ミトコンドリアってご存知ですか?
私たちの細胞中にある機関です。
そして、ミトコンドリアは私たちのエネルギーを作る機関なので、体にとって超重要な機能を果たすものになります。
太田成男さんの『体が若くなる技術』と林純一さんの『ミトコンドリア・ミステリー』を読み、ミトコンドリアの機能・効果・増やし方を学んだので、今回の記事ではそれらについてまとめていこうと思います。
長くなってしまったので、ゆっくりと読んでもらえたらなと思います。
また、ミトコンドリアについてもっと知りたい!という方は、太田さんと林さんの本を読んでみてください。(林さんの本は難しめです。)
ミトコンドリアの機能とは?
ミトコンドリアは体のエネルギーをつくる
冒頭にも書いた通り、ミトコンドリアはエネルギーを作る機関です。
エネルギーがあるからこそ、
- 代謝が良くなる
- 肌を若々しくする
- 免疫を強くする
- がんになりにくくする
私たちの健康を保つことができます。
ミトコンドリアはどこにある?
ミトコンドリアは細胞の中にある1つの機関で、細胞によって100個から3000個もの数が含まれており、細胞全体の10~20%を占めます。
ミトコンドリアの機能は様々ですが、もっとも大切な機能が『エネルギーを作り出す』ことです。
エネルギーの正体はATP
エネルギーを放出する物質のことを『ATP(アデノシン三リン酸)』と言います。
ミトコンドリアが作るエネルギーを作るというのは語弊があって、正確にいうと、ATPを作っているのがミトコンドリアになります。
ミトコンドリアは私たちが食べる栄養と、呼吸で吸い込む酸素を使って、ATPを合成しています。
エネルギーを作る反面、活性酸素も作る
ミトコンドリアはエネルギーを作る大切な機関ですが、エネルギーを作る過程で“活性酸素(フリーラジカル)”も生み出してしまいます(´・ω・)
ヒトは進化の過程で酸素を使うことを選びました。
酸素を使うことで大量のエネルギーを作ることができますが、活性酸素も生み出すことになり、それが老化につながるというわけです。
活性酸素が体に有害な理由は、酸化力が高いので、他の細胞に傷をつけてしまうからです。
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なぜ活性酸素が生まれるのか?
ちょっとだけ詳しく書きます。
ミトコンドリアを包む膜には電子が流れ、『電気エネルギー』を発生させています。
ミトコンドリはこの電圧を利用して、モーターを回転させてATPを合成しています。
電圧が一定状態であればいいのですが、例えば急にエネルギーが必要になった時にはATPをたくさん合成する必要があるので、急に電圧が高くなることがあります。
電圧が急に高くなると電子の流れが乱れ、乱れた電子と酸素が反応して、活性酸素になってしまうのです(´・ω・)
- 運動の急停止
- ミトコンドリアの質の低下
で、活性酸素は増えると言われています。
また、呼吸で取り込んだ酸素のうち1~2%は活性酸素になるそうです。
鳥とミトコンドリアの関係
突然ですが、鳥って長生きする動物だと思いますか?
一般的に、動物は体が大きくなるほど寿命が長くなります。
つまり、体のサイズだけを見ると、鳥って短命になるはずなんですね。
しかし、鳥はあのサイズからでは考えられないほど長生きします。(飼育された小鳥だと10〜20年)
「鶴は千年、亀は万年」もまんざら嘘ではないということです。(流石に千年は言い過ぎですが笑。鶴も飼育された場合、50~80年ほど生きるそうです。)
「鳥が長生きする理由ってなに?」
鳥のミトコンドリアは大量にエネルギーを作ることができますが、その反面、エネルギーを作り出す過程で生まれる“活性酸素”の量が少ないのが特徴です。
つまり鳥は、“質の高いミトコンドリア”を持っているということで、活性酸素の少なさこそが、鳥の長寿を可能にしているというわけです。
マラソン選手とミトコンドリア
マラソンのトップ選手たちは、鳥と同じように“質の高いミトコンドリア”を持っています。
だからこそ、42.195キロメートルという長距離を走り抜くことができるのです。
サプリメントとミトコンドリアの関係
- コエンザイムQ10
- アルファリポ酸
- Lカルニチン
- タウリン
- ナイアシン
- パンテント酸
よく耳にするサプリメントですが、これらが体のどこで働いているかご存知ですか?
