パレオダイエットをご存知でしょうか?
最近流行ってるのかな?というダイエット法になります。
今回の記事では、Yu Suzukiさんが書かれている『パレオダイエットの教科書』を読んだので、メモ的に記事残そうと思います。
パレオダイエットとは?
『旧石器時代』を意味する『パレオリシック』の略でパレオという言葉を使っているようです。
つまり、旧石器時代の食事法を真似たダイエット法がパレオダイエットになります。
旧石器時代の人々の詳細なデータはないのですが、その頃にデブやうつ病の人いないよねってことで、最近注目されているんですね。
肥満やうつ病って現代病なので、旧石器時代まではいかなくても、食事に気をつけて、毎日歩いていたら現代病とはほぼほぼおさらばできるはずです。
GO WILDと内容は似ている
パレオダイエットの教科書の内容としては『脳を鍛えるには運動しかない』でおなじみの著者の本『GO WILD』とかなり似ている部分があったので、GO WILDを読んだ方は、特にこの本を読まなくてもいいかなぁと。
まだ読んだことなくて、なおかつ読書経験があまりないのであれば、分厚さ的に『パレオダイエットの教科書』の方が読みやすいです。
2、3時間あれば、読めると思いますよー!
先進国の食事の恐怖
パレオダイエットの教科書の特徴としては、論文をしっかりと引用しているところです。
だから「これって本当?」って思うところは、自分で論文を読めばより詳細なない方を把握することができます。(と言っても、英語が読めないとダメですが・・・&論文も微妙なものから良いのまであるのですが・・・)
さて、パレオダイエットの科学的な検証が始まったのは、今から20年前のことで、太り気味の男性たちに、オーストラリアの先住民であるアボリジニの伝統的な食生活にチャレンジしてもらいました。(→Marked Improvement in Carbohydrate and Lipid Metabolism in Diabetic Australian Aborigines After Temporary Reversion to Traditional Lifestyle)
7週間後の結果、
- 平均8kgのダイエットに成功
- 中性脂肪やコレステロールの値も改善
- 糖尿病もほぼ完治した人までがいた
という驚きの結果になりました。
んで、面白いのが、2015年に逆の実験も行われたところです。
南アフリカで昔ながらのライフスタイルを送る健康的な20名の男女を集めて、アメリカ人の平均的な食事をしてもらいました。(→Fat, Fiber and Cancer Risk in African Americans and Rural Africans)
2週間後・・・
- 急激に全身の老化が進行
- 血液検査で大腸ガンの発症リスクが急増
というものでした。
先進国の食事がいかに怖いものかわかりますね。
と言っても、平均的なアメリカ人の食事がそもそもやばそうなのですけど・・・笑。
ちなみに、コクラン共同計画が2015年に行ったメタ分析によると、国際的なメタボ予防ガイドラインよりパレオダイエットの方が効果があるのだとか。(→Paleolithic nutrition for metabolic syndrome: systematic review and meta-analysis)
ちなみに、ダイエットはどれでも続ければ効果があるという結果が科学的に出ていますので、パレオダイエットにこだわる必要もないのかと。(→Comparison of Weight Loss Among Named Diet Programs in Overweight and Obese Adults)
狩猟採集民族の健康さ
昔ながらの生活をしている人たちは、ほぼいません。
しかしながら、近代化をできるだけまぬがれている部族は少数ですが存在します。
その集団が、
- タンザニアのハッツァ族
- パプアニューギニアのキタバ族
1990年代、欧米の人類学者が彼らのライフスタイルを詳しく調査しました。
すると、
- デブがいない
- 現代病にかかる人はほとんどいない
- 肌トラブルもなし
- 虫歯や歯周病もなし
- 精神病もなし
と、健康さはパーフェクトだったのです。
当然のことながら、彼らは食事を気にしているわけでもなければ、ジムに通っているわけでもありません。
パレオダイエットの食事
パレオダイエットの基本は
- 食事
- 睡眠
- 運動
になります。(まぁダイエットの基本もコレな気がしますが笑)
ということで、まずはパレオダイエットの食事法から書いていきます。
太らないように体はできている
人間の体は生まれつき太らないようにできていると言ったら、驚くでしょうか?
