆の摂取で前立腺がんのリスクが26%減少すると報告されている)

 

そこで、大豆の摂取量が日本人とほとんど同じであるハワイの日系人を調査しました。しかし、日本人より前立腺がんの発症率が多いことが分かりました。(欧米人よりは少ない)

 

遺伝的に似ている日系人で、大豆の摂取量も変わらない・・・じゃあ大豆関係ないのでしょうか?赤座さんはハワイの日系人ではエクオールを作る腸内細菌を持つ人が減ったの原因ではないかと考えています。先ほどエクオールはイソフラボンより効果があると書いた通り、前立腺がんに対してもイソフラボンより効果があると期待されています。

 

それを証明するかのように日本と韓国で行われた疫学調査によると、前立腺がん患者はエクオールを作る腸内細菌を持つ人の割合が有意に低いことが示されています。つまり、エクオールを作れない人は前立腺がんになりやすい傾向にあるということです。

 

エクオールを作る腸内細菌を持つ人の割合は、日本や韓国など大豆を多く食べる国ではおよそ2人に1人います。しかし、前立腺がんが多い欧米ではほとんどいません。ハワイの日系人も、エクオールを作れる人が減ったことで、大豆を食べても予防効果が十分に出ていない可能性があると言うわけです。

2.2 エクオールは乳がん予防も期待されている

また、エクオールは前立腺がんだけでなく、乳がんの予防にも期待されています。いままでは、大豆のイソフラボンが乳がんに効果があるとか、逆に乳がんを増やすとか、矛盾を示す研究データがいくつもありました。

 

しかし最新の研究では、アジア女性に限って言えば、大豆のイソフラボンが乳がん予防に効果があるようです。このような違いが出る理由も、エクオールを作る菌が入るかどうかが関係していると考えられています。

2.3 日本人でもエクオールを持つ腸内細菌が減っている

若い世代ではエクオールを作る腸内細菌を持つ人の割合が減っているそうです。つまり、前立腺癌や乳がん患者が増えることが予想されます😱

 

食生活の乱れで、腸内細菌が飢餓に陥っているのです。赤座さんはエクオールを作る菌を増やすことで、前立腺がんを予防しようとしています。ヤクルト中央研究所と共同で、エクオールを生産する腸内細菌を発見し、『NATTS(ナッツ)』と命名しましました。エクオールを生産する菌は、先ほどの大塚製薬の『ラクトコッカス20-90』など、すでに何種類か発見されています。

 

今のところ、NATTS菌が最もエクオールを生産する効果が高いことが分かっています。しかしナッツの安全性の確認が必要なため、市場に出回るのはまだ先になりそうとのことです。

おわりに

この記事では『エクオールを生産する腸内細菌』について書いてきました。エクオールを作り出す腸内細菌を持っている人はラッキーですね。しかもそれは女性だけでなく、男性にも言えることです。だって前立腺癌の予防に一役買ってくれているのですから。

 

私は男なのですが、まぁまぁ肌は綺麗な方です。だからエクオールを作る菌がいてくれるかもなんですね。それに、MYCODEで遺伝子検査をした結果、前立腺癌になる確率は低いことがわかっています😁

 

だからそれほど前立腺癌に怯えていないのですが、まぁ試しにエクオール検査キットを購入してみようと思います。また購入後、結果がわかり次第記事にしますね〜!

*参考

 

*腸内環境の大切さを勉強するためのオススメ本

今までに多くの『腸内環境の大切を伝える本』を読んできました。その中でもイチオシなのがアランナ・コリン先生の『あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた』になります。

分厚くて少々読みにくいかもしれませんが、腸内環境の大切さを深く知っておく上で外せない一冊になります。

「もうちょっと読みやすい本を頼むぜ!」という方のためオススメできる本は、『腸科学』になります。こちらは読みやすいと思います。

どちらのほんも「腸内細菌スゲー」と思うこと間違いなしです!

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