実をいうと、そのほとんどがミトコンドリアの働きを助けるためのサプリメントなのです。
サプリメントって体の調子を整えるものですよね?
つまり、体にエネルギーを与えるもの、だからこそミトコンドリアに作用するのです。
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中鎖脂肪酸とミトコンドリアの関係
「中鎖脂肪酸が体にいい!」
ということを聞いた人も多いと思います。
中鎖脂肪酸の代表がココナッツオイルですね!(私も毎日食べています)
じゃあ、なんで中鎖脂肪酸が良いかというと、エネルギーに変換されやすいからです。
普通の脂肪や油は長鎖脂肪酸であって、これがミトコンドリアに入るためにはLカルニチンという物質が必要で、それがないとエネルギーに変換されません。
長鎖脂肪酸に対して中鎖脂肪酸は、Lカルニチンなしでミトコンドリア内に入りこむことができます。
だからこそすぐにエネルギーに変わり、脂肪として蓄積されないということです。
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パーキンソン病とミトコンドリア
パーキンソン病という深刻な病気にミトコンドリアは関わっています。
パーキンソン病は、脳の中の黒質と呼ばれる、ドーパミンという物質を分泌する細胞が死んでしまうために起こる病気です。
これは、古くなったミトコンドリアが除去されないから起こる病気だということが分かってきました。
古くなったミトコンドリアはエネルギーを作れないばかりか、活性酸素を放出しやすくなり、それが脳の神経細胞を殺してしまうのです・・・。
参考:不良ミトコンドリアの目印を除去する仕組みを解明~パーキンソン病の治療薬開発に期待~
老いとミトコンドリアの関係
老化が進むから運動しなくなるのか、運動しなくなるから老化が進むのか・・・?どちらだと思います。
ミトコンドリアの観点からすると、
- 運動をしなくなる
- エネルギーの必要性が下がる
- ミトコンドリアの数が減る
- 少しの運動で疲れる
という負の循環に入ってしまうんですね(´・ω・)
運動はミトコンドリアを活性化させる
運動をすると、脳と全身を走る神経細胞のミトコンドリアが増えることが分かっています。
ミトコンドリアが増えると、認知症の予防にもつながるとのことです。
というのも、認知症の人の脳を調べると、ミトコンドリアの量が少なく、エネルギーを作る機能が下がっていることが分かっているからです。
ミトコンドリアはアポトーシスにも関与
アポトーシスという言葉をご存知でしょうか?
アポトーシスは『細胞の自滅システム』であり細胞死とも呼ばれています。
例えば、細胞にウィルスが入った時、火傷などで細胞が傷ついた時、体全体を守るために、アポトーシスという反応が行われます。
もし、このアポトーシスが正常に行われなかったらどうなると思います?
それが『ガン』です。
体に不要な細胞がアポトーシスが起きずに、永遠に増殖してしまう・・・だからアポトーシスは体にとってすごく重要なシステムになります。
このアポトーシスにミトコンドリアの遺伝子が関わっています!