そもそも人間以外の動物で太っている動物なんて見たことがないですよね。
それは動物だけかと言ったら、そんなことなくて、本来は人間も太らないような体なのです。
「そんなことない!カロリーを取れば太るはずだ!」と言い張る人もいるでしょう。
しかし、狩猟採集民の摂取カロリーと肥満大国アメリカ人の摂取カロリーはあんまり変わらないんですね。
それなのに、狩猟採集民たちは肥満体型がいないのです。
セットポイント
体には食べ過ぎたとしても太らないようにする体重管理システムが、遺伝子に組み込まれています。
これを『セットポイント』と言います。
このセットポイントへの影響に『レプチン』という物質が関与しています。
レプチンは脂肪細胞によって作り出され、脳に作用し、肥満の抑制や体重増加の制御を果たす役割があります。
簡単に言えば、カロリーをいっぱい摂取すれば、お腹がいっぱいになって体脂肪が燃え始め、カロリーが足りなければ、お腹が空いて体脂肪は温存されます。
しかし、レプチン抵抗性と呼ばれる現象が起こる人がいます。
こうなると、脳がレプチンに反応を示さなくなり、食べても食べてもお腹がいっぱいにならないのです・・・。
セットポイントを狂わせる食事
セットポイントさえ正せば、適切なカロリーを摂取すれば満腹感が出てくるのです。
肥満になる原因はセットポイントが狂ってしまうからなんですね。
だから、ダイエットの基本としては、セットポイントというもともと人間に備わっている機能を正しくしてやろうという戦術です。
ということで、まずはセットポイントを狂わせる食事を、普段の生活から排除しちゃいましょう。
セットポイントを狂わせる食事といえば、
- ファストフード
- 人工甘味料
- 加工食品
です。
これらを作っている会社とすれば、デブが増えれば増えるだけ儲かるのですから、セットポイントを狂わせるような中毒性のある『人工的なおいしさ』を作り出すわけです。
だから、これらの食事を極力排除するだけで、みるみるうちにセットポイントは回復していきます。
と言っても、厳密に食事の全てからこれらを排除することは不可能なので、『できるだけ』で十分です。
ほぼ毎食、昼食にカップラーメンを食べている人は、自家製のおにぎりを作ったり、夕食を毎日外食ですませる人は、自炊をしてみたり。
とまぁ簡単にセットポイントを治すことはできます。
それと、「野菜が大事!」だからと言って、コンビニの野菜を食べるのはやめましょうね・・・。
殺菌やら菌が増えないように食品添加物まみれだったりしますので(´・ω・)
パレオダイエットの睡眠
続いて睡眠の話になります。
2015年にカリフォルニア大学が行った調査によると、狩猟採集民には以下のような特徴がありました。(→Natural sleep and its seasonal variations in three pre-industrial societies)
- 寝つきがいい
- 朝はすっきりと目が覚める
- 平均睡眠時間は5.7〜7.1時間
先進国では不眠に悩まれる方が多いというのに、狩猟採集民はそのような悩みがないようです。
また、タンザニアのハッツァ族は睡眠時間が6時間を下回るのが普通なのに、それでも健康上に全く問題ないということです。
睡眠不足が健康にもたらす被害
睡眠が少ないと体に悪いということは、科学的なデータを持ってしなくても、自分の体感としてわかることだと思います。
一応、睡眠不足がもたらす健康上の被害を簡単に書きます。
- 寿命が縮む
- 肌が老化する
- 太りやすくなる
- 集中力がなくなる
など、ネットを検索すれば山ほど出てきます。
ブルーライトをカット
快眠をするためには『光をコントロール』しましょう。
そもそも人間は、自然の光に反応して睡眠をコントロールしていました。
しかし人工照明が、スマホなどから光が発せられることにより、私たちの体の体内時計はめちゃくちゃになってしまったんですね。
かと言って、「夜はろうそくの光のみ!」なんて時代には戻ることができませんから、ブルーライトのカットから始めましょう。
ブルーライトとはテレビやスマホからでてくる青い光のことで、これが睡眠の質を下げる要因の1つだと考えられています。
ブルーライトのせいで、夜なのに脳は日中だと勘違いし、睡眠に必要なメラトニンを分泌しなくなってしまうのです。
最近ではブルーライトカットのメガネや、スマホアプリが登場しているので、それを使って見ましょうね(`・ω・´)”
iPhoneだとナイトシフトという機能があるので、それを選択してください。
パソコンだと『f.lux』というフリーソフトが便利です。
Macでも使えるので、私はかれこれ5年間くらい愛用しています。
睡眠についてはこちらの記事でまとめています→→→【まとめ】睡眠の質を高めるためにやっておきたい16のこと
軽い運動をする
1日30分のウォーキングで睡眠の質が上がることがわかっています。(→Association between Objectively Measured Physical Activity and Mortality in NHANES)
ランニングじゃなくて、ウォーキングでいいのですからね!
