腸内フローラってそんなに重要なの?
その疑問に答えます。
このページでは、腸と腸内フローラの大切さについて説明していきます。藤田紘一郎さんの『脳はバカ、腸はかしこい』という本を参考にしております。
*記事の内容を簡単に動画でまとめています↓↓↓
体の中で脳より腸が大切な理由
藤田浩一郎さんは、著書の中で「腸が脳より賢い」と言っています。「そんなバカな?」と、私は本を読むまでそう思っていました。しかし本を読み進めていくと「一理あるなー」と考え方が変わりました。
生物に最初に備わった臓器
生物に最初に備わった臓器って何だと思いますか?
実を言うと、脳でもなく心臓でもなく腸だったのです。進化の過程を見るととても興味深く、ヒドラやイソギンチャクやクラゲなどの腔腸動物には脳がありません。
脳がないのにどうやって生きてるの?と言う話ですが、ヒドラやイソギンチャクでは脳の役割を『腸』が行なっているのです!
でもよくよく考えてみると生物にとって一番大切なことは、『生きる』こと。生きるには『栄養』が必要で、それを吸収する必要があります。そう考えると脳より先に腸ができても不思議ではありませんね。
(余談ですが、動物は腔腸動物を下にして2種類の系統に分かれて進化していきました。1つが昆虫を頂点とした腹側神経動物です。もう一つが私たち哺乳類を頂点とした背側神経動物です。動物の基本となったのが腔腸動物で、腔腸動物は脳がなく腸が脳の役割も担っているのです。)
ニューロンがあるのは脳だけではない
ニューロンと呼ばれる神経細胞が出現したのが腔腸動物の腸でした(繰り返しになりますが脳ではありません)。やがて生物はいろいろな大きさの脳を持つように進化したのですが、最初にできた脳の役割は、性行動をつかさどっていました。
生物にとって大切な事は、子孫繁栄ですから、栄養を吸収することができる臓器ができたのであれば、次に性行動に指令を与える臓器ができるのも納得です。
腸は脳に匹敵する神経細胞を持っている
テレビなどでは「腸は第二の脳」と言われていますが、藤田さんはそうは思っていません。腸の方が脳よりはるかに賢いと思っているのです。その理由を読んでみると「なるほどー」と思う点が多々ありました。例えば、
脳は食物が安全かどうかは判断できませんが、腸にはそれができるのです。食中毒菌が混入した食べ物でも、脳は食べなさいとシグナルを出します。しかし腸は菌が入ると激しい拒絶反応を示します。腸に入った食物が安全かそうでないかは腸の神経細胞が判断しています。
これには驚きました。確かに変なもの食べちゃうと、吐き出したり下痢を起こしたりして、体が危険なものを排除しようとしますね。これって腸の神経細胞が行なっていたんですね。この他の例えでも、
脳死したとしても、腸の生命は終わりにはなりません。腸は独立して機能し続けることができるのです。しかし腸が完全に死んでしまうと、脳の働きも完全に停止してしまいます。
これにも驚きました。確かに脳が死んだとしても、胃ろうや点滴で生き続けることができますもんね。でも逆だと無理です。こういう話を聞くと腸の大切さがわかりますし、私たち人間が好調動物から進化したんだなぁというの思い起こさせます。
腸はホルモンを作り脳に影響を与える
一般的に、腸は消化吸収をするのみの臓器だと思われていますが、実はそうではありません。なんと腸は人間の感情を左右する物質(ホルモン)を作り出しているのです。
幸せホルモンとして有名なセロトニンやドーパミンは腸でも合成されているのです。
- セロトニン:歓喜や快楽をもたらす働きがある
- ドーパミン:気持ちを奮い立たせたり、やる気を起こす働きがある
腸は病原菌を排除し、私たちが生きるために必要なビタミン類を合成し、免疫力を作り、幸せ物質であるセロトニンやドーパミンの前駆体を脳に運ぶという、私たち人間が生きるために重要な作用になっているのです。
一体どれほどの人が、腸にここまでの機能があることを知っていたでしょうか?驚きの連続です。
全身麻酔をかけた手術の後に、お医者さんが1番気にするのはどこだかわかりますか?これも腸なのです。腸が動かなくなると人間は生きてはいられません。だからお医者さんは聴診器をお腹に当てて腸が動いてるのを確認できるとホッとするそうです。
腸内細菌と脳の関係性
脳の栄養素はグルコースだけで、それ以外は大事なのに入ってこないようにブロックされています。しかし、乳酸菌が作った小さな脳内伝達物質の前駆体は、血液脳関門(BBB)から神経細胞によって脳に運ばれます。つまり腸内細菌がないと脳に大事な伝達物質を送ることができないのです。
ここで重要なことが、腸内細菌の質が悪いと、いくら栄養をとったとしても脳内伝達物質が作られないということです。例えば、ドーパミンは必須アミノ酸のフェニルアラニンがないと合成できません。セロトニンも必須アミノ酸であるトリプトファンが必要です。しかし、フェニルアラニンを多く含む食べ物を食べても、トリプトファンを多く含む食べ物を食べても、腸内細菌のバランスが良くないと脳内に幸せ物質と呼ばれるセロトニンやドーパミンが送られないのです。
(詳しいことを書くと、ドーパミンはフェニルアラニンからチロシンになり、それが水酸化してL-ドーパという前駆体として合成されます。セロトニンはトリプトファンから5-ヒドロキシトリプトファンという前駆体になり、脳に送られます。)
腸が作る幸せ物質の割合
腸が作る幸せ物質のセロトニンの量はいくらぐらいだと思いますか?
