最近は糖質制限ダイエットなど、炭水化物を減らそうとするのが流行りですね。
でも、腸内細菌にとって炭水化物の一部はとっても必要なんです。
だから、何でもかんでも炭水化物を抜けばいいというわけではありません。
ということで今回の記事では『腸内細菌と炭水化物の関係性』について書いていきます。
炭水化物の種類
人類は狩猟採集民族の期間が何万年も続いたので、米や小麦などの炭水化物を主食としている期間は、人類史でいうとごく最近のことです。
なおかつ科学技術の発達で、こんなにもたくさんの炭水化物を摂取できるようになったのは、ごくごく最近のことなのです。
だから、人間は大量の炭水化物をうまく処理できなくて、それが原因で太ったり、病気の元だというのが近年の食生活の考えです。
まぁ普通に考えて、甘いお菓子とか多くの人は食べ過ぎですよね・・・笑。
私としては、主食という炭水化物を減らす前に、お菓子やジュースやアイスを減らした方がいいよ!という考えです。
まぁそんな話は置いといて、炭水化物を毛嫌いする前に、炭水化物とは何かを知っていきましょう!
炭水化物は動物の主要なエネルギーになるもので、炭水化物から作られるブドウ糖は脳の大切なエネルギー源なんですね。
そもそも炭水化物に種類があるってご存知でしょうか?
腸内細菌との関係性を考えて大まかに分けると、炭水化物は3つに分けることができます。
ヒトが吸収できる炭水化物
まずはヒトが吸収できる炭水化物についてです。
これから紹介する炭水化物はヒトが小腸で吸収してしまうので、大腸にたくさん生息する100兆個以上の細菌には栄養が届きません。
ヒトが消化できる炭水化物は、単純な炭水化物で『単糖類』と呼ばれています。
- ブドウ糖(グルコース)
- 果糖(フルクトース)
のことです。
単糖類は消化管から直接血液へと吸収されていきます。(グリセミック指数が高くなるということ。)
ヒトが吸収できる炭水化物は単糖類の他に『二糖類』と呼ばれるものがあります。
これは2つの単糖分子からなるものです。
- 乳糖(ラクトース)
- ショ糖(スクロース):砂糖の主成分
などが代表例ですね。
食品成分中では、単糖類も二糖類も『糖類』としてまとめて記載されています。
単糖類と二糖類の他にも『多糖類』と呼ばれるものがあります。
これの代表例が
- デンプン
で、米やパスタ、パン、ジャガイモと人類の主食になっているものです。
多糖類は単糖が多数結合したものなので、ヒトでも消化吸収できます。
でんぷんを分解すると、単糖のブドウ糖となり体に吸収されるので、つまりは『糖』をとったことになるんですね(´・ω・)
簡単に言ってしまえば、ご飯を食べるのも砂糖を食べるのも一緒ってことになります・゜・(ノД`)
私たちが一般的に体にあまり良くないと思っている炭水化物は『デンプン』などのヒトが消化吸収できる炭水化物のことです。
これらは血糖値を急上昇させる性質があるので、高血糖の原因なんですね。
もちろん食べ過ぎなければいいのですが・・・。
腸内細菌が吸収できる炭水化物
これから紹介する炭水化物は、ヒトが消化できなくて、腸内細菌が消化できる炭水化物になります。
簡単に言えば、腸内細菌の栄養源となる食べ物のことですね。
最も有名なものが『オリゴ糖』になります。
オリゴ糖は小腸ではほとんど消化もされないので、そのまま大腸に送られます。
そこで大腸に生息する細菌たちによって発酵されていくのです。
腸内細菌たちは、栄養源である炭水化物をたくさん食べることで、たくさんの短鎖脂肪酸を作ります。
単鎖脂肪酸とは脂肪酸の一部で、炭素数6以下のものになります。
具体的には、
- 酢酸
- プロピオン酸
- 酪酸
などになります。
大腸内で腸内細菌によって作られた単鎖脂肪酸は大腸から体内に吸収されます。
酪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源として、酢酸とプロピオン酸は肝臓や筋肉の代謝で利用されます。
この他にも単鎖脂肪酸は人体で様々な役割を果たすと言われており、注目が集まっています。
吸収できない炭水化物
最後に紹介する炭水化物が、ヒトにも腸内細菌にも消化吸収することができな炭水化物です。
こうした炭水化物は『難分解性多糖類』と呼ばれ、代表例としては植物の細胞壁に含まれるセルロースになります。
セルロースなんかは、草食動物であるウシさんなどは消化できますが、ヒトには無理なんですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では腸内細菌と炭水化物の関係について書いてきました。
人間には消化できないけど、腸内細菌には消化できる炭水化物があり、それを積極的に摂取することは、健康にとってとても大切なことです。
ですから、全ての炭水化物は悪者とは思わずに、炭水化物のうち単糖類や二糖類は食べ過ぎないよう気をつけてください(`・ω・´)”
毎回書いてることですが、病気は治療ではなく予防が肝心です。
治療に使うお金は莫大ですが、予防に使うお金はちょっとでいいので、こう言うことを一人一人が心がけるだけで、日本の財政が良くなるはずなんです。
そして、ライフシフトの本で有名なロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授曰く、これからの人生は100年計画にしなさいとのことです。
人生の最後を病院で寝たきりは嫌ですよね?
そのためにも、日々の生活を心がけ、健康的な生活にし、健康寿命を延ばすことが何よりも大切なのではないでしょうか。
そのためにも、腸内環境を整えることは重要なのではないかなと私は思っています(`・ω・´)”
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
参考にした本『腸科学』
『GO WILD』
『脳はバカ、腸はかしこい』
『あなたの体は9割が細菌』
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