デスクワークの人は睡眠の質がかなり悪いと思うので、ウォーキングを生活習慣に取り入れてみてください。
ただし、ベッドに入る前の3時間以内に運動をすると、逆に睡眠の質は低下するらしいので、「もうベッドに入って寝たいけど、快眠のために運動しなきゃ!」なんてことは思わないでください。
ちなみに私は寝る3時間前くらいにちょうどランニングなどの運動をしていますが、確かにきつい運動をした時は睡眠の質が低下しているのを感じています・・・。
と言っても、習慣なのでやめていないのですが笑。
体温の低下とともに睡眠
寝る前にお風呂で体を温めておくと、ベッドの中で体温が下がり始めて、その落差によって眠気が生じやすくなります。
なかなか寝付けないという方は、お風呂から出た後は作業をやめて、布団の中で体温が下がり、眠気が来るのを待ちましょう。
布団から足を出す
足の血管は熱を逃しやすい構造になっているので、布団から足を出すことで体温調節ができ、快眠につながることがわかっています。
睡眠に効くサプリ
著者が使用している睡眠の改善に役立つサプリをメモしておきます。
サプリメントが効くかどうかは個人差にかなりの影響があるので、自分で色々試して見て、自分に合うサプリメントを探してみてください。
クエン酸マグネシウム
320mgのマグネシウムを7日間飲み続けた参加者は、不眠が大幅に改善したという研究があります。(→Magnesium supplementation improves indicators of low magnesium status and inflammatory stress in adults older than 51 years with poor quality sleep.)
マグネシウムは必須ミネラルの1種で、脳がうまく働くために必要な栄養素です。
マグネシウムが不足すると睡眠の質が下がるので、マグネシウム不足の人は摂取を心がけましょう。
特に、スポーツなどで汗を多くかく人は、体からマグネシウムが流れ出ていますのでね(`・ω・´)”
またマグネシウムサプリは、酸化マグネシウムではなく、クエン酸マグネシムの方が吸収性が高いのでオススメだそうです。
メラトニン
メラトニンは、体内時計を調節する働きを持ったホルモンになります。(→Melatonin: Can it Stop the Ringing?)
ベッドに入る30〜60分前に0.5mgを飲めば大丈夫で、それで効きが悪ければ、1週間ごとに0.5mgずつ増やしてみてください。
ただし、1日に5mg以上は飲まないようにしてください。
マグネシウムを2週間続けても改善が見られない場合は、メラトニンサプリを試してみましょう。
メラトニンは国内のサイトでは購入できないので、サプリメントでおなじみのiHerbのような海外サイトからご購入下さい。
ラベンダー系サプリ
ラベンダーは神経の高ぶりを納める効果があるので、ラベンダーオイルをオススメしています。(→Silexan, an orally administered Lavandula oil preparation, is effective in the treatment of ‘subsyndromal’ anxiety disorder: a randomized, double-blind, placebo controlled trial)
私はサプリはとっていませんが、たまにラベンダーのオイルをティッシュなどにたらして嗅ぐことはあります。
確かにリラックスできますよね。
男性よりも女性の方が匂いに敏感ということもわかっているので、女性にオススメですね。
レモンバーム
ラベンダーを1週間ほど使って効果がなければ、レモンバームを著者は進めています。
1日600mgの服用で、不眠が42%も改善されたのだとか。(→Pilot trial of Melissa officinalis L. leaf extract in the treatment of volunteers suffering from mild-to-moderate anxiety disorders and sleep disturbances)
ベッドに入る30〜60分前に300mg飲んでみて、効果がなければ600mgまで増やして効果を確認しましょう。
グリシン
快眠サプリで定番のグリシン。
海外を飛び回るアスリートやビジネスマンが使っているイメージがありますね。
グリシンはアミノ酸の一種で、睡眠の質を高める働きを持っています。(→Subjective effects of glycine ingestion before bedtime on sleep quality)
一日3gが目安です。
バレリアン・ルート
この本を読んでいて初めて知ったものが『バレリアン・ルート』。
なんだこれ?って話ですが、どうやら一部の実験ではグリシンの効果は短時間しか持続しない可能性も示唆されているとのことです。
ということで、効果が薄い方は、バレリアン・ルートを一日450mg飲んでみるといいのだとか。
寝る前の30〜60分前に飲んで、目覚めの具合をチェックしてみましょう!