私たちは細胞に『核』を持っており、その中に遺伝子が内包されています。
それとは別に細胞のミトコンドリアにも別の遺伝子(ミトコンドリア遺伝子)があります。
この遺伝子がアポトーシスに関与しています。
最近は、がんは不治の病ではなくなり、半分くらいの人は治りますか、ミトコンドリア遺伝子の傷が大きいがんは治りにくく、死亡率がぐんと高いのです。
さらに、ミトコンドリア遺伝子に傷が多いと、抗がん剤や放射線治療の効果も低くなってしまうのです。体が若くなる技術 p55
ちなみに、アポトーシスに似た言葉に『ネクローシス』があり、ネクローシスもアポトーシス同様、細胞の死を指しますが意味が違います。
細胞が物理的・感染・化学的に破壊され、細胞の中身がこぼれネクローシスが起こると、それを修復するために患部が腫れたり熱を持ったり、“炎症”が起こります。
同じ細胞の死なのに、ネクローシスでは痛みが伴うのに対して、アポトーシスは痛みがありません。
つまり、アポトーシスが遺伝子に組み込まれた“自然な反応”ということです。
抗酸化と遺伝子修復能力
人が老化する理由は主に2つです。
1つ目が先ほど話した通り、“活性酸素”が理由です。
活性酸素が高い酸化力で細胞や遺伝子を攻撃し、遺伝子のコピーエラーが積み重なるからです。
もう1つの理由が単なる“コピーミス”になります。
私たちの体は毎日は変わっていないように見えますが、体の中では毎日新しい細胞に入れ替わっています。
1日にだいたい0.5%ずつ新しい細胞に入れ替わっていますが、入れ替わるためには細胞は自分自身をコピーする必要があります。
活性酸素、紫外線、放射性物質、発がん性物質などの外敵要因がなかったとしても、1日あたり1つの細胞で10万ヶ所以上も遺伝子が傷つくというのですから驚きです(´・ω・)
「おいおい、それやばくね?」と思いますよね笑
大丈夫です。
ヒトにはそれらに対応するシステムがあります。
活性酸素に対しては、活性酸素を取り除く酵素『SOD(スーパー・オキシド・ディムスターゼ)』が体に備わっています。
チンパンジーと比べるとヒトは倍のSODを持っているのだとか。
コピーミスに対しては『遺伝子の修復能力』が備わっています。
この2つの機能を使い、
- 活性酸素を取り除く
- 取り除きれなくて活性酸素が遺伝子を傷つけても、遺伝子修復システムが働く
と、万全な体制を整えているのです。
と言っても、1つの細胞に毎日10万個以上のエラーが出てしまうので徐々にエラーの連鎖が起こり、体の機能は衰えていくというわけです(´・ω・)
エネルギー量を増やすことが老化対策
活性酸素の除去にしても、遺伝子修復にしても『エネルギーが必要』になります。
つまりミトコンドリアが大切ということですね。
ミトコンドリアで活性酸素が大量に作られるとき
活性酸素がミトコンドリアで大量発生する時は、どんな時だと思いますか?
それは、“急に血液が流れ酸素がミトコンドリアに入り込んだ時”です。
ミトコンドリアは急に酸素が大量投入されると処理がうまくできないということですね。
じゃあそれってどんなとき?
- 激しい運動を急にやめるとき
激しい運動をすると、体はエネルギーを作るために大量の酸素を必要とします。
しかし、急に運動をやめるとエネルギーがいらなくなり、酸素過多になってしまい、これが活性酸素を作るというわけです。
クールダウンが必要とは、こういう理由もあるんですね。
ミトコンドリアを増やすには?
今まではミトコンドリアの機能について書いてきました。
ここまで読めば、ミトコンドリアの大切さが分かったと思います。
ということで、これからはミトコンドリアを増やす話になります!
ミトコンドリアを増やすべき理由
ミトコンドリアを増やすべき理由はなんだと思いますか?
「そりゃエネルギーをたくさん作れるようになるからだろ!」
その通りです!
しかし、もう1つ理由があります。
ミトコンドリアは急激な仕事(ATP合成)がかかり、キャパオーバーになると活性酸素が発生するということでした。(急な電圧がかかると電子が乱れ、乱れた電子は酸素と反応してしまうから)
例えば、1つのミトコンドリアが1ATPを合成できるとして100ATP必要だったら、1つのミトコンドリアが100ATPを合成する必要がありますよね?
もし、ミトコンドリアが10個あれば、1つあたり10ATP合成でいいですし、ミトコンドリアが100個あれば、1つあたり1ATP合成ですみます。
つまり、ミトコンドリアの数が多いほどキャパオーバーになりづらく、活性酸素が発生する確率が減るのです!
ミトコンドリアの量が増えれば、エネルギーも作りやすくなり、活性酸素は作りにくくなるということですね。
だから、“若さ”につながるのです!!