人体における幸せ物質のセロトニン量が全体で約10mgくらいですが、その90%が腸に存在し、脳のほか身体の各臓器に運ばれているのです。
これって、驚きの数字じゃないでしょうか?人間が幸せになれるかどうかって、腸の状態次第といっていいかもしれません。
セロトニンの90%は小腸の粘膜状のクロム親和性(EC細胞)内に存在し、EC細胞がセロトニンを合成する能力を持っています。ここで合成されたセロトニンは腸などの筋肉に存在し、消化器官の運動に関与しています。
残りの8%が血小板に取り込まれ、必要に応じて血中で使われています。それで残りの2%のセロトニンが脳に存在していることになります。
腸が脳に与える影響
スウェーデンのカロリンスカ研究所とシンガポールのジェノーム研究所の研究チームは、腸内細菌を持つマウスと、腸内細菌を持たないマウスを用意して、それぞれの成長を観察しました。その結果、腸内細菌を持たないマウスは、成長していくと攻撃的になることがわかりました。
次に腸内細菌を持たないマウスに、
- 成長初期に腸内細菌を導入するパターン
- 成長後に腸内細菌を導入したパターン
で比較してみました。
すると、成長初期に腸内細菌を導入したマウスは、成長しても普通のマウスと同じような行動したのに対し、成長後に腸内細菌を導入したマウスは、腸内細菌が全くいないマウスと同じような攻撃性のあるマウスになりました。
このことから腸内細菌が脳に影響を与えると考えられています。
腸内環境を整えてセロトニンを活性化する食事
精神的ストレスや、食品添加物が多く含まれている加工食品、残留農薬が含まれている野菜・塩素多めの水道水、車の排気ガスなどによって体の中で活性酸素が多く発生している現代生活。この活性酸素がセロトニンを作る上にも悪影響を及ぼしています。
だからこの活性酸素の効果を打ち消す抗酸化力のある食品を積極的に取る必要があるのです。抗酸化力のある食品は全てが植物性のもので、植物の中に含まれている『フィトケミカル』という化合物が抗酸化作用をもたらします。
著者曰くオリーブオイルには抗酸化成分であるポリフェノールやビタミンEが多く含まれ、なおかつ他の植物脂と比べて参加されにくいオレイン酸が多く含まれているので、食事の中にオリーブオイルを取り入れることが良いそうです。
オリーブオイルといっても、精製されたオリーブオイルでは抗酸化成分が落ちてしまうので、低音圧搾のエキストラバージンオリーブオイがおすすめになります。
おわりに:腸を整えることは大切!
今回の記事では、藤田浩一郎さんの『脳はバカ、腸はかしこい』を参考に腸の大切さについて書いてきました。
驚くべき内容が多かったと思います。幸せホルモンのセロトニンが腸で90%も作られているっていうのは本当に意外なことかと思います。いくらセロトニンやドーパミンを作るための栄養素を摂取したとしても、腸内環境が整っていなければセロトニンやドーパミンを合成することはできません。
近年、運動と脳についての関係性はすごく指摘されていますが、脳と腸の関係もすごく深いことが分かっています。健康寿命を伸ばすためにも、運動、そして腸内環境を整えていきましょう。
藤田さんは自作の土壌菌カプセルを毎日飲んでいるそうですが、私たちにはそれは手に入りそうもありません。と思って調べてみたらありました笑。
また後日購入してレビューしてみようかと思います。商品説明をみると藤田紘一郎先生おすすめ!と書いてあります。Amaznoより引用します。
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大豆発酵食品なんですね。
マメビオは知り毎日飲んでいます。藤田先生の本に書かれているように体調は良くなりました。最近、女房にも勧めて、体調は良くなったといっています。
レビューによると体調が良くなったという声も。
1ヶ月ほど服用しましたが1週間で効果を感じられました。お腹スッキリです。
ただ値段が高いです。もう少し安ければ毎月買いたいですが。。。
そうなんですよね・・・まぁまぁ値段がするんですよね。
ためしにのんでみました。2-3日後から便が熟成されて、自然に排便されるように感じます。4ヶ月くらい服用しています。途中に海外旅行で1週間くらいのまないことがあると便がもとのようになります。2-3日服用しないと効果がなくなるようです。犬が肉などを土の中にしばらく埋めてから掘り出しておいしそうに食べるのをみて、不思議でしたが、その意味がわかるようになってきました。1ヶ月四千円というのは少し高いですが、その価値はあると思います。私は医者ですので、患者さんにすすめることもありますが、病院で出せなくて医療保険がきかないというのはとても残念です。病院の下剤よりもずっといいと思います。どなたが発見して,どのように開発されたのかとても興味があります。
1ヶ月4000円と考えると、まぁ普通のサプリメント的な感じですね。ユーグレナ青汁もその程度の値段ですし、健康のために月に5000円を予算を出すとすると、何に使うべきか迷いますね。
私は腸の調子がいつも悪いので、期待して買って使ってみました。 結論から言いますと、全く効果が無かったです。 一か月に4000円以上出す価値はないと思いました。 これを飲むより、散歩を多くしたり、ストレッチ体操をした方がはるかに効果があるように思います。それにしても、価格が高すぎると思いました。
効果がないという人もいますね。やはり個人差はありますよね。
とりあえず私は毎日ヨーグルトを食べて腸内フローラを整えています(ヨーグルトメーカーを購入したので安く効率的にヨーグルトを摂取できるようになりました。)。
食事というものは必ず必要で、自分に何が足りなくて何が必要なのか?は、自分の体と相談しながら決めないといけません。私はうつ的な傾向もないですし、便の問題もないので、腸内環境は今のままで問題ない気がしますが、気分がどんよりしていたり、お腹の調子が悪い人は、腸内環境を整えるために、一度試してみたらと思います。それでは!
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