バレリアンは昔からストレス解消に使われてきたハーブなんですって。(→Effectiveness of Valerian on insomnia: a meta-analysis of randomized placebo-controlled trials)
パレオダイエットの運動
食事・睡眠を書いてきたので、最後に運動について書いていきます。
狩猟採集民達がどんな運動を日々していたのかというのを、ミズーリ大学のジェームス・オキーフエ博士が2011年に論文として出しており、それによると、
- 6〜16kmくらい毎日歩く
- 時々筋トレに近い活動をする(獲物を担ぐなど)
- たまに最大心拍数80%以上の猛ダッシュを行う
だそうです。
痩せるためではなく健康のため
ちなみに、ここでの運動は痩せるためではありません。
先にあげた、食事と睡眠がしっかりしていれば、自然と体重は普通になっていきます。
ここで運動をする理由は
- 若返り
- メンタルの改善
- 頭をよくする
です。
このサイトでなんども取り上げていますが、運動にはメリットしかありません笑。
食事をすることで病気の予防ができるのはもちろん、精神病の改善や、脳細胞が増殖することまでわかっています。
この辺りを詳しく知りたい人は、『脳を鍛えるには運動しかない!』という本を読んでみてください。
運動に役立つサプリ
著者は究極エクササイズとして『HIIT』をオススメしています。
「HIITってなに?」という方は、こちらの記事を参考にしてみてください→【HIIT】タバタ式トレーニングが効果的すぎる!たった4分でできる究極のトレーニング
これはたったの4分で終わるトレーニングなのですが・・・超きついです笑。
多分続きません(´・ω・)
私も冬の間は頑張って週に2〜3回ほどは取り入れることができるのですが、熱くなった夏場はマジで無理です笑。
どんなものかというと、
- 20秒全力ダッシュ
- 10秒休憩
を、ただただ8セット繰り返すだけです。
だからたったの4分で終わるのですが、4セット目あたりから死にそうになりますので、心臓に弱い方は注意が必要です。
死にそうになるキツさがある分、効果も実証みで、HIITの効果は科学的にわかっています。(→High-intensity interval training for health and fitness: can less be more?)
10分間のHIITを週に3回のペースで行った参加者は、基礎代謝が平均で147kcalもアップしたそうです。
基礎代謝が100kcal超えるって相当すごいことですよ〜!
クレアチン
筋トレ好きは注目してるであろう『クレアチン』。
筋肉量を増やしたり、心肺機能を高める効果を持っています。(→Effect of Different Frequencies of Creatine Supplementation on Muscle Size and Strength in Young Adults )
クレアチンもいろいろな種類がありますが、著者によると『モノハイドレート』が吸収率も高く、その割に価格も抑えめなのでベストチョイスだとか。
HIITを行う30分前に5gを飲めばOKらしいです。
私はまだクレアチンを試したことがないので、どんなものなのかは未知数ですが、まぁ多くの筋トレ好きは飲んでますよね笑。
カフェイン
これも筋トレ好きには有名な話ですが、運動前にカフェインを摂取すると筋トレ効果がアップすると言われています。
というのも、カフェインの代謝物が筋肉ないのカルシウムイオンを増やして、よりパワーが出やすいようにするのだとか。(→Metabolic effects of caffeine in humans: lipid oxidation or futile cycling?)
運動前の30〜60分前に400〜600mgを飲めばOKです。
ちなみに私はサプリメントとか関係なしで、摂取量も気にせず、緑茶やコーヒーなどでカフェインを摂取しています。
BCAA
これも筋トレ好きにはおなじみのサプリメントBCAA。
BCAAについてはこちらの記事を参考にしてみてください→トレーニング後の筋肉に必要なエネルギーと各種栄養素の説明のまとめ
「BCAAはどんな効果があるの?」っていう話ですが、トレーニング後の疲労回復に役立つと言われています。
色々なサプリメントをご紹介してきましたが、何か1つを購入するとすれば、それはやっぱりホエイプロテインなんじゃないのかなと思っています。
ホエイプロテインについてはこちらの記事で詳しく書いているので参考にしてみてください→プロテインの種類と選び方!ホエイ・カゼイン・ソイの違いってなに?
不足しがちなタンパク質は、体にとって超重要な栄養素ですからね。
臓器も皮膚も血液などなどもタンパク質がとっても大切なんですね〜。
ということで、お金に余力のある方は様々なサプリを買えばいいと思いますが、迷うのであればホエイプロテインがオススメです!(まぁ本当であれば、放牧された牛肉とか、天然の魚肉とかから摂取するのが一番なのですが・・・高い!)
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では『パレオダイエットの教科書』から気になる部分をメモに残しつつ、書いてきました。
読みやすくてとっても健康のためになる本だと思うので、皆さん是非手にとって読んでみてください!
健全なる肉体に健全なる精神は宿るので、まずは健康的な体を手にすることが大切だと私は思っています。
これもなんどもサイトで書いてあることですが、健康寿命のためにも日頃から食事や運動には気をつけましょうね!
じゃないと、人生の後半は寝たきりの生活が待ってるかもしれないのでね。
せっかく平均寿命が延びているのですから、最後まで楽しい人生にしたいですよね?
そうであるならば、やっぱり健康は大切でっせ(`・ω・´)”
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