ミトコンドリアを増やす4つの方法
「どうやってミトコンドリアを増やすの?」
太田成男さんによるとミトコンドリアの量を増やすには4つの方法があります。
- マグロトレーニング
- 姿勢を保つ
- 寒さを感じる
- 空腹を感じる
とりあえず“エネルギーが不足している”状態を作り出すことが大切なんですって。
マグロトレーニングとは?
ミトコンドリアは白筋(白い筋肉)より赤筋(赤い筋肉)に多く含まれています。
白筋が瞬発力に必要な筋肉で、赤筋が持久力に必要な筋肉です。
つまり、ミトコンドリアを増やすには赤筋を鍛えよう!ということです。
赤筋を鍛えるには、“有酸素運動”になります。
ただし、ウォーキングのような軽い負荷の有酸素運動ではミトコンドリアは増えません(´・ω・)
最大心拍数の60%程度の有酸素運動が効果的なので、最初はきつく感じる人もいると思いますが、頑張ってみてください。
姿勢を保つ
ミトコンドリアは姿勢を保つための筋肉、背筋と太ももの筋肉にたくさん含まれています。
だから、“姿勢を保つ”だけでミトコンドリアを増やすことができるとのことです。
これは余談ですが、姿勢を保つことは、“自己コントロール能力を高める”こともわかっています。
姿勢を正すことはメリットだらけですので、是非とも意識してみてください。
ちなみに私はスタンディングデスクを導入しているので、パソコン作業中も良い姿勢を強制には系に心がけるようになっています笑。
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寒さを感じる
寒いと、体は体温が下がるのを防ぐためにエネルギーを使います。
つまり、寒いところにいるだけでミトコンドリアは増えるということです笑
実際、マウスの話ですが、マウスを寒いところに置いただけでミトコンドリアを増やすような働きがあったとのことです。
マウスの例をそっくりそのまま人間にあてはめることはできませんが、寒いところで運動するとミトコンドリアを効果的に増やせると考えられています。
空腹を感じる
カロリーを50~60%に制限すると、長寿遺伝子が働き『長生きになる』という話を聞いたことがある人もいると思います。
長寿遺伝子が働くとどうなるのよ?って話ですが、ミトコンドリアが増加するみたいなのです。
それで、遺伝子操作で長寿遺伝を働かせるようにすると、ミトコンドリアが増加し、カロリーを制限しなくても寿命が伸びることがわかりました。
長生きしたいからといって、50~60%もカロリーを制限するってつらいじゃないですか?
だったら、ミトコンドリアを増やせって話なんですね(`・ω・´)”
ちなみに、こんな実験があります。
アカゲザルを2つのグループに分け、1つは自由に食事させ、もう1つは70%にカロリー制限をして食事をさせて20年間観察し、比較しました。
実験の結果、カロリー制限のグループのアカゲザルは、しわや白髪が少なく体毛も若々しいことがわかりました。
また、生活習慣病や老年病で亡くなる数が3分の1だったそうです。
カロリー制限の効果ってすごいですよね。
ただし、著者曰く、ミトコンドリアを増やすためにはカロリー制限よりも「空腹を感じること」の方が重要だ!とのことです。
だから、週末にでもプチ断食を行うだけでミトコンドリアに良い影響を与えるんですって。
ミトコンドリアを増やすための効果的な運動とは?
以上を踏まえた上で、ミトコンドリアを増やすための効果的な運動とはなんだと思いますか?
“お腹を空かせての運動”がミトコンドリアを増やすためにいいそうです!
- 運動はミトコンドリアを増やす
- 空腹はミトコンドリアを増やす
この条件を満たすのが“空腹時の運動”なんですね。
だから、ミトコンドリアを増やすという目的ならば、夕食の前の運動がいいと思います。
ただ・・・私は夕食後の運動が習慣になってしまっているので、朝食前にバイクを漕ぐことにしました(`・ω・´)”
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まとめ
この記事では『ミトコンドリア』について書いてきました。
長くなってしまったので簡単にまとめたいと思います。
- ミトコンドリアはエネルギーを作る機関
- エネルギーを作るが活性酸素も生み出してしまう
- 急な動きの前後で運動が活性酸素が作られる
- ミトコンドリアが増えれば、活性酸素は作られにくくなる
- ミトコンドリアを増やすには有酸素運動
- 空腹時の運動が効果的
といったところです。
私は生物系の大学出身者なので、ある程度ミトコンドリアについては勉強していたのですが、まだまだ知らないことが多かったです笑
勉強不足でしたね(´・ω・)
私の健康論としては、
- 腸内細菌を整えること
- 良質な脂質を摂取すること
- 運動すること
- 睡眠の質を高めること
が軸だったのですが、この軸に『ミトコンドリアを増やすこと』を入れたいと思います〜。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
*健康関連記事
- 腸内細菌環境を整えることこそ健康のためのファーストステップ
- 体に必要な栄養とは何か?栄養に関する知識をまとめてみた
- 【まとめ】睡眠の質を高めるためにやっておきたい16のこと
- 簡単に作れる野菜スープでファイトケミカルを摂取しよう
- 良い脂質とダメな脂質の違いは何か?良質な脂肪は摂取するべき
- 適度な運動にはメリットしかない!トレーニングのメリットについてご紹介します。
追記:ちょっと詳しくミトコンドリアの話
余談で、ちょっとだけ詳しくミトコンドリアの話について書いていきたいとおもいます。
ミトコンドリアはもともと違う生物
よく言われる話ですが、ある違う生物とミトコンドリアが出会い、共生し、私たちの細胞のもとである生命体は生まれました。
その証拠に、一般的に言われるDNAとミトコンドリアDNAの2つのDNAを私たちは有しています。
生物にとって酸素はそもそも毒
私たちが当たり前に吸っている酸素ですが、最初の生物からしたら毒でした。(電子を引き付ける力が強く、DNAやタンパク質と酸化反応を起こし生命活動を維持できなくする)
もともとは酸素より二酸化炭素の方が多かったんですね。
しかし、葉緑体の祖先となった生物が空気中の二酸化炭素と水と大陽の光を利用し(光合成)、ブドウ糖と酸素を合成し始めました。
これにより、地球上にたっぷりとあった二酸化炭素は減り、ブドウ糖と酸素が増えていきました。
今度は増えていくブドウ糖と酸素を利用する生物が現れました。
これが、ミトコンドリアの祖先となる生物です。
ミトコンドリア(の祖先)は有害な酸素を除去するだけでなく、酸素を使うことにより莫大なエネルギーを得ることができました。
そこで彼らを積極的に取り込み、共生の道を選んだ生物が私たちの祖先になります。(と、言われています)
ミトコンドリアが共生する利点とは?
酸素をエネルギーに変えることができない生物にとって、ミトコンドリアと共生するメリットあります。
しかし、ミトコンドリアには共生することのメリットはどこにあるのでしょうか?
ミトコンドリアは酸素をエネルギーに変えることができますが、それにより重大な問題を抱えてしまいます。
それが“活性酸素の発生”です。
酸素以上に強力な酸化作用を持つ活性酸素は、大切な遺伝情報を破壊する恐れがあります。
そこでミトコンドリアが目をつけたのが、原始真核生物が持っている『核』です。
共生を選び、ミトコンドリア自身の遺伝情報の一部を原始真核生物の核に送り込み、活性酸素の攻撃から避難させたと考えられています。
ミトコンドリアはすべて母親由来
私たちの体の細胞にあるミトコンドリアはすべて“母親由来”です。
なんですべて母親由来なんだよ?って話ですが、まだ明らかになっていません。
考えられている1つの理由として、卵子にたどり着くために精子は激しい鞭毛運動をしなくてはならないので、エネルギー供給する精子ミトコンドリアには激しいストレスがかかります。
そうすると酸化的ストレスによってダメージを受け、突然変異などのリスクが生じます。
そのような突然変異のミトコンドリアDNAが子孫に影響しないように、排除する仕組みが備わっているのではないかと考えられています。
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